368 :とても気持のいいFate ◆edf0CCxP0Q :2007/11/08(木) 00:04:32


リ:脚を揉みほぐす。

 イリヤはうつ伏せに寝転んでいる。白い肢体に白い髪を、紫のビキニが彩りを添える。そんな愛らしい妹の姿に目を細めて、俺はマッサージを開始した。

 オイルが程よく暖まった事を確認して、それを脚に垂らしていく。太腿、膝の裏、ふくらはぎから土踏まずへ。その感触にイリヤは少しびっくりしたようだけど、直ぐに慣れてくれたようだ。

 アロマオイルを手の平に重ねて、滑らかに撫でて広げていく。まずは満遍なく、馴染むように、安らぐように。何よりもリラックスできる事を優先して、イリヤの身体に没頭した。

「シロウ、気持ちいいよ」
「そうか、良かった。じっくり揉みほぐしてやるから、イリヤ、眠くなったら寝てもいいぞ」
「うん。ありがと」

 頷いて、早速とろんと蕩けるイリヤの顔をちらりと楽しんでから、俺はマッサージを再開した。

 アロマオイルが馴染んできたら、血行を整える事を第一とする。リンパ腺をなぞり、固くなった筋肉をほぐし、溜まっていた老廃物を流していく。爪先から太腿の付け根まで。心臓に遠い方から近い方へ。途中、所々にあるツボを戯れに刺激しつつ、疲れた肉体を蘇らせるのだ。

 皮下脂肪の下にある筋肉の構造、その奥にある骨の存在を意識していれば、それなりに揉むのは難しくない。あとは太い血管とリンパ管の位置さえ分かっていれば、ツボの在り処も自然に分かる。あとはそれらを極めるだけ。だけどここからが難しい。より上手に、より心地よく、より深いところまで届くように。そういう欲が出てくると、もっと喜んでほしいなんて考えてしまうと、道程は途端に険しくなった。

 主に桜や遠坂相手に磨いた技術を、イリヤの身体に注いでいく。この小さな身体に、この細い足に、どれだけ満足を刻めるだろうか。これはそういう勝負なんだ。

 うとうとしてきたイリヤの表情。やっぱり、マッサージの醍醐味はこういう時だ。なにせこれ以上ないほど雄弁に、俺の行為に満足してくれていると分かるのだから。

 大体一通りほぐし終わった後、今度はそれぞれの箇所ごとに攻略する。表面上の疲れだけでなく、身体の歪みまで直すように。イリヤという一人の人間の構造を、皮膚を通して組みなおす為に。

 土踏まずのツボを指圧すると、イリヤがビクッと顔をあげた。振り向いた顔は驚きに彩られている。だけど痛気持ちいい以上の刺激はないと分かったのか、俺の事を信頼してくれたのか、にっこり微笑んで再び微睡みの中に帰っていった。さて、それではその期待に応えると致しますか。

 小さな、本当に小さな足の裏。だけどこの小さな世界の中に、無数のツボが隠れているんだ。探せば探すほど溢れてくる。ツボとは本来そういうものだ。主立ったものは決まっていても、細かいものを挙げればきりがない。

 指の先を沈ませるように、数秒押さえて数秒離す。それを何度も繰り返しつつ、少しずつ場所を変えていく。時に周囲を揉みこんで、細かい部分は先を丸くした竹ひごで軽く刺激する。足だけでなく全身を、体表だけでなく内臓まで、じっくり時間をかけて調整してみた。普段よりひときわ丁寧に手掛けたからだろうか。俺自身満足できる仕上がりになる頃には、イリヤの足は本当に柔らかくほぐれていた。

369 :とても気持のいいFate ◆edf0CCxP0Q :2007/11/08(木) 00:05:27


 そうして、踝から脹ら脛を経由して、いよいよ太腿に達した頃には、イリヤは半分以上夢の中だった。

 そんなに気持が良かったのだろうか。静かに上下する妹の身体。幸せそうな呼吸が聞こえてくる。安心しきったイリヤの姿を眺めていると、ふと、悪戯心が鎌首をもたげた。だってほら、紫の水着一枚隔てた向こうに、まるいお尻が自己主張していたんだから。

 別にひどい事をする気はない。ただちょっと、いや、とても気持ちいい事をしてあげるだけだ。そう、俺のマッサージとその他諸々のテクニックを総動員して、キモチヨクしてあげようと。

 おもむろに太腿に手を置いて、何食わぬ顔で丁寧に揉む。ツボを押してリンパ腺をなぞり、今までと同じようにすすめる合間、さりげなく足の付け根を、太腿の内側を攻略していった。不自然でないように愛撫をして、感度を少しずつ高めてやる。丁寧に丁寧すぎるほど時間をかけて、いぶかしまれないよう注意を払って。

 そして、いよいよその時はきた。さりげなく、だけど胸の内では興奮の嵐を押さえながら、イリヤの一番大切な場所を、鋭く強く刺激した。

「ひゃんっ!」

 可愛らしい悲鳴が聞こえてきた。成功だ。ここまで鮮やかにいくとは思わなかったけど。

「ん? どうしたイリヤ?」

 痛かったか、なんてポーカーフェイスで白々しく首を傾げてみる。何でもないと答えるイリヤにそうかと頷いて、さも当然のように太腿の付け根をマッサージする。我ながらまるで悪人のようだ。いや、そんな事はない。可愛い妹をより気持ちよくさせてやろうと試みるのは、立派に正義の味方の範疇じゃないか。たぶん。

「本当にどうしたんだイリヤ。痛かったらちゃんと言ってくれよ?」
「……んっ、いたくはっ、あんっ! 痛くはないんだけどっ、ぁう」

 今まで愛撫を繰り返した為だろう。イリヤの感度は面白いほど高い。太腿を揉んでも、お尻を軽く掠めても、白い背中が耐えきれずに跳ねる。眠気はとっくに飛んだようだ。目の前で震えるお尻に齧り付きたくなるのを我慢しながら、何も知らないお兄ちゃんの仮面をかぶり続けた。

「シロウっ、もうちょっと、ああぁ、やさしくぅ!」
「こうか?」
「———きゃぅっ!」

 ひときわ大きく仰け反るイリヤ。歯を食いしばり、真っ赤に上気した顔で羞恥を飲み込む。そんな、快感に耐え続ける彼女の努力を嘲笑うかのように、俺はお尻に手を伸ばした。

「なっ!? シロウ!? なんでっ、あんっ。やだっ、なんでそんなとこっ」
「なんでって、脚をマッサージしたのに腰をしないでどうするんだ。身体の体重を支える大事な部分だぞ、この辺りは」

 屁理屈をこねつつお尻をこねる。だけど決定打は与えないように。決してイリヤをいかせないように。理性と快楽の狭間でもがくイリヤが可愛すぎたから、ずっと見ていたくなったのだ。

 それはきっと残酷な責め苦だ。さっきより大胆に指を腕を反復させ、快感の渦に溺れさせ、それなのに後一歩のところで休ませる。この無限地獄から抜けだす道は二つだけ。俺が折れるか、イリヤが卑猥な言葉でねだるかだ。さすがに愛しの妹に直接的な表現で迫られたら、兄として聞き届けないわけにはいかないから。

 そう、板挟みに苦しむイリヤがあまりに魅力的だったからこそ、俺は。
ロ:優しく焦らす。
リ:意地悪していかせる。
姉:ここは俺のおっぱいでご奉仕しないと。

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最終更新:2007年11月15日 14:29