592 :とても気持のいいFate(二周目) ◆edf0CCxP0Q :2007/11/16(金) 23:31:32
なんかもう、タイトルを「とても砂を吐きたいFate」に変えてもいいですか、な気分な今日この頃。
選:ドレスを着せたまま押し倒す。
仮眠室に入ってドアを閉めて、抱いていたルヴィアをベッドに投げた。きゃっ、なんて可愛い悲鳴が聞こえたけど、楽しそうだったから良しとする。もう一秒だって待てやしない。とにかくルヴィアが欲しいんだ。乱雑に靴を脱いでベッドに上がって、蒼い姫君に覆いかぶさる。
「シェロのケダモノ」
「目、笑ってるぞルヴィア」
笑い合って抱き締め合った。もう、何もかもが楽しすぎて。俺がルヴィアを求めているのが嬉しかったし、ルヴィアが俺を求めてくれているのが嬉しかった。これから始まる夢の様な一時にワクワクして、俺達は子供のように笑い合う。
「靴、脱がして下さいな」
「ああ、そうだな」
お嬢様に奉仕するのは執事の義務だ。いや、むしろ特権というべきだろう。ルヴィアが誰かを頼る事自体が希少なんだ。そのほとんどを独占できる、彼女の意外な一面を満喫できる素晴らしさ。これを役得といわずになんといおう。
「……シェロ、まずはキスして下さいませ」
もちろんと頷いて口付けた。はじめは軽く触れるだけ。甘く切ない子供のキス。舌も入れず、唾液も交換しないそれだけの行為。それなのに背中に電気が走った。数えきれないほど味わったはずの柔らかい唇、その味を忘れていたわけでもないというのに。
焦らされていたからだ、きっと。飢えていたのだろう、ルヴィアに。溺れているのだろう、出会った頃から。俺に組み敷かれたままキスに震えている可憐な少女が、希代の魔女だと知っていたつもりではあったけど———。
「まいったな。俺、ルヴィアが好きだ」
「ええ、私も。愛してますわ、ミスタ・エミヤ」
お互いに微笑みながら告白した。もう何度も繰り返したやり取りだけど、それでも新鮮さは色褪せない。いくら重ねてもいいことだ。終わらぬ恋だと実感できるから。ルヴィアが泣きそうな顔で微笑むから。
「キスをしようか」
「キスをしましょう」
啄むように、戯れながら。分け入るように、奥の奥まで。ルヴィアを抑えて逃がさない。ルヴィアに抱き締められて逃げられない。脚をからめて温もりを交わし、服越しの肢体を密着させる。瞳を閉じて、密に誘われる蜂のように、ルヴィアの口の中に沈みこんだ。
歯列をなめる。舌をしゃぶる。唾液を流してルヴィアを酔わせる。奥まで蹂躙して翻弄した後、舌先を迎え入れて口腔で愛でた。顎を大きく動かして激しく愛し、唇だけでたっぷり焦らす。歯の一本一本を心行くまで味わってから、彼女の唾液を優しく啜った。必死になって俺の動きにあわせようとしてくれるルヴィアの舌を、よしよしと撫でてあげるのも忘れない。その後、甘噛みして困らせたのはちょっとした悪戯心だったけど。
「——————っん、シェロ……」
息を吐く。とろんと快楽に濡れたルヴィアの瞳。髪は乱れてベッドの上に広がっている。吐息が甘い。体温が熱い。金色の蒼薔薇を愛でる為に、紅がさした頬に頬擦りする。
「愛してますわ。世界で誰より」
「愛してるよ、ルヴィアゼリッタ。心の底から」
手と手を合わせて握り合った。細い指と華奢な手の平。少しだけ低い体温が女性を感じさせてくれるから、もっとルヴィアが欲しくなった。
593 :とても気持のいいFate(二周目) ◆edf0CCxP0Q :2007/11/16(金) 23:33:07
「ドレス、皺になっちゃいますわ」
今さらの様な気もするけど、蕩けた瞳でルヴィアがいう。いつもならその言葉に従ったはずだ。高い服だからというだけの理由じゃない。俺自身ルヴィアの裸をみたかったし、恥ずかしがる表情も最高だ。お互いに昂るというのもある。生まれたままの肌と肌を交えるならば、一つに溶けあう幻想に酔えるから。
だからこそ、普段はルヴィアの反応を楽しみつつ、ムードを高めながら脱がせるのが常なのだけど。
「かまわないさ」
「え?」
「脱がせないって言ったんだ。今日はこのまま、ドレスのままのルヴィアを愛してみたい」
