176 名前: もしハサ ◆yfIvtTVRmA [sage] 投稿日: 2007/08/11(土) 13:39:23

「まーとうくーん、あーそびましょっと」

チャイムを鳴らし、衛宮士郎は友人が出てくるのを待つ。
パックを開け納豆の上に乗せてあるビニールを半分だけ持ち上げ、中身を小皿に移す。残りは食べずに晩に取っておく。
箸できっちり二百回かき混ぜてから一粒ずつ口へと運ぶ
―ぐらいの時間が経った頃、ようやく玄関が開かれ間桐慎二が顔を出した。

「やあ、衛」
ぎこん、と。
挨拶の言葉の途中で目の前のワカメが生物的にやばい音を立ててすっころんだ。
うつ伏せに倒れ、顔の下から赤と黄色が混じった液体が染み出してくる。

「宮、今日はどうした?」
「いや、お前がどうした」

「すまないな衛宮」
「なに言ってるんだ慎二こういう時こその友達だろ」
玄関でのドタバタがあった後、間桐家の一室で士郎は茶封筒を渡し、ここに来た用件を告げる。

「はい、これ部費。お前一年分払ってたけどこないだ弓道部やめただろ?その差額」
「・・・美綴に頼まれたのか?」
「ま、そーゆー事になるな」
封筒を受け取る慎二。と、その時士郎の手に包帯が巻かれているのに気付いた。

「衛宮、その手どうした?部活で切ったのか?」
「いや、最近どっかで引っ掛けたみたいでさ、傷は深くないんだけど手の甲全体に模様みたいになっていて
恥ずかしいからこうやって隠してるんだよ。ってそういえば慎二も手に包帯巻いてるよな」
「衛宮、包帯の下の模様というのはこういうのかい?」

突如慎二は包帯を口で引きちぎりほどいていく。覆われていた部分が完全にあらわになり、奇妙な模様、令呪が現れた。

「どうだ、衛宮?お前にもあるんだろコレ」
「おー、あるある。慎二のとデザインがちょっと違うけどな」
何ら恐怖も緊張もなくごくごく普通に包帯をほどき、自らの令呪を見せる士郎。そして慎二と手の甲をピッタリと合わせてポーズを取る。

「ガッシーン、俺とお前は赤と青のデュエリスト、二人は前世からの宿命で戦う運命にあるのだー」
「おい、衛宮」
「ほらー、せっかくだし慎二もポーズとれよ。こんなおいしい機会たぶん二度とないぞ」
「がっしーんぼくはあおのでゅえりすとしんじなのだー」

士郎に付き合いポーズを取りながら慎二の脳は全力で回転していた。
(衛宮がマスター!?しかも僕がこれだけ苦労して令呪を手に入れたのにあいつはいたって普通に、
いや重要なのはそんな事じゃない、あいつごく普通に自分が令呪を持ってるとばらしやがった!!
果たして奴は僕がマスターである事を見越して包帯を巻いた手を見せたのか?)

[選択肢]
イ.もちろん、士郎は全てを知っていた。
ロ.もちろん、士郎は何も知らなかった。

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最終更新:2007年08月13日 02:13