682 名前: はじめてのさーう゛ぁんと(仮) ◆XksB4AwhxU 投稿日: 2007/07/21(土) 19:09:04
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ステータス表【更新された情報を表示します】
【CLASS】アーチャー
【マスター】間桐 慎二
【真名】アーリヒクス・フルンベルジュ(偽)
【ステータス】筋力 C(E--) 耐久 C 敏捷 C(E--) 魔力 C 幸運 A 宝具 C
【宝具】
ナンパの七つ道具〈〈ミッション・エグゼキュート〉〉: C
種別 対人(対軍)宝具 レンジ 1~10 最大補足 5人
彼の生涯で培ってきたナンパ技術を、宝具クラスにまで昇華させたもの。相手のステータスを変化させるものが多く、その成功率は相手の精神力・幸運・対魔力によって左右される。
『七つ道具』の名の通り、七つの能力を持ち、普段は装飾品のようにまとっている。同時発動は3つまで。持続時間は最大1時間。
第一印象〈〈ファーストステップ〉〉
保有スキル『カリスマ』のランクが、異性に対してのみ1~2上がる。
普段は口のピアスになっている。
心震言〈〈セカンドステップ〉〉
相手の心を『射抜く』言葉を放つ。武器としての形態は矢。射抜かれた異性は、判断力が低下する。また、矢に指向性を持たせた魔力を込めることで、様々な効果を発動させることができる。
普段は右手の指輪になっている。
安定狙撃〈〈サードステップ〉〉
対象を絞ることによって、心震言〈〈セカンドステップ〉〉の成功率を上げる。武器としての形態は弓。
普段は左手のブレスレットになっている。
以下不明。
【特記事項】
サーヴァントのくせに、生意気だ。許せない。
僕よりモテる。許せない。
令呪の縛りによって、一部のステータスが下がっている。
683 名前: はじめてのさーう゛ぁんと(仮) ◆XksB4AwhxU 投稿日: 2007/07/21(土) 19:10:47
明鏡止水:俺は、家に着くとソファに寝っ転がった。
「ちっくしょ……」
悪態を吐きながら、俺はソファへだらしなく体を沈めた。
そして、顔についた無数の傷跡に触れる。
「っ痛ぅ……」
その傷は、クソガキから受けた傷だった。
クソガキは、令呪の縛りによって動けない俺を、散々殴る蹴るした後、息切れを起こして去っていった。今はきっと、シャワーでも浴びてぐっすり眠っている頃だろう。
「クソガキ……後で覚えて……っく!」
クソガキへの報復を考えたとたん、青白い電光が走り、俺は飛び跳ねた。
しばらくうずくまり、呼吸さえも止めて耐えると、電光はやがて消えた。
「かはっ、はっ、はっ、はっ!」
焦点がぼやけ、俺は崩れるようにソファへ倒れた。
そのまま、ぼんやりと天井を眺めていると、視界の端に、紫がかすめた。
「ん?」
そっちを見ると、ライダーが立っていた。
「何か用かよ」
「いえ、別に」
声に、多少の刺が混じるのは仕方ない。
しかし、ライダーは気にした風もなく、さらりと流した。
「……そんなに辛いのでしたら、霊体化すればいいでしょうに」
「霊体化……」
(マスターからの魔力供給を断つことにより、一時的に霊のように視認できなくなる。魔力の消費を押さえられるが、物理的な干渉ができなくなる)
実感の湧かない知識が、頭に浮かんで、消える。
「あー……そう言えばそうだな」
試しに、霊体化してみる。
すうっ……。
すると、自分の体の実感が無くなり、同時に体に付随していた苦痛が薄れる。
見える景色まで変わり、建築の平面図のような、線と面でつながれた世界になる。色も無く、黒い背景に白い線で描かれていた。
「うぷっ!?」
俺は、見てはいけないものを見てしまい、慌てて実体化する。
「? どうかしましたか?」
「い、いや、何でもないっ!」
ライダーから必死で視線を逸らして答える。背景と同じく、3Dの白線で描かれたライダーを見てしまったから。覗きとかには使えねぇな。気持ち悪い。
「っ痛……」
顔の擦り傷が、染みて痛みを訴える。
うわー、いてーなー、ちくしょー、とか思いながら傷口を触っていると、突如、目の前に白い物が突き付けられた。
「――これを」
ライダーが、タオルを差し出してくれていた。
正直気味が悪かったが、折角の好意なので使わせてもらう。
「……サンキュー」
差し出されたタオルを受け取り、
