103 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 五日目・昼:服の感想] 投稿日: 2007/03/30(金) 05:04:19

「んー? シロウってばそんなにじーっと見ちゃって……欲情しちゃった?」
その言葉に思わずむせた。
人差し指をぺろりとなめて妖艶に微笑む姿はなんというか末恐ろしさを感じるが、そう言う事じゃない。
そのドレス姿に、余りにもイリヤに似合うそのドレス姿に、大聖杯の前に現れたイリヤを、思い出してしまっただけ。
思い出せば、涙が溢れそうになるが、追憶を止めることは出来ない。

だから滲みそうになる涙や感情を抑えようとして視線を逸らして。
そこでなんだかとんでもなくむくれているノインの姿を見つけてしまった。
腕を組み、不機嫌に頬を膨らませてそっぽを向くその姿で、今日やろうとしていたことを思い出した。
そう、今日の主目的はノインの服を買いに来ることだったんだ。
「あー、その、ノイン、似合ってるぞ?」
「おーそーいー!」
両手を高く上げて威嚇するようにしゃーっと気を吐く。
その仕草はなんとなくだが、イリヤに似ているな、と思った。
「士郎ってばレディーの扱いがなってないよまったくもう……」
「悪かったって、ほら、この通り」
頭を下げる。
「ふーんだ、こんなのに鼻の下ズバーって伸ばしちゃってさー」
不機嫌さを伝染させるようにノインがイリヤを鼻で笑って見せた。
「こんなのとは失礼ね、お兄ちゃんはもう私にめろめろなんだから、あなたが入り込む余地なんてないもーん」
額に青筋を浮かばせる直前に自制したのか、イリヤは余裕たっぷりに応じてみせる。
「ふーんだ、体だけが目当てって事考えたことあるかなー? 大事なのはハートだよー?」
「……っ! お兄ちゃんは私と一緒にお風呂入るくらいめろめろなんだから!」
「ほら、それが体目当てー」
それはまあ、構わないのだが、なんだか色々と言語の核弾頭が連続で炸裂しているような気がしてならないんだ、主に店員さんとかに。
いや、ほら、ひそひそ話を始めないで下さい店員の方々。
桜はなんだか余裕たっぷりに微笑ましそうに見ているし、名城は服の影で明らかに笑いを堪えて震えている。
「あー、もう、二人とも、そこまでにしてくれ、せっかく一緒に来たんだから二人とも仲良く、な?」
あと人の評判を下げるような言動をしないでくれ。
「ほら、仲直りの握手、な?」
二人の手を取る。
「シロウがそういうなら……」
「士郎がそう言うなら……」
むーっという不機嫌さはそのままに、不承不承だが握手してくれた。


服が一着だけ、しかもドレスのような服では流石に問題がある事を指摘され、ドレスの他に普段着を数着購入した。
……ドレスは量販店で服を買う彼からすればおよそ信じがたい値段であったが現実だった。

三枝さんから借りた服は買った物と一緒の袋の中に入れた、あとで洗って返そう。
ノインは気に入ったのか、ドレス姿だ。
……あのドレス、洗うのを考えると手間だなぁ。
一方イリヤは普段着に戻っていた、とはいえ、普段から十分にドレスのような高級品ではあるし、似合っているのだが。


フライングアーマー:せっかく新都まで来たんだし、どこか楽しめるような場所にでも行ってみようか
チョバム・アーマー:そういえば色々と買う物があったんだった、商店街へ行こう
アームドベース・オーキス:服は買ったし、さっさと戻ることにしよう

投票結果

フライングアーマー:0
チョバム・アーマー:5 決定
アームドベース・オーキス:0

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年05月21日 20:23