820 名前: もしハサ ◆yfIvtTVRmA [sage] 投稿日: 2007/07/28(土) 14:59:49
パックを開け納豆の上に乗せてあるビニールを半分だけ持ち上げ、中身を小皿に移す。
箸できっちり二百回かき混ぜてから一粒ずつ口へと運ぶ。それ以上食べようとした途端、猛烈な吐き気に襲われ
口を押さえてトイレへと駆け込む。突如本物の魔術師を目指す事になった間桐慎二の体内は割りとボロボロだった。
既に内臓の至る所に炎症ができまともな食事は殆ど不可能となっている。
一年前、たまたま遠坂の家の前を通りかかった慎二と桜は差し押さえの赤い札が所狭しと張られた
家の前でダンボールハウスを組み立てている凛を見てこりゃあダメだと気付いた。
こんな調子では聖杯戦争が始まる前に遠坂家が冬木の管理者から引きずり落とされてしまう。
そうなれば聖杯戦争を継続する事すら危ういだろう。
帰宅した二人の話を聞いた臓硯はすぐさま遠坂を援助する事を決定した。
聖杯戦争開始までの間必要な資金を貸し付け、その代わりに桜を財産運用に関する相談役兼監視役として遠坂家に置く。
この条件で合意を得て、それ以来遠坂家に家族が一人増え、破算もどうにか回避されたのである。
「そして、桜は遠坂に帰る事ができ、残った慎二は消去法によってマキリの後継者となることが出来、
これでめでたしめでたし―とはいかなかったのじゃ」
マキリの老人は足元で苦しみ続ける出来の悪い後継者を見下ろす。結局トイレには間に合わず廊下に嘔吐物を撒き散らす慎二。
「あの時は我ながら魔術師らしくない粋な計らいをしたと思ったのじゃが、慎二、お前本当に才能が無いのう。
やはりこっちに桜を残しておくべきじゃったか」
屈辱的な言葉を投げかけられるが慎二の耳には届いていない。嘔吐物の後処理をする事もせず、這うようにトイレに向かい続ける。
「トイレで出すもん全部出して着替えたら地下にこい。せっかく令呪がお主の手に現れたのだから
せめてアサシンの召喚と維持が出来る程度までには蟲を増やさねばな」
[選択肢]
イ.桜の話
ロ.某魔術師の話
ハ.バゼットの話
ニ.士郎の話(これを選ぶとプロローグ終了)
投票結果
最終更新:2007年07月29日 00:40