562 名前: はじめてのさーう゛ぁんと(仮) ◆XksB4AwhxU 投稿日: 2007/07/13(金) 23:12:15


壁面接地:壁に張りつき、落下阻止





 さっきまで自分がいたビル。その、壁。そこに決死の思いで、左手と両足を叩きつける!

 ガザザギガザザザ!!

 激しい摩擦音が鳴り響き……やがて、地面から五メートル、丁度ビルの二階付近で落下がぴたりと止まった。

「はっ、はっ、はっ、はっ、」

 荒れる息もそのままに、空いている右手で額を拭う。
 その手は、じっとりと汗に濡れた。

「はぁ、はぁ、はぁ……はぁ……」

 息が落ち着いてきたところで、改めて自分の状態を見てみる。
 目の前には、歩道を歩く時に見る景色を、もう少しだけ高くした景色。
 右には、道路を挟んで、向かいのビルが建っている。
 左には、ビルの壁。自分はそこに、東京タ○ーに登ったキング○ングよろしく、左手と両足で引っついている。

「とにかく、降りないと……」

 夜の帳を過ぎているオフィス街とは言え、いつ人が通るか分からない。
 人気のないことを確認して、歩道に飛び降りた。
 当然のように、無傷で着地した。その事実が、より一層戦慄させた。

「何で……こんな……」

 窓ガラスの擦り抜け。
 一瞬の空中浮遊。
 壁への、とっかかりなしの接地。
 かなりの高度から落ちたにもかかわらず、無傷の体。
 どれもこれも、人間離れしすぎている。

 --マダ、分カラヌカ?

 そしてまた響く、謎の声。

「いきなりこんなことになって、分かるかよ……」

 俺が何者なのか……人間ではありえない。なら--。
 ……『俺』? 私の一人称は『俺』だったか? 私? 僕? 我? ? ■■?

 ジジッ、ジジジッ……!!!!

「くぁう!!?」

 突如、頭が断線したかのように、激しい痛みとノイズが走る。

 ジ、ジジジジジッ!!!!

 たまらず、歩道にうずくまる。

「……ぃ……つぅ……ぅぐ、ぐぐ……」

 頭にあふれ出る、膨大な言葉の羅列。

 聖■、マス■ー、我■運命、■と共に、オ■ィス街、ビ■、■気、夜、■って、■■て、■■■、■が磨耗■、体■砕け■も戦っ■。■■■■、■■■■■■■■■■■殺す。■ー■■ント■■■■■、■■、死んで■■。

 ――ヤレヤレ、マダ思イ出セヌカ。

 声、■■かで聞いた■。うるさい、いまはそれどころじゃないんだ、あたまがいたくていたくていたくてしょうがないんだいたいいたいいたいいたい、

 --ナラバ思イ出セ。

 いたいいたいいたいいたい……、

 ――貴殿ハ何処カラ来タ?

 どこ? ■は、自分はどこからきたのか?

 それは――。



――だから、憧れた。:正義■味方、宝石■い、蟲■飼う少女とかがいた世界。
――つきが、綺麗だ。:■死、吸■姫、退魔■とかがいた世界
――普通が、いいね。:■■、平凡、普通、■実の世界。

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最終更新:2007年07月14日 03:47