264 名前: 疾風伝説 突っ込みの士郎 ◆6/PgkFs4qM [sage] 投稿日: 2007/09/15(土) 22:43:00

 その後俺はセイバーと談笑し、楽しいひと時を過ごした。
 ―――良かった。やっぱり姿かたちは違えども、セイバーはセイバーだ。昔の可愛いセイバーだ。と、そこで彼女がおずおずと話を切り出した。

「シロウ、あの……もしよろしければ今夜行われる“集会(パーティ)”に出てみる気はありませんか? 仲間達に私の大切な人のことを知ってもらいたいんです…。皆もきっと歓迎してくれますよ」

 パーティ…。何だろう、食事会とかそういうのか? 据え膳喰わねばなんとやら。せっかく招待してもらったんだ。ありがたくお受けしよう。
 返事をしようと、彼女の顔を見ると……何だ? 彼女の背中から、何か矢みたいな物が俺達に向かって飛んできているぞ…。

「………って、あれは――――“標識”!? あ、あ、危なァーーーい!!!?」

      !?

 標識はコンクリに刺さっている物であって、飛んでいる物じゃあない。混乱しきった頭を振り絞り、咄嗟にセイバーを押しのけ、回避する。が、僅かに俺の背中にかすったらしく、背中から鈍い痛みが走った。

「い、いてっ!」
「シロウ!?」
「……“疼く”んだよゥ…。セイバー、お前につけられたタンコブが、今でも“疼く”んだよゥ…。“お前”を“殺”しちまえってよォ~~~~!!」

      !?

 こ、今度は紫に染めた髪をパンクよろしく逆立てたお方が出現しやがった…。しかも喧嘩する気ブリバリだ?!

「“蛇女(メデューサ)”の“ライダー”……。 ―――私の大切なシロウをこんな目に遭わせやがって……ブッ“殺”す!!!(ビキビキ)」
「“敵”が欲しいんだよぉ…!? 私はいつも“待”ってたぜェ……この“瞬間(とき)”をォ!!」

      !?

 パンク女が手にしたソレは……“巨大釘”!? マ、マズイ、あんな凶器を持ち出すだなんて、あの女狂ってやがる!?凶器となぞらえて狂気……い、いやそれよりも、セイバーがやられる…!!?

バキッ!

      !?

「ぐあっ…!」
「“ライダー”あああああああ!!!」

 こ、今度は普通の若奥様風の方が乱入してきてパンク女を殴り飛ばした!? 吹き飛ばされたライダーは、勢いよく車道まで転がっていく!

「あ、あれは“魔術連合(ウィザードリィ)”の“キャスター”!? 結婚してもう引退したハズじゃあ!?」
「こんなの“見せつけられ”ちまったらよォ……“血”が“騒いで”“我慢”できねぇべ!?(ビキッ!ビキッ!)」

ブップー

      !?

「マズイッ! 彼女の所にダンプカーが走ってきたぞッ! ひ、轢かれて死んじまう……!」

 突然すぎて間に合わない――――。いくら手を伸ばした所で、短いこいつでは届けない。俺の懸念も虚しく、ゴシャアッという音だけが響いた。そして。玉突き事故の連鎖で、鉄がひしゃげる音を響かせながら、後方の車も破壊されていく…。何てこった。

「う、ううう……ってアレ?」

      !?

「■■…■■■■■■……(訳:コォ~~ら“二年坊”…てめーらさっきからうるせーゾ……)」

      !?

 ライダーの目の前に筋肉ダルマの巨人が立ちはだかり、ダンプカーを受け止めていた。何という膂力。この筋肉ダルマによって、惨劇は防がれたのだ――――! ……まぁ後ろの方のドライバーさん方は大惨劇なんだけどね。

265 名前: 疾風伝説 突っ込みの士郎 ◆6/PgkFs4qM [sage] 投稿日: 2007/09/15(土) 22:43:45

 と、騒ぎを聞きつけたのか、最高のタイミングでパトカーのサイレン音が聞こえてきた。ラ、ラッキー…。隙を見て脱出だ! ―――しかし俺の心の中を読んでいたかのように、直後、ライダーが何故か俺に視線を浴びせてきやがった。畜生。

「ここじゃ人目につきすぎる…。“A”突堤(とつ)に来い。“第五次聖杯戦争”開幕だァ!!! ”バックれ”たら……承知しねえぞ? ごぉ、あああああああああああああ!!!!(ごう!!)」

      !?

「“上等”だ…。こうなりゃ久々に『必ず殺す怨念の剣』を抜き放ってやるぜ…。“怨汰苦(えんたく)”も 全員集合だあ!! ―――“いらねーモン”は全て削り落とす…剥ぎ取っちまう……。だだ……“その一瞬だけ”“COOOL”に“決める”ためによ…」

      !?

「“久しぶりだ”。ここまで“コケ”にされたのはよぅ…。“魔術連合(ウィザードリィ)”再結成だ…。“己の姑息”さ…“卑怯さ”…そして“くだらなさ”を後悔する必要はナイぜェー?…“己自身の血”で贖え……オメーら…」

      !?

「■■■■…(訳:俺はいかねェーぜ…)」

      !?

 思い思い言いたいことを言い終えたらしく、ここに俺とセイバーを残して他の奴らは解散していく。
 ―――とんでもない目にあったが、何はともあれこれで彼女らから解放されたんだ。………あのライダーの釘の刺し方が妙に気になるが、まぁそこに居合わせたぐらいでどうこう言われる筋合いはない。無視して今夜は寝よう。
 ……しかし、これで終わろうとする俺に、セイバーが頬の筋肉を痙攣させながら俺に呟いてくる。

「シロぉウ…。今夜は“パーティ”中止だからぁ……(ピク、ピク)」
「は、はーい…」



A:み……みんな……喧嘩……止めに来たよ?
B:どおもぉ~~~、そこいらの“チンケ”な族でぇーす!!
C:―――気付けば、俺は見慣れた蔵の中に居た

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最終更新:2007年10月22日 17:50