176 名前: ミルクナイト ◆M14FoGRRQI [sage] 投稿日: 2007/06/12(火) 23:37:51
「…さっきのお前の話だとまだ全部聞いていないのでヴァンダム」
「へっ?」
「先程言っていた悪霊とか言う存在の話、それとマキリ」
「あ、そこ言うの忘れてたらよ。いやースマネスマネ」
右手を頭の後ろにやり舌を出しながらぐへへーと笑って誤魔化すランサー。
情報を隠そうとしていたわけでも出し惜しみしていたわけでもなく本当にその部分の
説明を忘れていたのだろうという事が表情から容易に推察できる。
このランサーという男、黙っていれば男前で強そうなのだがしゃべると簡単にボロが
出てくる。よく言えば正直、悪く言えばドアホなのである。
「それではその抜けていた部分の説明を頼む」
「あいよー、あれはセイバーのマスターの家に俺達がいた時の事らよ。
その時そこにいた関係者は俺達の他にセイバー組とアサシン組と監督の言峰神父、
それと赤い服を着ていた霊が一体、こいつが悪霊らよ。
言峰神父曰く、恐らく以前の聖杯戦争で無念の敗退をしてしまった魔術師の霊が聖杯戦争
という特殊な状況で英霊に酷似した存在として蘇り、現代のマスターにちょっかいを
かけに来たのだと思われるんだとよ。んで、そいつは結局聖杯戦争中は完全には滅ぼし
きれないから、俺達同盟の使い魔扱いになったんらよ。
ところが、この悪霊というのは他にもいたんらよ。
さっきの話から時間はちょっと戻るけど、セイバーのマスターの家に行った時、
同盟を結ぶ前に悪霊を配下として引き連れていたアサシン組と戦いすることになって、
そん時に俺が家をぶっ壊してしまった責任を取らされて一人でリフォーム材を買いに
行かされたんらよ。そのマスターから離れて一人でいた時に偶然出会ったのが
マキリの魔術師を名乗る老人とサーヴァント。日も昇っていた事だし、ホームセンター
もまだ開いてなかったし、おまけに相手はなんか俺に対して友好的だったしで結局戦う
事もなくその魔術師についていく俺。マキリの家に着いた後にそいつから聞いたんらけど、
今回のマキリはとっくに優勝をあきらめていて、マスターが死なずに済めば十分なんだと。
そんな話を聞いた後記憶喪失でボインな女の子の前で変な踊りを踊らされたり、
マキリを襲うのは後回しにして欲しいという約束を請け負ったりした後、報酬として
受け取った最高級の桐板を持って何食わぬ顔でマスターの元に帰ってきた俺なのであった。メデタシメデタシ。ちなみに、あんたがここに来た時に俺達三人でやったのがその
変な踊りらよ」
「あのハレハレとしてユカイな歌と踊りの事かね?」
「それらよ。休戦した後お互いの友好を深めるのに使えそうだと思って俺が二人に
教えた」
「もう一人いた悪霊というのはその記憶喪失の少女の事でヴァンダム?」
「ああ。最初はマキリの二体目のサーヴァントかと思ったけどそれだとサーヴァントが
全部で八人になってしまうし、マキリの屋敷から帰った後言峰神父に悪霊の説明を聞いて
マキリで見た少女も悪霊だったんらなーって」
177 名前: ミルクナイト ◆M14FoGRRQI [sage] 投稿日: 2007/06/12(火) 23:39:29
これで今回の参加者の人間関係はだいたい把握できたと言えるだろう。
だが、それでも謎は残っている。
『悪霊』、ランサーがそう言った存在は決してその名の通りの意味を持った存在ではない
はずだ。なぜならこの聖杯戦争においての真の意味での悪霊とも言えるあなた自身が
それらの存在を今まで認識できなかったからである。いったい悪霊と呼ばれる彼らは
どこからきたのだろうか。
そして彼らを悪霊と断定した言峰という男。彼は本当にそれらの存在を悪霊だと
思っているのだろうか。
その様な事を考え込んで黙っていると突然ライダーがランサーに向かって質問がなされた。
「おい、ランサー、話しが終わったのなら質問いいか?」
「ん?いいらよ」
「お前はマキリの魔術師の家に招待された時、何も考えずにホイホイついていったのか?」
確かに言われてみればおかしな話だ。ランサーの頭があまり良くないのはこれまでの
会話で明らかだが、夜ではないとはいえマスター抜きで敵地に呼ばれてついていくと
いうのは愚かにも程がある。それともあるいはその時ランサーには何か考えがあって
マキリの魔術師の家にお呼ばれしたのだろうか?
【問題】
と言うわけでクイズなのです。
逃げようと思えば逃げられ、倒そうと思えば倒せる相手であったバーサーカー組に対して
傍から見れば最悪の選択とも思える行動を取ったランサーはその時何を考えていたので
しょうか?あなたの考える答えを書き込んでください。正解が書き込まれていた場合、
展開に変化があります。締め切りは>>200まで。
最終更新:2007年06月21日 13:48