664 名前: はじめてのさーう゛ぁんと(仮) ◆XksB4AwhxU 投稿日: 2007/07/19(木) 22:12:09

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   ステータス表【更新した情報を表示しています】
【CLASS】アーチャー
【マスター】間桐 慎二
【真名】アーリヒクス・フルンベルジュ(偽)
【ステータス】筋力 B 耐久 B 敏捷 B 魔力 C 幸運 A 宝具 C
【宝具】
 ナンパの七つ道具〈〈ミッション・エグゼキュート〉〉: C
 種別 対人(対軍)宝具 レンジ 1~10 最大補足 5人
  彼の生涯で培ってきたナンパ技術を、宝具クラスにまで昇華させたもの。相手のステータスを変化させるものが多く、その成功率は相手の精神力・幸運・対魔力によって左右される。
  『七つ道具』の名の通り、七つの能力を持ち、普段は装飾品のようにまとっている。同時発動は3つまで。持続時間は最大1時間程度。
 第一印象〈〈ファーストステップ〉〉
  保有スキル『カリスマ』のランクが、異性に対してのみ1~2上がる。
  普段は口のピアスになっている。
 心震言〈〈セカンドステップ〉〉
  相手の心を『射抜く』言葉を放つ。射抜かれた異性は、判断力が低下する。
  普段は右手の指輪になっている。
 以下不明。
【特記事項】
 サーヴァントのくせに、生意気だ。許せない。
 僕よりモテる。許せない。


【CLASS】ライダー
【マスター】間桐 慎二
【真名】メデューサ
【性別】女
【身長】172cm
【体重】57kg
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力 C 耐久 E 敏捷 B 魔力 B 幸運 D 宝具 A+
   (以下・本編に準規)
【特記事項】
 こいつも、何故か僕に反抗的だ。許せない。

665 名前: はじめてのさーう゛ぁんと(仮) ◆XksB4AwhxU 投稿日: 2007/07/19(木) 22:13:10

わかめ:――ふと気がつくと、路地裏にいた。





 ――どこで、間違えた?

 どさっ……!

「くっ……」
「鐘ちゃん!」

 ――四人で、俺と鐘ちゃんと由紀香ちゃんとマトウで街を歩いていた。

「止めろ! 離っ、」

 ザブシュ。

「……ぁっ……か、はぁ……」

 ズル、ズル、ゴクリ。

 ――マトウが、「寄りたいところがある」「こっちが近道だ」と路地裏に行き……。

「鐘ちゃん!? 鐘ちゃぁん!!」
「ひぎっ、あ、あああ、あぁぁ……」

 グビリ、グビリ、グビリ。

 ――そこで、今の今まで姿を消していたライダーさんが現われて、鐘ちゃんを襲った。

「何、してやがる……!!」

 突然のことに硬直していた体を、強引に動かす。鐘ちゃんに覆いかぶさっていたライダーさんを引き離す。

「『何』って……食事ですが?」

 ライダーさんが、整った口を動かす。その口は、血で汚れていた。

「ふざけんなよ、その『何でこんなこと聞くんだろう』みたいなテンション。噛み殺すぞ」

 両目にありったけの殺意を込めて、ライダーさんを……ライダーを睨む。

「……まあ、嫌悪するのは構いませんが。そのままでは、貴方は消滅しますよ?」
「あぁ? 消滅だぁ?」
「気付かないのですか? マスターからの魔力供給が一切無いことに」
「何を馬鹿、な……?!」

 言われて、ようやく気付く。俺の魔力が、底を尽きかけていることに。
 俺はクソガキを、睨むように見据える。僅かにつながったレイ・ライン。しかし、そこから流れてくるはずの魔力は、皆無だった。

「馬鹿な……魔力が、無い?」
「マトウの、マキリの家系は、すでに魔術師としては落ちています。当然でしょう、一人息子が、魔力も魔術回路も持たない『魔術師』では」
「……いい加減にしろよ、ライダー。お前は黙って魔力を吸ってろ」
「…………」

