298 名前: ミルクナイト ◆M14FoGRRQI [sage] 投稿日: 2007/06/25(月) 13:08:11

ミルクナイト第七章『虎竹刀の精』

目の前は見渡す限りの花、花、花。
はるか先には大きな川が流れている。
夢のような世界は驚くほど鮮明で体は羽のように軽い。

「うーん。これっていわゆる一つの臨死体験ですかねー?」

記憶を巻き戻してここに来るまでになにがあったのかを思い出す。
確か私は公園でハンバーガーを待っていた時にランサーに着ぐるみの首の部分を
引きちぎられて正体がばれて、それからえーっと、そうだそのまま御神輿の様に担がれて
家に帰った後バゼットさんに背負い投げで畳に落とされたんだ。うん、これ臨死確定ね。

だとしたらあの川の向こう側にいくのはマズイ。多分あれが噂に名高い三途の川なの
だろう。よし、とりあえず川の方には近づかない方針で現実に戻る方法を―、

「・・・」

突然川の向こうから誰かの声が聞こえてきた。

「・・・・・・・」

これは歌?それにこの歌声、私は川の向こうで歌っている人を知っている気がする。

「・・・・・・・」

そうだ、私がまだ学生だった頃あの人と士郎と三人でよくこの歌を―。
それはあの人が士郎に教えた正義の味方の歌。その内容があまりに直球なので人前で
歌うには少し恥ずかしいあの歌。でも士郎はいまだに休み時間とかにその歌を口ずさんで
いるのを私は知っている。

「・・・・・・・」

歌は途切れる事なく聞こえてくる。でも、ここからじゃはっきりとあの人の声とは
断定できない。もっと近くに寄らなければ。私は川の手前まで駆けていった。

299 名前: ミルクナイト ◆M14FoGRRQI [sage] 投稿日: 2007/06/25(月) 13:08:56

「・・・・・・・」

さっきよりよく聞こえる。間違いない、やはりこの声は―、
私は両手で口の前にメガホンを作り川の向こうにおぼろげに見える人影に向かいその名
を叫んだ。

「昨年他界したご近所で名物になっていた徘徊老人の山田さーん!!」
「はーい、昨年他界したご近所名物の山田じゃよー!大河ちゃん元気ー?」

よし、意思疎通成功。向こうも両手でメガホンを作りこちらに語りかけてきた。

「元気ー!!今ちょっと臨死入ってるけどねー!!ところで山田さーん!!」
「なんじゃー!?」
「その歌、聞いてて恥ずかしいから止めやがれー!!」
「おーけー!!」
「それじゃあねー!!寿命来たら私もそっちいくからー!!」
「おう、待っとるからなー!!」

山田さんの聞いてて恥ずかしい正義の味方の歌はピタリと止み、川の向こうに見えていた
人影も消えていく。これでここから出る方法を考える事に集中できる。
とりあえず、三途の川から少し離れた場所に座りこんで一休み一休み。(ぐにゅう)

「なっ!?」

座り込んだ時の感触は花でも草でもましてや土でもなく肉の感触。

「やあおじょうさんこーんーにーちーはー、どいてもらえないーでーしょーかーねー」

私のお尻の下から声を掛けてきたのは―、
【選択肢】それにしても新章のたびに夢オチの類をしている様な気がする。
萬:全身青タイツ+逆立てた髪=変態男
筒:黒ボディコン+黒アイマスク=変態女
竹:(全身青タイツ+逆立てた髪)+(黒ボディコン+黒アイマスク)=変態カップル

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最終更新:2007年06月25日 22:48