654 名前: Fate×ネギま ◆MnGA8SFSbU [sage] 投稿日: 2007/10/04(木) 11:04:26

「なんか住居かな? があるところ、街の中だと思うけど」

 暗くて詳しくは分からないが、おそらくそんなところだろう。
 しかし、その返答は答えになってなかったらしい。

「……あのね衛宮。この僕の広大な広い心を持ってしても、そのジョークはいただけないね」
「いやいや慎二。その日本語はどうかと思うぞ」

 広くて広いとは意味が分からない。

「なんでツッコムところがそっちなんだよ!」
「まあまあ、場を和ませる冗談だよ。
 ――けどな。悪いがここが何処かって事になると、本気でそれぐらいしか分からない」

 慎二の質問の意味だって本当は分かってる。
 だけど、こっちもこの不可思議な現象の被害者である。詳しいことが分からないのは道理だ。
 出来ることとしたら、あの城で何が起こったのかを推測するぐらいしか…。

「ふうん。まあここが何処だかなんて調べれば分かることだし、一応置いておくさ。
 それよりもさ、衛宮おまえ何か知ってるんだろ」
「慎二、俺の心が読めるのか?」
「さっきの言い方からそれぐらい読めるよ。
 そんなことよりもさ、早く僕にこの状況の説明をして欲しいんだけど」

 意外に順応力と鋭さの高い慎二。
 驚きではあるが、なんにしろ冷静に状況の整理が出来るのはいいことだ。

「まあ知ってるというか推測なんだけどな」
「それでいいさ。で、この状況は結局何なんだよ」
「そうだな。ものすごく簡潔にして簡単に短くまとめると、ここは俺達の世界で言う並行世界なんだと思う」

 その言葉に慎二が停止する。
 まあその反応は正しい。自分で言っといてなんだけど、正直自分でも信じたくない推測だ。けどそれ以外にも考えられないのも確かなのだ。

「……色々言いたい事があるけど。とりあえず、なんでそんな訳の分からない結論に達したのか、理由が聞きたいんだけど」
「別に構わないけど。ただ魔術がらみの話になるぞ」
「はっ、つまりこの状況は魔術がらみってことになるのか。まったく、あの家を出たのに、また魔術の話をするとはね。
 まあ、とりあえず話してみろよ」
「それじゃあ、ちょっと長いけど」

 慎二に、並行世界つまり第二魔法のことと、遠坂の関係。そして数年前に行ったあの城での実験…を話していたら何故か慎二に止められた。

「どうしたんだ慎二?」
「別に。ただそれ以上言わなくても、だいたいの理由は分かったってだけだよ」
「まだ話の途中なのにか?」
「ふん。どうせ、その後うっかり遠坂が失敗して、大変な事になったのをカバーしたのはいいけれど、実はそのカバーもうっかりしてミスがあった。で、僕たちがたまたまそのミスの迷惑を被った。ってところだろ。
 どうだ。合ってるだろ、衛宮?」
「あ、ああ。ほぼ正解だ。
 どうしたんだ慎二。今日はえらく冴えるじゃないか」

 まさかいきなりの覚醒フラグなのか!?
 いや、慎二の場合だと死亡フラグっぽい感じもする。
 どっちにしろ、飛ばし過ぎではなかろうか。

「何考えてるか知らないけど、ちょっと僕をなめすぎじゃないか。こういうことなら遠坂にも負けない自信があるんだけどね」
「そういえばそうだったな。けどおまえ、あんまりそういうところ出さないじゃんか」
「僕がちょっと頑張ると他のやつらの立場がなくなるからね。それぐらいの配慮はしてやるさ。
 まあそれ以前に、その並行世界ってやつと遠坂が関係してるって分かった時点で半分以上決定してるけどね」

 さすが慎二。かなり痛いところを遠慮なく突いてくる。協会で遠坂の付き人となっている自分としては頭を下げざるを得ない。
 いや、けど、遠坂のうっかりも最近はマシになっているのですヨ。

655 名前: Fate×ネギま ◆MnGA8SFSbU [sage] 投稿日: 2007/10/04(木) 11:05:13

「まあ理解が早いのは助かる。これからについても話しやすいしな」
「おい衛宮。今後の話する前に、もとの世界に帰るにはどうすりゃいいんだよ。て言うか、よく考えたらそこが一番重要だろ」
「そうだな。それについてはっきり言わせて貰うと、遠坂たちがこっちに迎えに来てもらうしかない。悪いが、こればっかりは文句を言ってもどうにも出来ない」
「本気で言ってるのかよそれ。まったく、なんだって僕がこんな目にあわなくちゃならないのさ! 最悪だね!
 だいたいさ、遠坂に頼るって大丈夫なのかよ」
「それは大丈夫だ。遠坂のほかに、イリヤにルヴィアそれにあのキャスターだっているからな。機材集めから起動まで申し分ないほどだ」

