871 名前: 371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg [総集編?sage] 投稿日: 2007/05/23(水) 13:26:43

 交差点を曲がって、来た時と同じ道を歩いていく。
 さっきも言ったとおり、この道を歩く理由は、特に無い。
 ただ、この道は、水銀燈を人目に晒すことを恐れて、遠回りするために選んだ道だ。
 水銀燈が一緒じゃなければ、通ることなんか無かった道筋。

「……ったく、なに浸ってるんだ、俺は」

 未練……だろうか。
 いや、そうじゃないはずだ。
 俺は、軽く自分の頭を小突いて意識を切り替えた。
 未練と呼ぶには、俺にはまだ希望と可能性が残され過ぎている。
 そして俺は、まだそのどちらも捨てる気にはなれなかった。

 そうして歩いていると、未遠川が見えるところまでやってきていた。
 川沿いには、日頃子どもたちが遊んでいる公園がある。
 俺の足は、自然と公園に向かっていた。
 せっかく遠回りしたんだ、少しぐらい寄り道しても大差ないだろう。

「ふう……」

 土曜日の昼前という時間帯なだけあって、公園の中はかなりの人で賑わっている。
 どこかのベンチにでも座ろうと思ったが、見た限りでは空いてるベンチは無いっぽい。
 しょうがないので次善策として、公園の中の、日当たりの良さそうな芝生を探す。
 とは言っても、晴れた日の公園なのだ、日当たりのいい場所なんかそこら中にある。
 適当に当たりをつけた芝生の上に腰を下ろして、大きく息を吐く。
 ……今の俺に必要なのは、心と身体を落ち着けること。
 真紅にも言われたことだ。

「これから、どうするかな……」

 俺は、今までのこと、そしてこれからのことについて考えることにした。
 まず、今までのこと……これまでにわかったことについて、思い出してみよう。


α:これまでのことを整理しながら思い出す。
β:これまでのことならば充分把握している。これからのことを考えよう。

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最終更新:2007年05月24日 21:49