683 名前: Fateサスペンス劇場 ◆7hlrIIlK1U [sage] 投稿日: 2006/08/13(日) 18:40:19

一、泳ぐさ!

「よしっ、泳ごう! そうだよな、こんなに凄い海を見せられたら泳がないと嘘だもんなっ!」
「やったあ! さっすがお兄ちゃんっ」
「そんなっ、先輩!?」
「わるい桜! つくってくれた料理は後でじっくり味わって食べるからっ」
「もうっ。相変わらずイリヤさんに甘すぎますっ!」

 どたどたとコテージに荷物を運んで水着を用意。ばばっと裸になって水着をはいて、そのまま浜辺に全力ダッシュ。こういうとき、男で良かったって凄く思う。

「シロウったらはやーい!」
「お待たせっ。ん? イリヤは準備は?」
「へへ、実はもうこの下に着てるんだ」

 そういって服を脱いだイリヤが着てたのは、真っ白なビキニの水着だった。このお子さまっ、なんたるチョイスをっ。肌の白いイリヤがそんなのを着てはしゃいでると、まるで全裸のように見えてなんつうかその極めてグッジョブ!

「へえ……。衛宮君ってそういう趣味だったんだ」
「ミスタ・エミヤ? 私たちの事すっかり忘れてませんか?」
「だっ、大丈夫ですよ。先輩がペドフィリアでもわたしは全然気にしませんからっ」

 後ろから突き刺さる視線が痛い。特に桜のフォローが痛い。ペドフィリアってなんなのさ。

「……まあいっか。せっかくだし、わたしたちも準備して泳ぎましょう」
「……ですわね。ミス・マトウ、いきましょう」
「桜でいいですよ、ルヴィアゼリッタさん。じゃ、着替えてきますね。先輩」
「おう。気をつけてな」

 ―――さて、あらためて当たりを見渡してみる。本当に絶好の環境だ。ギラギラに輝く太陽の下、どこまでも青い海と空。潮の香りがしみ込んだ風を思いっきり吸うと、いくらでも元気がみなぎってきた。

「よーしイリヤ、おぶされ。水平線の向こうまで泳いでやるっ」
「うんっ。いっけー、シロー! Los Los Los ―――!」
「おうよー!」

 背中に小さなレディーをのせて、珊瑚礁の海へ突撃する俺だった。



「いやー、遊んだ遊んだ」
「楽しかったねー」

 遊びに遊んで戻ってくると、遠坂達も砂浜にいた。

「あんたたち、どこいってたのよ」
「えっとね、ちょっと沖の方にいってみたり」
「島を一周してみたりな。なんかちょっとはしゃぎすぎたかも。しばらく休憩しよう、イリヤ」
「そうしなさい。ここに座るといいわ」

 そう、パラソルの下に誘ってくれる遠坂。そこには冷たい飲み物も用意されていて、一息つくのに申し分ない。

「凄いな。これ全部遠坂達が準備したのか」
「当たり前でしょ。男手がなくて大変だったんだから」
「う、すまない」

 イリヤにジュースを渡しながら頭を下げる。

「謝る必要なんてないでしょ。その間士郎はちゃんと家族サービスしてたんだから」

 真っ赤なビキニに包まれた胸を張って、にこやかに笑う遠坂。ああ、家族サービスか。うん、そうだよな。血は繋がってないけどみんな本当の家族だもんな。

「幼女のおもりとも言うけどね」
「ちょっと……、リン?」

 なんだか二人の間で火花が散ってるようだけど、これぐらいのじゃれ合いなら放っておいてもいいだろう。それより桜とルヴィアはどこに行ったのか。きょろきょろと辺りを見回すと、ピンクと青のビキニがプルンプルンと揺れていた。じゃなくて―――、いや、あってるけどそうじゃなくて、桜とルヴィアがビーチバレーに興じていてるのが目に入った。

 いや奥さん、凄いですよ? 二人とも女らしいというかグラマーというか、とにかく素晴らしい体型なので、動き回る度に揺れる揺れる。ありがたすぎて思わず拝みたくなるこの光景。

「あ、せんぱーい。よかったら混ざりませんかー?」
「おうっ、今行く」

684 名前: Fateサスペンス劇場 ◆7hlrIIlK1U [sage] 投稿日: 2006/08/13(日) 18:41:07

 そんなこんなで思いっきり遊んで、桜のつくってくれたご馳走も食べて、なんだかんだであっという間に日が暮れた。夜になってもみんなで喋りながらお茶を飲んだりトランプをしたりで、楽しい時間は矢のように過ぎていく。

「でも、藤村先生残念でしたね。せっかくの機会なのに都合が付かなくて」
「そうだな。今年も受験生の担任をしてるんだって? 教師ってのも大変だよな」

 桜の手札からジョーカーを見事に引き当てながら、ここにいない藤ねえの事を考える。姉のようなあの人がこの場にいてくれれば、もっと楽しかったと言うのは嘘偽りならぬ本心だ。贅沢すぎる気もするけど。あ、遠坂ババ引いた。

「あの人はあれで結構頼れるし、適任ではあるんだろうけどね。……げっ」
「仕方ないわよ。タイガに会える機会はいくらでもあるんだし。なんだったらこのまま冬木に帰ってもいいんじゃない? ……うわっ」
「ミス・フジムラといえばシェロのお姉様のような方なのでしょう? 是非一度挨拶してみたいですわ。……ちっ」

 ジョーカーはぐるっとひと回りし、とうとうルヴィアまで旅したらしい。

「違うわよ。シロウのお姉ちゃんはわたし。タイガじゃないわ。ね、シロウ?」
「うーん、イリヤは姉よりも妹って感じじゃないか?」
「ええ、イリヤさんは妹ですよね。……っと、あがりですっ! またわたしの勝ちですね」

 えへん、と増々生長中の胸を張る桜。今日はなぜかついてるらしい。その勝ち誇る姿を悔しそうに眺めるルヴィアに、別の部分を見て歯ぎしりする遠坂。そんな遠坂をイリヤがちゃかし、やがて夕食後の団欒はお開きとなった。



 さて、寝るには少し早い時間だし、何をしようか。

一、遠坂の部屋に行こう
二、桜の部屋に行こう
三、イリヤの部屋に行こう
四、ルヴィアの部屋に行こう
五、夜のコテージを探険しよう

投票結果

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2006年09月04日 16:43