54 名前: 僕はね、名無しさんなんだ 投稿日: 2007/09/06(木) 22:07:24

「―――ここですね…」

冬木市からは遥かに距離があるのだけれど、僅か4、5分で到着。眼前にはターゲットが住んでいるアパートがそびえ立っている。
……果たして彼女は私の頼みを請け負ってくれるであろうか?人一倍ルールに厳しい彼女だが―――いや、当たって砕けろだ。無理は承知の上で頼み込んでみよう。それに今私の手にはとっておきの切り札があるのだから。
―――まるで吸血鬼の住処に入る心持ちで、彼女の家のチャイムを押す。間抜けな機械音が鳴った直後、中からパタパタと足音が聞こえてきた。

ガチャリ

「はーい…――あっ」
「どうも。久方振りですね、シエル」
「……いらっしゃい、バゼット。あがってください、お茶くらい出しますよ」

―――私とシエルは実は奇妙な縁で繋がっていたりする。ご存知、私達は協会と教会の異端児だ。たまたま任務で共同戦線を張ったことがあるのだが、そこから異端児同士ウマが合っちゃって、時々一緒にお茶を飲んでたりする。まぁ仲が良いのだ。
相も変わらずの質素な部屋に通され、湯飲みに茶を注がれる。いきなりだが本題を切り出そう―――。

「駄目です」
「まだ何も言ってないんですけど……」
「駄目ったら駄目ですっ!貴女のことだ。どうせ先日発表されたタッグプロレスの賞金をゲットして楽したいだけなんでしょう!?絶対駄目ですよ…。そもそも秘匿が信条の魔術協会に所属しているクセに、何てこと考えるんですか!」
「う…」

確かに魔術を大衆の眼前で使用するのはマズイ。あくまで魔術は神秘であるからこそ魔術でいられるのだ。それが世間に知れ渡ってしまえば、ただの技術、ただの化学反応でしかなくなるだろう。そんなこと、全魔術師が許さない。
………でも、それなら魔術なんて使わずに格闘術のみで戦えばいいではないか。というかそれが目当てで体術も達者な彼女を誘おうというのに。それにいきなり図星をつかれたのはちょっと悔しい。

「駄目でしょうか…?別に魔術なんて使おうとは思っていませんよ。そもそもあくまでこれ、プロレスですし…」
「駄目ったら駄目ですっ!大体何で私なんですか!?言っときますけどね、私プロレスだなんてやったことありませんよ!そーいう人達なら他にも色々いるでしょうが!」
「色々、とは?」
「い、色々です。…とにかくっ!私はこの街を任されている代行者なんですから、あんまり目立つ行動はマズイんですよ…。それは貴女も同じでしょう?―――という訳でハイ、審議終了。解散!」
「そんな無茶苦茶な…」

あまりに独断すぎる審議に鬱憤が溜まってきた。…しかし、これには私の生活が懸かっているのだ。何が何でも引き下がる訳にはいかない。ふと、部屋に置かれた可愛い小物を見つめ――――そろそろ頃合いだな、と感じた。

「シエル、ここに提案があるのですが」
「物で釣ろうというのですか?…甘く見ないでほしいですね。これでも私は埋葬機関第七――――」

スーパーの袋から『ある物』を取り出し、威勢良くテーブルの上へと置いた。

ドンッ!

「1日1食限定。時計塔特製・魔術カレー、レトルト仕様です。数百種類のスパイスその他を絶妙な量で配合し、血管から直接食べることで……」
「乗った!」
「ありがとう、シエル」

ここに最強のタッグが誕生した。



1、セコンドがいないと話にならない
2、その頃、他の参加チームは…

投票結果

カレン・オルテンシアをセコンドに、ギルガメッシュ・ランサー コンビ
七夜黄理、軋間紅摩の最強最悪チーム。
さっちん&シオンの路地裏同盟
秋葉様と藤乃ちゃんの最凶超能力コンビ
ルヴィア&凛の時計塔お騒がせペア
乾・ななこ の場違いチーム
荒耶と言峰のラスボスチーム 

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最終更新:2007年09月11日 08:31