 本当は大丈夫だと言い切れるものじゃない。が、それは言っても意味がないことだ。結局、遠坂たちに何とかしてもらうしか方法はないのだ。

「……ふん。分かったよ、ぼくもガキじゃない。気に入らないけど納得してやるさ」
「本当か?! こう言っちゃなんだけど、すまないな慎二」
「別に謝罪なんかいいさ。帰った後、遠坂の口からはっきりと聞かせてもらうからな。
 それよりも、さっき言ったこれからの話ってなんだよ」
「ああ。さっき言ったとおり、俺達が帰るためには遠さかに頼るしかない。その間がどれくらいか分からないけど、とにかく生活できないと拙いわけだ。
 ただ、ここがどんなところか全く分からない。だから」
「まずは情報収集がしたいってことか。
 衛宮にしちゃ頭が回るじゃないか。いいぜ、賛成してやるよ」
「そりゃ助かる。それじゃあ俺は少しここから離れて調べてみるから、慎二はこの辺りで情報を集めてくれ。
 あっと、そんな熱心にやらなくていいからな。人と話すのは拙いかもしれないし」
「分かってるよそれぐらい。それよりお前の方こそ気をつけろよ」
「ああ、それじゃ30分後ぐらいにこの辺りで」



 30分後。帰ってくると慎二が建物の近くに腰掛けて座っていた。
「どうだった慎二?」
「別に。それよりも、お前のほうはだったんだよ」
「それなりだな。とりあえずいい報告から。
 ここは俺達の住んでた日本と言葉は変わらないみたいだ。あっちで駅を見つけたんだ。試しに行ってみたら書いてある文字が日本語だった。ついでに駅員の人に話しかけたら、普通に通じたよ」
「へえ、そりゃ良かったじゃんか。それなら結構普通にやっていけるんじゃない?」
「ああ。英語も出来るけど、日本語の方が安心できる。まあそれは一度置いておこう。
 次、悪いっていうかな…、ここはやっぱり並行世界だっていう証明みたいなもんだな。
 駅でここの地名を見たんだが。ここは、埼玉県麻帆良市の麻帆良学園都市というらしい」

 それを聞いて慎二が止まる。
 気持ちは分かる。麻帆良市というのはこの際いいとして、『学園都市』なんてなんの漫画の話だという感じだ。

「それなんてCL○MP学園?」
「いやまあ、そう書いてあったんだからなんとも言いがたい。駅員さんに聞いてもそう答えてたし。
 あとそういう発言は危険だと思うぞ」
「ふうん。まあ今のでこっちのほうも分かったことがあるよ。たぶんこの建物、寮か宿舎だ」

 そう言って、慎二は目の前の建物を指した。

「ここ、下は食堂みたいになってるのに、上の階では生活臭がするしね。で、この大きさ。おまけに学園都市って言うなら、そのへんが打倒じゃないか」
「つまり、この辺りは学生か教員が住んでるのか」
「まあそうなんじゃない。で、どうするのさ。中のやつらに話を聞いてみるのか?」
「いや、それはちょっと危険だな」

 中に入った場合、かなりの確立で警察を呼ばれるだろう。自分たちの身を証明できない今の状態で、それはかなりまずい。
 あっちの世界の免許なんか意味ないだろうし。けど、もっと情報が欲しいのも事実だ。せめて外に人がいてくれれば、何とかならないでもないのだが。

「おい、衛宮」
「なんだよ慎二。なにか思いついたのか?」
「違うよ! 誰か出て来るんだよ。中から音が聞こえる」

 言われて耳を澄ます。確かに建物から声と足音が聞こえてくる。

「まずいな。そこの茂みに隠れるぞ」

 二人で隠れていると案の定誰かが出てきた。
 はっきりとは見えないが、おそらく学園の女子生徒だろう。

「どうするんだよ衛宮。話しかけるのか?」

 ふむ。確かにチャンスかもしれないが



ネ:話しかけないでおく
ギ:長い黒髪?の娘に話しかけてみる
ま:金髪?の娘に話しかけてみる
!:高校か大学生かな? あの娘に話しかける

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最終更新:2007年10月22日 19:16