769 名前: D two×three×four  ◆cCdWxdhReU [sage] 投稿日: 2007/08/27(月) 23:04:48

亡き親友を独り背負う。:『アレ』、取り返すんだよな?力づくでさ。


平穏が駆け足で消えてゆく。
レヴィは音もなく桜の寝室へ向かった。
どうなるのかは判らない。
何も無いといい。何も。

間桐桜は愛しむ様に兄の腕を抱く。
死人の腕だ。
藤ねぇは結局、それについて一度も言及しなかった。
衛宮士郎は他人の血に塗れ、けれど無傷で知らぬ女性に連れられ帰宅した。
それにもやはり、疑問を感じないようだった。

唯只管に。『慎二の死を悲しんではいたが。』

順当に考えれば、何か都合のいい暗示をかけられているのだろう。
それが出来るのは魔術師で、間桐桜は『マキリの次女だ。』
嫡子でなくとも何かしらの魔術が使える可能性はある。
そして何より、『あの腕の価値を知っている』。


藤ねぇは心配する素振りを見せながらも、意外とすんなりと帰宅した。
それが合図になる。

桜の部屋から発砲音。
己がサーヴァントの奇襲は、然し奇襲とは呼べないほどに想定内。
「アサシン!」
更に予想内の反撃。『マキリに魔術師が二人居る』なら、サーヴァントもまた、『二体』。
同調、開始。レヴィの初撃を凌げば、次は?
桜の手駒は暗殺者。戦闘力は望めまい。ならば、逃走。
この屋敷から――――。

「ッ!」

部屋から飛び出した桜に、強化したバットを突きつける。
「逃げてもいい、桜。『それ』をこっちに渡すんだ。」
「――――できません。」
桜が後ろ手に扉を閉める。部屋の中の気配が一つ減り、(「あッ、畜生てめェ!」)ついでレヴィがそれを追い、
戦闘の気配は庭先へと移る。

770 名前: D two×three×four  ◆cCdWxdhReU [sage] 投稿日: 2007/08/27(月) 23:05:50

サーヴァントと魔術により行われる聖杯戦争、
だのにそれは明らかに不自然。

俺は桜を、桜は俺を、『殺すつもりなど無いのだ。』

慎二に続き桜まで、死んでしまうのは嫌だった。
武器を持つから狙われる。ならば、それを奪うまで。
(兄さんに続き先輩まで、死んでしまうのは嫌なんです。
兄さんの武器は私が継ぎます。先輩は、もう関わらないで下さい。)

睨み合う?否、見詰め合う。相手が折れるのを祈るように、野外の戦闘の終焉を待つ。




刹那、桜が顔を上げる。
レヴィから伝わる現状。アサシンは深手を負い、桜の戦闘続行命令を無理矢理振り切って霊体化した。
終わった。
「桜、もう一度言う。其れを――――」

言葉を待たず、桜は。胸元にぎゅうと腕を抱きしめ、
主を持たぬその獣に、魔力を流し込む‥‥‥!


誰もが予想し得なかった!     :誰からも命令を受けぬまま、獣は俺に飛び掛った。
まさかのワカメ争奪戦争(腕のみ。):誰からも命令を受けぬまま、獣は桜に飛び掛った。
(おお、もう10話か。)

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最終更新:2007年08月28日 18:02