386 名前:隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 五日目・朝:疑問提起とその解答、あるいは誤魔化し] 投稿日: 2007/02/15(木) 04:18:39
「それからもう一つ聞きたいのだが」
眼鏡を掛け直して続ける。
「ん?」
あと他に何かあっただろうか?
「なに、大したことではないのだがな、庭の荒れようはどうしたのだ?
爽やかな朝に縁側で伸びをする、というのは結構憧れた生活なのだが、庭に爆発跡のような穴があって驚いたのだが」
昨日まではなかったろう、と氷室。
……そうか、すっかり忘れていた。
残骸はジェネラルがうまく片付けてくれたようだが、さすがに庭に空いた航空機の爆発跡は隠しようが無い。
幸い殆ど垂直に突っ込んだから範囲は決して広くないが、その分穴は深かったはずで、その穴はまるで塹壕のようだ。
「うん? 何を意外そうな顔をしているのだ、縁側を通って気付かなかったわけじゃないだろう?」
「まあ……そうだけど」
実際なんと言えば良いのやら。
爆発の類があった、とすれば『普通は』気付いてしまう。
だからその類の、『事故があった』などの言い訳は出来ない。
ならば適当で尚かつ誤魔化せる話ってなんだろうか、不自然でなく、大穴が空いていて問題のない言い訳は。
「木を植えるつもりなんですよ」
桜が咄嗟に答えた。
「昨日ちょっと話したらライダーが一晩でやっちゃったんです、先輩の許可も取ってないのに、ノリノリで」
「ライダーさんがか? 意外だな」
そう言うことをやりたがる人とは思わなかったと感心している。
「何か良いところを見せたかったんですよ、久々の妹さんとの再会ですから」
桜がちらりと目配せしてくる。
話を合わせろと言うことか。
「そうだったのか、でも植えるなら小さい苗木だろ? もうちょっと端の方に掘ってくれた方が良かったな」
「あはは、そうですね」
「妹? ライダーさんに妹さんが居たのか?」
どうやら彼女とは会って居ないらしい。
「ああ、まだ会ってなかったんですね、昨日来たんですよ、それで迎えに行ったときにノインちゃんを見つけたんです」
「む、そうだったのか……それは悪いことをしたかな、再開に水を差したり邪推したり、それどころか気付かず眠ってしまって」
「気にしないでください、そう言うことを気にする人じゃ無いと思いますし」
それに眠ったのは遠坂の魔術のせいだし。
……なんだか無闇に話が広がっている気もするが、上手く誤魔化せたと思う。
昨日の行動の理由付けも一応出来たし、悪くはないだろう。
「じゃ、さっさと運んでしまおう、そこで二人を紹介するよ」
「うむ、そうしてくれると助かる」
三人でまとめて朝食を運ぶ。
台所から居間に向かうと
ほのぼの:「おなかすいたー」和やかな笑顔が迎えてくれた
カオス:空気が凍り付いていた
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最終更新:2007年05月21日 18:41