「シェロ?」
今日は、何故か脱がせる気がしなかった。
「皺になってしまうならそれもいいさ。こんなドレス、もうどこへも来ていくことのないように」
唖然とするルヴィアの胸元に吸い付いて、キスマークを付けてから呟いた。
「……お嫌でしたか? このドレス」
「まさか。似合いすぎててクラクラする。いや、だからこそこれは嫌いかな。こんなに可愛くて綺麗なドレス、こんなに大胆に開いた胸元、他の男に見せたらと考えるだけでゾッとする」
「シェロッ、強っ———!」
右の乳房を服ごと掴み、痛がるのも構わず力を込めた。柔らかい果実に指が沈む。これが他人の手に渡るかもと想像すると、視線に晒されると考えただけで、苦い感情が胸に溜まった。嫉妬という名の暗い情熱にうかされたまま、胸をはだけさせて乳首を抓る。
「痛っ! やめて下さいませッ! んっ!」
口を大きく開けてかぶりつく。吸い付き、肉に歯を立ててルヴィアを苛める。痛みに喘ぐ美声がBGMだ。この声を知るのは俺だけでありたい。キスで興奮していたのだろう、とっくに固くなった乳首を舌で転がしながら、そんな独占欲に埋もれていた。
「……と、悪い。苛めすぎちゃったな」
見れば、うっすらと歯形が残っていた。血こそ滲んでいなかったけど、元々が白いだけに痛々しく栄えてしまっている。まだ痛んでいるだろうか。舐めれば少しは和らぐだろうか?
「嬉しい……」
「ルヴィア?」
「だってあのシェロですのよ? 唐変木の見本の様な、女心なんてちっとも分かってくれない酷いあなたが、私に嫉妬を見せてくれる日が来ようなんて。ねえ、シェロ。私がどれだけ喜んでるか、あなた想像つきまして?」
ルヴィアが俺の頭を抱き締めた。その声は本当に嬉しそうで、胸に宿る苦い想いが消えていく。
「安心なさいませ。もとより、これはあなたの為だけに仕立てたドレス。あなた以外の殿方に見せるつもりなどありませんし、そもそも私の全てはシェロのものですのよ?」
だから自信をお持ちなさい、と聖女のように微笑むルヴィア。本当に、なんて素晴らしい女性なんだろう。可愛くて、強くて、可憐で、綺麗で。とどめなく溢れてくる感情に逆らう気もおきず、俺はルヴィアの唇を再び奪った。
「っん———。シェロぉ」
優しく。どこまでも優しく。果てなきほど優しく舌をからめる。ロマンチックなダンスを踊るように、ゆっくり静かに、しびれるほど熱く。ルヴィアの動きをエスコートして、彼女が満足できることに専念した。
時間をかけて蕩け合う。攻めるだけでなく時に引き、口だけじゃなく体全体の動きを意識して。両手で胸や首筋を愛撫しつつ、やりすぎて気を散らせることのないように。
「愛してるよ、ルヴィア」
「ふぁぁあっ……っ!」
耳元で囁くと軽く達した。それでも俺は休ませない。頬を舐めて鎖骨をなぞり、快楽に弄ばれてる吐息を唇ごと吸い込む。優しさだけで虐めるように。愛情をもっと伝えたいから。唾液を啜ると背中が仰け反り、乳首に触れるともう一度達した。
息も絶え絶えなルヴィアを愛でる。目尻に溜まった涙を吸い取ってから、頬を撫でて好きだよと伝えた。ルヴィアの瞳は愛と悦びと切なさに濡れて、そして少しだけ恨めしげに光っている。そんな彼女が可愛すぎて、最後にそっと、触れるか触れないかのキスをした。
594 :とても気持のいいFate(二周目) ◆edf0CCxP0Q :2007/11/16(金) 23:34:07
「ずるいひと」
こつんと、額をあわせて呟かれた。
「きっと私は一生、シェロに適うことはないのでしょうね」
「ばかだな。それは俺の台詞だぞ」
お互いに相手に惚れぬいてるのか。クスクスと笑いながら瑣末ごとを言い合う。だけどこんな時間さえ貴重に思えて、愛しさがつのるから末期なんだろう。もっとも、ルヴィアから解放されたいなんて考えたことすらないけれど。
「今日はこのままで楽しみましょう。私も、そういう気分になりましたの。ですけど———」
新妻のように甲斐甲斐しく、胸元に手を伸ばしてくるルヴィアゼリッタ。
「あなたは、せめてタイぐらい外しなさいな」
最終更新:2007年11月17日 09:02