695 名前: Fateサスペンス劇場 ◆7hlrIIlK1U [sage] 投稿日: 2006/08/13(日) 20:37:15

五、夜のコテージを探険しよう

 むむっ、探険とな。それは暇だからちょっとその辺ぶらぶらしてこようかな、なんて在り来たりなものじゃなくて、新たな出会いとトキメキを探しにいくというエロゲ主人公の偉大なる使命のことですな。だからセイバー、許してくれ。これは決して浮気じゃないんだから―――。

「オッス! おら猫アルク。よろしく宇宙!」

 あ、変なのいた。

「にゃにゃにゃ? そこな少年、照れておるな。このあちきに一目惚れしてラヴシーンしたいとは分からなくはにゃいが、そいつぁ一億年とんで五分ほど早いですぞ? この身は既に志貴に捧げておる故に。よっておぬしはこのにくきゅうのプニプニ感を存分に堪能するにとどめておくがいい少年よ。無視かよ」

 うるさいうるさい。俺はもうこれ以上身の回りに不思議空間を増やしたくないんだ。虎とブルマで十分間に合ってるんだ。スレッド住人の悪のり次第で三途の川を泳いで渡る羽目になるような選択肢はもうこりごりなんだってば。

「にゃ? つまりチエルもセットでお買得がいいって事? そいつは若いのに気の毒な性癖ですな少年。ヒロインのアナルを掘りまくるといつか自分も掘られますぞ? 眼鏡に。―――無視かよ」

 さーて、まずはキッチンの方から探険してみようかなっ、と。おっ、コテージのキッチンは意外と豪華で、調理道具も充実してる。凄いじゃないか。食材もみんなで持ち寄ったから十分にある。

「おい貴様、あんまふざけると寝顔の額に肉って書くぞ? 油性ペンで」

 むぅ。これはぜひとも明日の朝食で腕を揮ってみたくなるな。今日食べた桜の料理も凄かったけど、師匠としてはまだまだ負けるわけにはいかないのだ。

「むかっ……。落ちるがいいにゃ、カトンボ!」
「うわーっ」

 床が消えたっ! なぜっ! って落ちる落ちてる堕ちていくっ!

「遠野家地下王国に一名様後招待にゃー」
「はい喜んでー!」
「―――理不尽だー!」



「はあっ……、はあっ……、はあっ……」

 と、とんでもない目に遭った……。なんであそこで槍が降るのか。あの吊り橋は突然崩れるのか。せっかく手に入れた伝説の剣が雑魚相手に一撃で折れるってありゃ絶対詐欺じゃないか。

 ……まあ、……いいや。とにかくこれで冒険も終わりだ。あのほうき少女の言葉さえ確かならば、この宝箱さえ開ければ元の場所に戻れるはず。どういう理屈か魔術かも分からないし、本当にそうなるかも不安だけど、とにかく今は信じて開けてみるしかない。

 そして、宝箱の中にはなんと―――
一、「翡翠ちゃんのメイド服」がしまってあった
二、「ヌーディストのススメ」という本があった
三、「三途の川の渡し守」がみつしりと収まっていた。

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最終更新:2006年09月04日 16:44