275 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. 投稿日: 2007/08/13(月) 23:20:13

――Interlude side Wakame



「おーーーーい、悟飯さーーーん!?クリリンさーーーーん!?」

早速ですが――――二人とはぐれました。
今僕はこのだだっ広い荒野で一人で彷徨っています。二人に黙って休憩していたら、気付かれずに置いてかれました。しかも水・食料が入ったリュックは彼らが持っています。今僕は身一つで何も持っていません。

「ぢぐじょう・・・・ぢぐじょう・・・・あの二人・・・・今度見つけたらタダじゃおがねぇ・・・。絶対に・・・!ううっ!絶対にタダじゃおがねぇがらなっ!!」

涙が溢れてくる。僕・・・こんなことならナメック星になんか行くんじゃなかった。陰湿な家族の虐めに耐える方がよっぽど良かった・・・!ぢぐじょう・・・どうして僕がこんな目に・・・。
いきなり突風が起こり、飛んできた砂が顔にビシビシ当たる。しかも口や靴の中に入って尋常でない不快感を得る羽目になった。

「ぢぐじょう・・・・ん?この星のカエルか・・・。変わった触角生やしてやがる」

ピョコピョコと僕の周囲を跳ね回る。
鬱陶しいんで憂さ晴らしに潰してやろうかと思ったけど、やめた。こういう小さい奴でも生きてるんだよな・・・。
代わりにそこらに落ちていた枝でツンツン突付いてやる。カエルは慌てて近くにあった池へと逃げていった。そのちょっとしたマヌケな様が、僅かではあるが、疲れている僕を癒してくれた。

「はぁ・・・カエルはいいよなぁ・・・自由でさ。僕もカエルみたいに自由に生きたかったよ。ぢぐしょう、例え地球に帰れたとしても家にはボケた爺と性悪妹がいるんだよなぁ・・・。
こうなったら僕も衛宮の家に居候させてもらおうかな・・・。毎日あいつの美味しい料理食べれたら幸せだろうなぁ・・・。あいつ、人がいいから何だかんだいって一緒に居たら癒されるだろうなぁ・・・」

ぢぐじょう、何で女じゃなくて衛宮のことなんて思い出すんだよ・・・。でも、あいつとはぐれて数日経つけど、無事かなぁ・・・。異星人に殺されてやしないかなぁ・・・。
              • ん?何かこっちに飛んでくるぞ?二つ影が見えるけど・・・やった!ガキンチョとハゲが助けに来てくれたんだ!

「おーーーい!おーーーい!ここだぁーーー!!」

必死で大声を張り上げる。
          • あれ、でもあの二人って敵にバレないために徒歩で探索してなかったっけ?―――まぁいいや。僕がいないってことに気付いて大慌てで来てくれたんだろう。

「おーーーーい!おーーーい!」

―――――結果。
僕は大声をあげずに、影を確認した時に急いで隠れていれば、あんなことにならなかったのにと、後ほど大いに後悔することになった。
影が近づいてくるにつれ、ソレがガキンチョとハゲじゃないんだって判ってきた。逃げようと思ったけど、恐怖で体が動いてくれなかった。
顔がはっきりと見えてくる。・・・・一人は僕達地球人と同じ顔だけど、もう一人はどこからどう見てもワニの顔をしていた。

「へっへっ、呼ばれて来てやったぜ、地球人。お前が噂の地球人どもなんだろ?知ってるぜ。随分派手にオレ達に喧嘩を売ってくれるじゃあないか。」
「あ、あわわわ・・・・」
「オレが計測してやろう。・・・・戦闘力たったの3、か。ゴミめ!」

喧嘩を売るって・・・・喧嘩を売るってなんなのさ・・・・。ぼ、僕はただの迷子です・・・。あなた方に喧嘩など売ってござりません・・・・。
ただ・・・心当たりがあるとするなら、はぐれた衛宮達だ。あいつらが暴れまわったせいで僕がこんな目にあってるんだ・・・!

「お前は人質だ。オレ達がフリーザ様の前まで連れて行ってやろう。ブールベリ、オレはフリーザ様にこのことを報告する。お前はこの小僧を捕まえててくれ」
「あいよ。おら小僧。大人しくしろよ~」

ぶっとい腕で僕をがっちりロックするワニ。マヌケな顔だけど、カエルの時のように癒されなどしなかった。

「ひ、ひ、だじげで・・・ぐ、ぐぶじ~~~~、ばなじで~~~~・・・・」



――Interlude out.

276 名前: Fate/Ball TM ◆QWcajfuhO. 投稿日: 2007/08/13(月) 23:20:59

「・・・大丈夫か?セイバー」

シロウが心配そうに私の横顔を覗く。

「ええ・・・。今デンデから手当てを受けてもらってますから。あなた達が無事で良かったですよ・・・」

話の経緯を話すと私はドドリアとかいう怪物と一戦交えた。そいつの強さは、一番最初に出会ったあのナマズ男とは比較にならない程の強さを有していた。
結果的に私は宝具を解き放ち、約束された勝利の剣(エクスカリバー)の直撃をドドリアに浴びせたものの・・・・かすり傷をつけるのがやっとという醜態だった。

そうしてやられそうになった私を、地球で見た、サイヤ人のベジータに助けてもらったのだ・・・。最も、彼は私に地球での借りを返しただけに過ぎず、ドドリアを殺した後は、興味なさげに飛んでいったのだが。
―――デンデを見る。
元はと言えば虐殺されていたナメック星人を助けるために、自分から戦いを挑んでいったのだが・・・それもこの幼子を助けるのが精一杯だった。

「あ、あのセイバーさん?傷はもう塞がりましたけど・・・」
「・・・・・セイバー、泣いてるのか?」

悔しい。
私は・・・この程度の力じゃあ何も守れやしない。このままではいずれ、愛しい人の命までも失ってしまうことになるかもしれない・・・・。
悔しい。
勝てないことじゃない。・・・生きている者を守れなかったことが悔しい。目の前で虐殺を許してしまったことが悔しい。そして・・・・・このままでは、シロウの命を守りきれないであろうことが恐ろしい。

「強く、なりたい・・・。私は、シロウ・・・強く、なりたいです・・・。全てを守れるくらい・・・・私は力が欲しい・・・!!」

ボタボタと涙が無限に溢れてくる。力を――――。今まで生きてきて、ここまで力を渇望したことなど一度しかない。悔しい・・・。力が―――全てを守りきれる力が欲しい・・・!!

「・・・・・・・・」

何も言わず、じっと私の傍に居てくれるシロウ。・・・彼の心遣いが、私の傷ついた心にしみた。

「セイバー・・・・。なぁ、セイバー。何も言わず、オレの背中に手を当ててくれ。セイバーに返したい物があるんだ」
「・・・・・・・・」

そっと、鍛えられて盛り上がった彼の背中に手を置く。――――全て遠き理想郷(アヴァロン)。本当は彼の安全のために取りたくなどなかったが・・・今、シロウの心遣いを無碍になどしたくない。

「セイバー。セイバーが他の誰かを守りたいって心を忘れないのなら、君はまだまだ強くなれるさ。大丈夫、マスターでさる俺が保障するよ」
「シロウ・・・・ありがとう・・・」

もう涙など流していない。
―――まだ私には守る者がいるのだから・・・。



1、デンデの案内で、ある人物の所へ行く
2、レーダーにドラゴンボールが映っているが・・

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最終更新:2007年08月14日 06:11