764 名前: はじめてのさーう゛ぁんと ◆XksB4AwhxU 投稿日: 2007/07/26(木) 21:21:08

死ぬかも:黒髪さらさらロング、ゴスロリ服を着た……。「おお わかめ よ。 こんな ところで なにを しておる?」





 流れるようなサラサラの黒髪、怯えた薄紫の瞳、白いフリルが所々についた黒ゴスロリの服……。
 そして、俺とその子に繋がった、糸のように細く薄い『レイライン』――。

「おお わかめ よ。 こんな ところで なにを しておる?」
「お前……! アーチャーか!?」

 目の前にいたのはまごうことなきクソガキでした。本当にありが(ry

「そっか……俺のマスター様はそんな趣味が」「ち、違う!! これは無理矢理……!」「いや良いんだ。趣味は人それぞれ。他人に危害さえ加えなければ」「違うって言ってるだろ!」「まあ、俺はこんなことぐらいでは人を軽蔑しないから」「僕の話を聞けぇーっ!!」

 半泣きになりながらの叫びに、俺はとりあえずからかうのを止める。

「僕は、無理矢理着せられたんだ!」
「こんなところでか?」
「……いや、学校で」

 学校からここまでどのくらい距離があるかは分からないが、逆に恥ずかしくなかったのか?

「畜生、アイツら覚えて……!」
「おーい、慎二ー。間桐 慎二ー。逃げてないで出てこーい」
「ひっ!?」

 突然響いた声――おそらく女。そして美人――に、クソガキは慌てて逃げようとする。

 ぐっ。
 ビターン!!

 だがしかし。普段着慣れていないゴスロリ服のため、裾を踏んづけて転んでしまう。どじっ娘? 心底萌えねぇ。

「おお!? 間桐大丈夫か!? 間桐しっかりしろ!! 間桐立てるか!? 間桐頑張れ!!」
「馬鹿っ、そんなに間桐間桐って連呼したら……」
「おっ、慎二はっけーん」

 茂みの向こうから、勝ち気そうな目をした、弓道着姿の女の子が現われた。

「み、美綴……」
「慎二、逃げちゃダメじゃないか。約束は約束、でしょ?」

 そう言って、底意地悪くにやり、と笑う……美綴?

「う、うるさい! あんなのは無効だ、無効!」
「やれやれ、男が一度口にしたことを破ってんじゃないよ」
「僕は怪我をしていたから、弓がすっぽ抜けたんだ!」

 クソガキは左手を指し示す。令呪を隠すためであろう、包帯が巻かれていた。

「うーむ……状況から察するに、二人で弓の勝負をして、その罰ゲームがこれだったってところか?」
「ん? ああ、大体そんな感じ。勝負したのはあたしじゃなくて後輩の男子だけどね」
「うっわ、だっせー。どうせアレだろ? 『僕なら目をつむってても中られる』とかいって外したんだろ?」
「あ、分かる? 笑っちゃうことに全くその通りなんだわさ」
「「あっはっはっはっー」」

 美綴と二人、一斉に笑う。
 そして俺は、逃げようとしていたクソガキの襟首を掴みあげる。

765 名前: はじめてのさーう゛ぁんと ◆XksB4AwhxU 投稿日: 2007/07/26(木) 21:22:10


「つーわけで間桐さんよ、男に二言はないもんだぜ?」
「くそ! 離せアーチャー! (僕のサーヴァントだろ!? 助けろよ!)」
「いいや、離さないね。(いやいや、サーヴァントとして、マスターにはマスターらしく、かつ男らしいところをぴしっと見せてもらいたいんでさぁ)」
「うるさい、とにかく助けろー!!」

 どうやら、この程度では令呪の縛りは現われないらしい。特に労することもなく、クソガキを押さえ込む。

「さて、負けた時の罰ゲームは覚えてるね? 『女装した姿を写真に撮る』だったよねぇ?」

 美綴は、ずっと右手に持っていたカメラを構える。

「止めろ……止めろ……止めろぉ……(アーチャぁぁぁ……)」
「心配すんな、特別に一緒に映ってやっから!」
「うわあぁあぁあぁあぁあぁあぁ!!!!」

 パシャッ、パシャパシャッ。パシャ。

「こうして。ゴスロリ慎二としての幕が上がったのだった――」
「おい!? 嘘モノローグを入れるな!」



   【interlude】

「お疲れさまでーす」
「ああ、お疲れー」

 あたしは、最後に一人残って、戸締りを確認してから、弓道場を後にした。
 その帰り道。あたしはさっきの事を思い出し、一人でニヤニヤ笑っていた。

「っかしまあ、慎二のヤツ、面白かったなー」

 慎二の、部活においての後輩いびりが見ていられなくなって、つい口を挟んでしまったのだが……。そうしたら自分から『なら、勝負でもしようじゃないか。負けた方は……女装した姿を写真に撮られる、ってのはどうだい?』とか言い出して、後輩と勝負をした。結果はまあ……さっきの通り、慎二の負けである。
 そして、後輩の女の子が『たまたま』持っていたゴスロリ服が、『たまたま』慎二のサイズにピッタリだったので着せてみたのだが。以外に似合ってやんの。つい悪乗りして、ウィッグに化粧までしてしまった。
 逃げ出した先の公園での痴態なんかはもう……。

「あり? そう言えば一緒にいたガイジンさんは誰だったんだ?」

 自然にいたから、つい流してしてしまったが。慎二と親しそうにしてたし、友達? いや、アレはそんなレベルじゃなかったな。親戚、とか?

「ま、こんなこと考えても詮無いか……っと?」

 あたしは、【路地裏の真ん中】で、【足を止めた】。

「……あれ?」

 あたしは、家に帰るためにバス停に向かっていたはずだ。いつもは、こんなところは通らない。どうやら、思考に没頭してしまって、道を間違えたらしい。

「やっべーな……こんなところ、遠坂には見せられんな……」

 あたしは来た道を引き返そうとして――。

 ガタ。

「え?」

 何てことない、ただの音なのに、何故か足を止めて振り向いてしまう。案の定、そこには何もない。少々神経質になっているかもしれない。
 ――視界の端を、紫がかすめる。
                      意識が、途絶えた。

   【interlude out】





睡眠:今日は、もう寝るか。
徘徊:クソガキに呼び出され、夜の街へ。
地雷:……そろそろ、地下、逝ットク!!??

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最終更新:2007年07月27日 23:25