202 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 五日目・昼:帰り道] 投稿日: 2007/04/04(水) 05:06:35

「おや、士郎ではないですか」
大きな荷物を抱えたライダーが正面から歩いてきた。
しかも商店街のエプロンを羽織ってである。
「あれ? ライダー、何でここに?」
確か今日はバイトの日ではなかったし、それに自転車で『遊びに』出掛けた筈だったが。

「大した理由ではありません」
素っ気なくライダーは答える。
「偶々通りかかったところ、昨日の『S市の事件』で病院に搬送された親族の見舞い、と言うことで人手が足りていないと言うことでしたので」
人目を気にして直接的な物言いはなかったが、伝えたいことは伝わった。
「なるほど、それでせっかくだから手伝う、と言うことか」
そう言うことなら自分も手伝った方が良いだろうか。
「士郎は買い物でしょう? 私一人でも十分にこなせる事ですからお気になさらず」
そう言って30キロはありそうな米袋を所定の位置に置いていく。
「いや、そうは言ってもな」
「士郎、優しいのは良いことかも知れませんが一緒にいるサクラ達のことも考えてあげないのですか?」
そう言いながら、ひょいと木箱を抱え上げる。
その隣では顔馴染みの米屋と魚屋が感謝しながら別の荷物を運んでいる。
「ああ、いや、考えてはいるんだが……」
「ならば迷うことはないでしょうに……そうそう、言っておくことがありました」
「ん? なんだ?」
「いえ、今日のお礼、と言うことで今日の帰りに冷凍物ですが幾つか魚を頂けるようでしたので、なにかリクエストはありますか?」
料理をするのは士郎達ですので意見を頂ければ、とライダーは続ける。
「ああ、そうだな……桜、なにかあるか?」
「え? そうですね……この時期なら真鯛とか真鰯とかどうでしょう? お刺身なら片口鰯とか……」
頭の中で簡単に魚を使った献立を思い浮かべてから答える。
マダイもマイワシもキロ数千円する比較的高価な魚だが、貰えるならばと二人とも遠慮は余りしない。
「真鯛とか真鰯とすると……炊き込みとか刺身、薩摩揚げがいいか?」
「そうですね、でも真鯛が丸ごと一匹貰えるなら塩釜焼きとかに挑戦してみませんか?」
「ああ、それは良いかもしれないな、やり方は知ってるけど実際作ったことはないものな」
ノインがひょっこりと身を乗り出した。
「普通の料理ならサワラとかあると良いんじゃないかな?」
その言葉に視線が集まる。
「……ノイン、料理できるのか?」
「……多分、出来るよ? 美味しいと思う」
自信なさげに言葉を初め、言葉の最後ではえっへんと胸を張る。
その姿はちょっとだけ心を和ませた。
そして、料理が出来るというのにも驚いた。
「それじゃあ、夕飯の時にでも手伝ってくれるか?」
「うん、いいよー」
ノインが腕に絡みつく。
「それではいただけるならばその三種を頂いておきます」
「ああ、わかった、楽しみにしてる」
「ええ、それでは」
ライダーは重そうな木箱を幾つも重ねて軽々と歩いている。
その姿はちょっとだけ羨ましい。

「それじゃあ、買い物をして戻ろうか」
終わりかけていた醤油の瓶やジャガイモを、それから魚料理にあわせた食材も幾つか買い込んだ。
帰り道で――


逆襲のあかいの:鼻歌交じりに歩く遠坂を見つけた
フルアーマー百式:緊張しながら歩くルヴィアとジェネラルを見つけた
仮面ライダーフルフェイス:アイドリング状態で遠くを見つめるライダーを見つけた
ネハンゲリオン:幸せそうに鯛焼きを食べている一成を見つけた

投票結果

逆襲のあかいの:1
フルアーマー百式:2
仮面ライダーフルフェイス:1
ネハンゲリオン:5 決定

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最終更新:2007年05月21日 20:24