785 名前: Fate/testarossa ◆JtheEeHibM [sage 二日目・質疑応答 - 聖杯戦争について] 投稿日: 2007/08/28(火) 15:41:53
「………じゃあ。
フェイト、さっき言ってた聖杯戦争っていうのは何なんだ?」
名前で呼びかける気恥ずかしさを押し殺して、訊かなければならない事を問いかける。
戦争という響きは、無視するにはあまりに物騒だ。
「聖杯についての伝承は知ってるよね?」
うなずく。
聖杯と聞いてまず思いつくのは、聖者の血を受けたとされる杯の話だ。
手にした者の願いが叶うなんて話がつくこともある。
「この町では、マスターと呼ばれる魔術師が、サーヴァントと呼ばれる使い魔を召喚して
聖杯を奪い合う争いが行われる。それが聖杯戦争。
士郎は、そのマスターに選ばれたの」
フェイトの説明は続く。
サーヴァントとは、人の身を超え信仰を得た英霊が呼びかけに応じたもの。
マスターとは、聖杯に選ばれ、サーヴァントを召喚した魔術師のこと。
左手の痣は令呪と言われる聖痕で、サーヴァントを律するための三回きりの切り札であり、マスターの証。
参加する主従は七組。
たった一つの奇跡を求め、最後の一組になるまで互いを排斥しあうバトルロイヤル―――
「…………信じられんな」
一通り聞き終わった後の、氷室の感想は簡潔だった。
半人前とはいえ魔術師を自認する俺でさえ、にわかには信じがたい内容だったのだ。
こちら側とは全く無関係だった氷室からすれば、まさしく空想の話に聞こえることだろう。
「すぐに信じるのは難しいと思うけど―――」
『Caution. Two magic reactions are approaching here.』
フェイトの言葉は、彼女の手元から響いた音声によって遮られた。
「えっ………つうっ!」
それに呼応するように、左手の痣が熱を帯びる。
「―――もう一組、こっちに向かってる」
「もう一組って、さっきの男みたいな奴か?!」
「うん。私はすぐにでも動けるけど、どうする?」
先程の、ランサーと呼ばれた男との一戦を思い出す。
またあの男のような化け物が近づいてくるという。
こちらは聖杯戦争というのも今知ったばかりで、それに対してどうするかさえ決めていない。
【Waylay】:―――迎撃する。
【Telling Time】:話を聞こう。争うのはその後だ。
【Pacifism】:ちょっと待て、戦うのはだめだ……!
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最終更新:2007年08月28日 18:06