669 名前: ゼロの慎二 [sage] 投稿日: 2007/10/04(木) 19:14:08

学:暴れてもろくな事が無いので大人しくする

 まぁなんだ。今回だけは許してやろうじゃないか。倒れてる僕に声もかけてくれたわけだし……何より強い者には巻かれろって言うだろ?
「喜べ二号。お前は慎二フラグ一をたてたぞ」
 ようやく声も出せるようになってきた。だけど歩けるようになるまで、暫くはかかりそうだ。そこで二号に慎二フラグ二を立てる栄誉を与えようじゃないか。「大丈夫そう。それじゃ」
「嬉しいか。そうだろうそうだろう。この僕に好意をむけてもらえるんだからねっ……てあれ?どこに行くんだよっ! 待てよぅ」
 既に周りには誰も居ない。歩いて去っていった一号の姿すら見えない。マズイ、ここで置いて行かれたら確実にBad Endだ!
「待てって、待って下さいって言ってるじゃないですか――――っ!」
 はぅ……どうしよう。止まった筈の汗が再び流れ出しちゃった。
 クソクソクソクソクソっ! 普通異世界に飛んだりしたら、そいつには特別な能力があるとか、めちゃくちゃ強いとか主人公補正があるだろ!
 それでカッコ良くモンスターを退治したりするんじゃないの? 女の子にモテモテじゃないの? なのに、この様? 女の子に金玉蹴り上げられてうずくまってるって……
 所詮僕は脇役ってことですか、神様?否!否、否、否、否、断じて否っ! そんな事は認めない。きっと僕には隠された力があるんだ。それがまだ発現してないたけなんだっ!――――せめてそう思わせてくれよ。心が折れそうなんだよぅ……
 ふぅ、ようやく痛みが治まってきた。絶対に復讐してやるからなっ、そのうちに!
 さてどうしようか。とりあえず皆が飛んでった方へ行ってみるか……
―――――――――――――――――――
「――うへぇ」
 ようやく僕を召喚した責任者に追い付いたら、いきなり掃除ですか、そうですか……
 聞いた話によると、この惨状は一号のせいらしい。なにやら魔術の失敗との事。どうやったら魔術の失敗でこんな風になるっていうんだよっ、全く。
 とはいえ、失敗した魔術でこれ程の破壊力をだすなんてなかなかやるじゃないか。復讐するのは止めてやるよっ、畜生!

670 名前: ゼロの慎二 [sage] 投稿日: 2007/10/04(木) 19:16:21

「ほらっ、ぼけっとしてないで手を動かしなさいよ」
 げしげしっと僕の尻を蹴る一号。そして一号が怖くて逆らえない僕。なんだか僕のキャラ壊れてない? 僕って運動神経も良いし、顔も良い。お坊ちゃんで少し高慢だけど根は良い奴だよね? これじゃ単なるヘタレじゃないかっ!
 自分のアイデンティティの危機を憂いながらも、手を休めたりはしない。なのにたまに蹴られるのは何故だろうか。
「一号はツン期だから我慢。一号はツン期だから我慢」
 秘密の呪文を唱えていると、また蹴られた。
 そんなこんなでようやく片付け終わり、食事を採ることになった。なったんだけど――――何故僕だけこんな見窄らしい食事なんだ?
 目の前にあるのはパンが一つと、殆ど具の無いスープだけ。これでも僕は食にはうるさいんだ。こんな事は許せる筈がない。周りには豪華な食事が並んでいるというのだから、馬鹿にしているとしか思えない。
「――――おい、ふざけるなよ……」
「ふざけてなんかいないわよ。本来ならあんたは、ここに入ることすら許されない。だけど流石に可哀想だからっていう私の慈悲で入れてあげたの。その食事に文句があるなら、あんたに食べさせる物は無いわ。さっさと出て行きなさい」
 それは有無を言わせない絶対のもの。語気からそれが感じられた。ここで反論でもしようものなら、僕は見知らぬ地で食を得る術を無くすことになってしまう。

怒:それでもこれは許せない。この慎二容赦はせんっ!

耐:食事にありつけるだけマシだ。ここは我慢する。

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最終更新:2007年10月22日 19:19