 ライダーは、黙って一歩引く。しかし、吸血は再開しない。当然だ。鐘ちゃんの顔は青ざめ、貧血を起こして倒れている。これ以上は死んでしまう。
 ライダーに一般人を殺す意思が無いことを確認した俺は、クソガキへと向かい合った。

「ライダーが言ったことは本当か」
「……ああ、悔しいが本当さ。僕には、魔力も魔術回路もない。でもマスターだ。そら、聖杯戦争を勝ち抜きたかったら……消滅したくなければ、『喰え』」
「ひっ……!?」

 今の今まで、恐怖で動けなかった由紀香ちゃんは、クソガキの視線を受け、一歩下がる。



 魔力は、無くなりかけている。クソガキからの供給は、望めない。
 このままでは、消滅してしまう。消滅してしまえば、俺の望みが叶わなくなってしまう。



 恐怖に震える由紀香ちゃんを見ながら、俺は――。

666 名前: はじめてのさーう゛ぁんと(仮) ◆XksB4AwhxU 投稿日: 2007/07/19(木) 22:14:16




「――断る」
「は?」

 俺の言ったことが理解できなかったのか、クソガキの口から間抜けな音が聞こえた。

「何度も言わせるんじゃねぇよ。俺は、由紀香ちゃんを『喰わない』」
「なん……だってぇえぇぇぇ!!!!」

 呆気にとられた顔から一転、クソガキは憤怒の形相で俺に掴み掛かってきた。

「おまっ、お前も、お前も僕を馬鹿に! 馬鹿にするのか!? 僕は魔術師だ、マスターだ、偉いんだ! だがら言うごどを聞げ!!」
「だが断る」
「くぉ……! ……ならぁ、ふぅー……ならもぉいぃ……ぐるるる……」

 突如。クソガキの気配が変わった。

「僕のぉ!! 『僕の言うことが聞けないなら、お前は消えてしまえ』ぇぇぇぇ!!!!」

 カッ! と、クソガキの左手が赤く光った瞬間。

 ドクン――!!

「ぎっ!? ……が、ばぁ!!」

 体に、これまで経験したことが無いような重圧がかかり、膝をつきそうになる。
 圧倒的な喪失感。途方も無い欠落感。息苦しい、息苦しい、生き苦しい。

 バヂィッ!!

 そんな体に鞭打つように、青白い電光が俺の体を苛んだ。
 自分の存在感が、急激に薄れていく――俺の魔力が、急速に失われていく――。何故!? さっき、クソガキの左手が光っていた。そして、この呪いにも似た強迫観念。これが、令呪の、強制力……!
 眩暈がする。認識力が、低下する。俺は、■は、消える? いやだ。いやだ。きえるのはいやだ。望みもかなえてないのにきえるのは……。

「ア、アーチャーさん!? だ、大丈夫ですか……?」

 ああ、こんな時でも俺の心配をしてくれるのか、■紀香ちゃんは。お礼に、■■を貰ってあげよう。

 一歩、近づく。息苦しさが、消えた。
 二歩、近づく。魔力の流出が、止まった。
 三歩、近づく。完全に、自由を取り戻した。

「良かった……アーチャーさ、んぐっ!?」

 さっきまで苦しんでいたのに、微笑みすら浮かべている俺に安堵したのだろう。笑いかけてくる由■香ちゃんの唇を、奪った。

「んー!? んーーーー!!!」

 その途端、性交にも似た甘美な感覚と共に、由紀■ちゃんの魔力が流れ込んでくる。
 ■■香ちゃんは、両腕で俺の胸を押し返そうと踏ん張っていた。勿論、サーヴァントである俺には屁でもない。だけど、鬱陶しいな。

「~~~、ぷはっ! あ、あーちゃーさ、ふ、ぅん!」

 いったん唇を離し、息を吐いたところでまた塞ぐ。また離し、塞ぐ。離し、塞ぐ。離して、塞ぐ。やがて軽い呼吸困難に陥った■紀■ちゃんは、抵抗する力もなくなり、両腕を下に下ろした。
 俺は満足して笑うと、さらに唇を押し付けた。