びちゃり。
684 名前: はじめてのさーう゛ぁんと(仮) ◆XksB4AwhxU 投稿日: 2007/07/21(土) 19:11:35
「冷たっ!? えっ、てか何これ!?」
「何って濡れタオルですが」
「濡れすぎだよ! 滴ってるよ! ボタボタ垂れてるよ!?」
受け取った濡れタオルは、じっとりと水分を含み、それどころか余剰部分がボタボタとカーペットに垂れていた。
「普通絞るだろうが!? どんだけどじっ娘だよ、萌えねぇよばーか!」
「どじっ……?! し、失礼な、絞ることぐらい分かっています!」
「じゃあやれよ!」
「無理です!」
「何でだよ!?」
「私が絞ると……っ!」
言い淀み、黙るライダーさん。
「ほぅほぅ、ライダーさんが絞ると?」
促すと、視線をあちこちに移し(ゴーグルで分かんないけど、多分。)、やがて俺の足元で落ち着き、
「私が……絞ると……」
「ほぅ」
「タオルが……」
「はい」
「――ちぎ、……千切れるのです」
……………………。
「は?」
ライダーさんの言葉の意味が分からず、俺はぽかんと口を開ける。
「ですから! 私が絞るとタオルが千切れるのです! ええ、それはもうものの見事に真っ二つです! 仕方ないでしょう!? 私は馬鹿力なのですから!!」
一息に。とんでもないことをさらりと暴露する。瞬間、
「……ぷっ、くくく……あっははははははははは!」
大爆笑。
「ははははははははは! ひーっ! 痛っはははは!!」
顔の傷が引きつり、痛むが、それすらも笑えてきてさらに笑い転げる。
「加減すれば良いのにー! 絞る力加減すれば良いのにー! ぷあっはっはっはっははは!」
「…………」
じゃらり、と鎖が鳴る音がする。ライダーさんが、鎖で繋がれた馬鹿でかい釘のようなものを二本、構えていた!
「待て待て、冗談です! 冗談でしたから!」
必死で笑いを堪え、ライダーさんに懇願する。
ライダーさんが釘剣をしまうのを確認し、一つ二つ深呼吸してから、濡れタオルで顔を拭く。
「……ふぅ。えと、サンキュー」
濡れタオルをライダーさんに返し、再びソファに横になり目をつむる。
「辛いですか?」
「……そりゃあな。魔力が足りねーし。人は襲いたくねーし」
強がろうかと思ったが、無駄なことだと思い止めた。
「そうですか……では」
685 名前: はじめてのさーう゛ぁんと(仮) ◆XksB4AwhxU 投稿日: 2007/07/21(土) 19:12:26
さら、と。糸のようなものが、俺の頬を撫でた。目を開けると、ライダーさん
の顔が目の前に――?
「わひゃっ!? な、何を!?」
「動かないでください」
さら。さら。
ライダーさんが少し身じろぎするたびに、長い髪の毛が俺の顔を撫でる。くすぐった気持ち良い。
そして、俺の目とライダーさんの目がゴーグル越しにぶつかり、
ぱしん。
「…………え?」
気がつくと、ライダーさんが離れていた。
そして、何を思ったのか、着ている服を脱ぎ始めたではないか!
……黒。
「じゃなくて!! ……え?」
慌てて起き上がって、ライダーさんを押さえ……ようとして、体が動かないことに気づく。
「どうしました? アーチャー」
「どうしたって、その、ライダーさん?」
ゆっくりと、ゆっくりと。ライダーさんが近づいてくる。
そして、俺の下半身の横に座り込み……モノを……ライダーさんの……手が……。
アッーーーー!!!?
「――はっ!?」
俺は、がばっと体を起こした。嫌な汗が、体中を覆っていた。
「……朝?」
カーテンから漏れてくる柔らかい光と、わずかに聞こえる鳥のさえずりが、今が朝であることを教えていた。
そして、自分の体の異変に気づく。
「魔力が……増えてる?」
昨日まで枯渇寸前だった魔力が、増えていた。さすがに戦闘はできないだろうが、すぐに消滅する危険は無さそうだ。
しかし、魔力の変わりとでも言うように、体力が減っていた。寝起きだというのに、体がだるい。
「……ごちそうさまでした」
「!?」
どこからともなく、ライダーさんの声が響き、消えた。
さて、これから俺は――。
霞の構え:このまま、情報の整理をしよう。
正眼の構え:クソガキに呼び出され、学校へ行くことに。
八相の構え:気分転換に、公園にでも行こう。
上段の構え:落ち着くために、喫茶店にでも行こう。
投票結果
最終更新:2007年07月22日 21:57