633 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM [sage 五日目・夕:体調経過観察] 投稿日: 2007/05/16(水) 04:55:09

うん、三枝さん達を呼んでこよう。
服のお礼も改めてしておきたいし、体調も知っておきたいしな。
「それじゃあとりあえず人を集めてくるから一成は先に食べていてくれ」
「……いや、待とう、俺とて人並みには食べるが……がっつくほどでもないし、これはどうにもな」
最初の数個は実に楽しく食べていたが、冷静になってみると実に重い荷物となっている鯛焼きを指差す。
「わかった……それじゃあノイン、今歩けるか?」
視線を寝転がったままのノインに移す。
「どうしたの? 士郎」
先程までぐたーっと伸びていたのが嘘のように起き上がる。
「いや、呼んでくるついでに服を借りたお礼をしておいた方が良いかと思ってな、ノインも歩けるなら」
「うん、わかったよ」
ノインが伸ばした足に軽く反動をかけてさっと立ち上がった。


軽く障子を叩く。
「三枝さん、入って大丈夫?」
もし着替えていたりすると大変なことになる。
というか昨日風呂で大変なことになったばかりだ。
……いかんいかん、思い出すな。
「入って大丈夫だぞー」
という蒔寺の声に従って障子を開ける。

「あれ? 藤ねえは?」
軽く室内を見渡しても、仲にいたのは三人組だけで、藤ねえは居なかった。
居間にいなかったからここにいると思ったのだが。
「ああ、衛宮達が出掛けている間に電話があってな、何やら家の方に来客があったらしい……服は買えたようだな」
「うん、すっごく可愛いのがあったよ」
じゃーんと、自分で効果音のような声を出してくるりと一度回る。
「そうか、それは良かったな」
ノインの頭を軽く撫でるその姿は、微笑ましい。


「ふーん、珍しいな、家の方に客なんて」
藤ねえの場合用があるなら自分から出向くし、学校の用件ならば電話で済ませてしまうことも多い。
それは藤ねえが子供の頃から自然に身につけた気遣いであり、それを知って尚組に出向くとなれば余程の用事なのだろう。
「ま、それはいいか……三枝さん、起きてる?」
もし眠っているならば起こさない方が良いかと思って二人に聞いてみる。
「うむ、10分ほど前に眠ったばかりだが……」
「……起きてます」
布団の中から三枝さんの声が聞こえ、視線を向けるとゆっくりと起き出していた。
「起こしちゃったかな……三枝さん、もう起きても平気、かな?」
「あ、はい……多分大丈夫です」
声は小さめで弱々しいが、近寄って見つめてみれば顔色は良くなっているのが分かった。
「今日は服、ありがとう、おかげで助かったよ」
「あ、いえ、気にしてもらうほどのことは、ないですよ」
「いや、そんなことはないって、ほら、ノインも」
ノインを手招きする。
「あの、今日は、ありがとう……」
ちょっと照れているのが分かった。
「えっと……それじゃあ、どういたしまして」
三枝さんは、頭を軽く下げるノインに笑顔で応えた。

「それで、突然どうしたのだ? 寝ているかもしれない相手にとりあえず礼を言いに来た、と言うだけではなさそうだが」
「ああ、それなんだけど……三人とも、特に三枝さん、食欲とか、あるかな?」
「えっと……ちょっとだけ、ですけど」
おなかを軽く押さえて三枝さんが笑う。
「食欲が戻ったのは良いことだ……結局昼は食べずに水だけだったわけだしな」
「そーだなー、結局私達もお茶菓子を軽くぱくついただけだったし」
「そうだったか……その代わりと言っては何だが、一成が大量の鯛焼きを持ってきたんだけど、食べるか?」
「ぬ、寺の子が来ているのか?」
「ああ、この近くでばったりと会ったんだ」
「それではご相伴に預かるとしよう」
ぱたん、と、本を閉じて立ち上がる。
「三枝さん、立てる?」
「……大丈夫だと、思います」
そうは言ったが立ち上がると同時にふらつく。
「おっと……無理はしなくて良いから」
ふらつき、倒れそうになるところを抱き留める。
「あ……あの、ごめんなさい」
「気にしなくて良いって、元々俺のせいでもあるわけだし、肩とか貸すから……
 ああ、ノインは遠坂達を探してきてくれるか? 多分一つ所に居ると思うから」
「うん、わかった」


結局、ライダーが魚を持って帰宅するに至り、藤ねえ以外の全員が居間に集合した。
……こうして集合してみると実に多い。
各員それぞれがゆっくりと茶を飲みつつ鯛焼きに手を伸ばしていく。
「話には聞いたが、その、なんというか、驚愕の一言だな」
一成も同じ感想のようだ。
鯛焼きを手に取り、一口食べ――


鯛焼き入手経路:「ところでこの鯛焼き、どうしたんだ? 労働の報酬だって聞いたけど」
消えた人達:「そういえばなんでこの辺りに来たんだ? 帰り道ってわけじゃないだろ」
舌鼓:「うん、ウマイなこれ」

投票結果


鯛焼き入手経路:5 決定
消えた人達:2
舌鼓:3

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最終更新:2007年05月21日 20:28