「んん、む……ぅぅぅ。~~~っん」

 じわり、じわりと。魔力が流れ込んでくる。自分の存在が満たされていく。
 ああああああ、だけど足りない。これじゃ足りない圧倒的に足りない。

「ん……んぐぅ!? ふひゃ、はっ、いひゃ! や、やええくらふぁ、ふゆぅ……」

 もどかしくなった俺は、舌を由■■ちゃんの口に突っ込んで、蹂躙した。奥にわだかまっていた魔力が、どろっと俺の口に注ぎ込まれる。
 しばらく口の中で魔力を転がした後、俺は■■■ちゃんの制服に手をかけて、一気に引き裂――。

「――おいっ、そこで何をしている!?」

 ――こうとした寸前。路地裏の入り口の方から、誰何〈〈すいか〉〉の声が聞こえてくる。
 驚いてそちらを見るも、逆光となってよく見えない。

「ちぃっ、ライダー!」

 クソガキの、慌てた声。それに素早くライダーは反応し、鐘ちゃんと由紀香ちゃんの目を――いつの間にか、ゴーグルは外されていた――見る。
 途端、崩れるように倒れる二人。

667 名前: はじめてのさーう゛ぁんと(仮) ◆XksB4AwhxU 投稿日: 2007/07/19(木) 22:15:09

「ライダー!? 何を……!?」
「話は後です。行きます!」

 ライダーはクソガキを抱えて、壁から壁へと飛び移り、雑居ビルの屋上へと姿を消した。
 俺も、仕方なく追いかける。

「飛んだ!? ま、待て!!」

 俺は、ちらりと振り返る。詳しくは分からなかったが、目の強さが、とても印象的な少年だった。

(……奴なら、あるいは)
「ナンパの七つ道具〈〈ミッション・エグゼキュート〉〉――心震言〈〈セカンドステップ〉〉、安定狙撃〈〈サードステップ〉〉――」

 俺は、一瞬で矢と弓を作り上げると、矢に少量の魔力を込め、少年に中らないように放った。

 後は、気付いてくれることを祈り、全力で離脱した――。



   【interlude 1】

「飛んだ!? ま、待て!!」

 追いすがろうとするが、その前に男はビルの屋上へ消えてしまった。
 悔しさに歯噛みするが、今はそんなことをしている場合じゃない。視線の先には、倒れて動かない人が二人いる。

「おい、大丈夫か!? しっかり……ひ、氷室と三枝!!?」

 何てことだ。倒れていたのは、俺の知り合いだった。
 驚愕は一瞬、急いで二人の脈を計り、呼吸を確認する。――生きてる!
 俺はいったん路地裏から出て、通りすがったサラリーマンに、救急車を呼んでもらう。
 そして、いつまでも路地裏に、しかも女の子を寝かせておくのはマズイと思ったので、二人を抱えて路地裏から歩道へと運び出した。

 カツッ……。

 その途中で。俺は何か、固い物を蹴った。

「何だ?」

 氷室と三枝を寝かせて、救急車を呼んでくれたサラリーマンに任せる。
 俺は少し戻って、蹴りつけた固い物を拾った。

「……矢? 普通の物じゃないな。魔力の跡がある……」

 俺はいったん振り返り、誰も俺を見ていないことを確かめてから、集中する。

「同調、開始〈〈トレース、オン〉〉――!」

 落ちていた矢の、『構造』を『解析』する。
 すると、頭にイメージが沸き起こり、矢が消えてしまった。

「……どういう、ことだ?」

 魔術の構造は分かった。簡単なファミリアのような、伝言を残して消える使い魔の応用だろう。問題は、その伝言だった。その伝言は、ただ一言。

『マトウ』

 とだけ告げていた――

   【interlude out】





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明鏡止水:家に帰って、俺はソファに寝っ転がっていた。
空間把握:……地下、逝ットク!?

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最終更新:2007年08月08日 10:41