897 名前: もしハサ ◆yfIvtTVRmA [sage] 投稿日: 2007/08/02(木) 12:30:42

パックを開け納豆の上に乗せてあるビニールを半分だけ持ち上げ、中身を小皿に移す。
箸できっちり二百回かき混ぜてから一粒ずつ口へと運ぶ。なれない外食で気分を晴らそうと思ったがやはり落ち着かない。
このストレス解消の方法は自分にとっては逆効果だと気付く。

テーブルに代金を置き店を後にする。無作法だが過不足無く払ったので問題は無いだろう。
協会の魔術師バゼット・フラガ・マクレミッツの胸の内は僅かに揺れていた。

彼女もまた令呪を持つ聖杯戦争の参加者の一人であったが、他の参加者と決定的に違う点が一つある。
彼女は今回の監督役の言峰綺礼と旧知の間柄であり、戦争の準備期間において住居や情報の提供等を受けているのである。
ただし、もちろん無償ではない。これらの報酬は言峰の手足として動く事への見返りとして与えられたものだ。

言峰曰く、十年前行われた聖杯戦争において彼自身は早々に敗退し、戦争の行方を見守っていた。
そこで彼が見たもの、それは魔術師同士の誇りを賭けた決闘などではなかった。

ある者は英霊の力を私利私欲に使い無関係の市民を犠牲にし、ある者は敵を倒す為だけにビルを爆破し街中で狙撃を行い、
ある者は当時の監督役であった彼の父を■した。
そして、誰も聖杯を得られず混乱だけを残して第四回聖杯戦争が終わった時彼は誓った。
次回の戦争が起きた時自分が健在ならば、二度とこの様な悲劇を起こさせないと。

十年後、彼はバゼット・フラガ・マクレミッツという駒を手に入れた。
彼はバゼットに全面的に協力する代わりに一つの条件を出した。すなわちアサシンをサーヴァントとする事である。

アサシンを指定した理由は二つ、バゼットは普通の魔術師と違い英霊であろうとも正面から切り崩すことが可能な存在であり、
アサシンと組ませる事で互いの必殺の機会を高める事が可能である事、もう一つの理由としては、
彼女の切り札は相手の切り札を封じた上で必殺となる武器であり、切り札の分かりにくいアサシンを敵に回した場合
かなりの不利になるからである。

バゼットにも言峰の意見が正しい事は分かっていた。元々聖杯にはそれほど興味はなかったので
他のマスターの暴走を止める役目を与えられたのも仕事と割り切れる。
ただ、彼女の故郷で伝説となっていたクーフーリンを呼べない事だけが心残りだった。
[選択肢]
イ.桜(通常モード)
ロ.桜(ジャプニカ暗殺帳モード)

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最終更新:2007年08月02日 18:09