212 名前: 疾風伝説 突っ込みの士郎 ◆6/PgkFs4qM [sage] 投稿日: 2007/09/13(木) 21:23:29
3話だけつきあってくれ!
ドッドッドッドッドッ…!
「うひゃあ、今日も凄いエンジン音だなぁ」
「そうだな。ここは日本で一番族が多いんだってさ」
ここ、国道16号線は治安が悪い。
何故だかは解らないけど…とにかく“族”の方々が大変多くいらっしゃるのだ。
で、この俺、衛宮士郎は何をしているかというと、スーパーで買い物をした帰りだったりする。ちなみに途中で出会った友人の慎二も一緒だ。絡まれてお金を盗られてはたまらない。早く家に帰るべきだ。
ドスッ
「あ、ごめんなさ……ひィッ!?」
「オウ、“痛ぇ”ーよそりゃ」
「(な、何てことだーーーーッ!? 言ってるそばからガラの悪い方にぶつかっちゃった~~~!?)」
このガラの悪い方は女性だが、その醸し出す迫力を見て絶対に逆らってはいけないことを悟る。何より真っ白な特攻服を見て、尚立ち向かおうという奴がいるのか問いただしたい。とにかく逃げなければ。横を見れば、慎二の奴、いち早く逃げてやがる…。 畜生、もし俺が死んだら、呪い殺してやるぜ!
―――ピキーンと唐突に閃いた。まず相手に猫だましをかまし、相手がビビッた隙に逃げる、という作戦を採用にしよう。これなら確実だ。だが―――
つるっ……ドスン!
!?
「……え?」
「…何だ。喧嘩売ってるってんなら最初から言ってくれよ、彼…」
「(ええっ!? つい力みすぎたせいか足をすべらし、しかも彼女に頭突きかましちゃった!?)」
殺される…。
状況を打破する策も、この恐怖に震えた愚鈍な頭では思いつけない。あ、謝るしかない…。
「あ、あわわわ…ゆ、許してつかあさい…」
「………」
万力のような指が、俺の頭を締め上げる。し、死ぬ…。
しかし、俺の予想に反し、目を瞑って衝撃に備えるもいつまで経っても何もしてこない。さすがにおかしく思い、恐る恐る彼女の顔を見上げてみる。
「―――シロウ……?もしかして、幼稚園の頃、いつも私に優しくしてくれた、シロウ…?」
「…え?」
!?
彼女は、もしや―――
「嘘、セイバー!? うわ、凄い! 久しぶりだねぇ、10年ぶりくらいかな?」
「はい…。あの、本当にお久しぶりです。……先程は申し訳ありませんでした。少し“苛ついていた”もので…。あの、でも、昔あなたに受けた恩は決して忘れているつもりではありません!」
「へへ、わかってるさ…。懐かしいなあ、さすがにお互い変わりすぎちゃって、気付けなかったよ」
「ふふ、本当に…」
何てこった。目の前のガラが悪い人物が、あの可愛らしかったセイバーだとは。
とても複雑な気分だったが、彼女と話していくうちに、先程のはただの間違いであったのだろうと思い始める。彼女は、外見こそおっかなくとも、中身は昔も今も、優しいセイバーだ。
A:オウ!!“バール”持って来い!!
B:“疼く”んだよゥ…
C:気合いブリバリだあ!!バカヤロウ!!
投票結果
最終更新:2007年10月22日 17:37