620 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM :2007/11/17(土) 21:51:41
連投失礼しますo( _ _ )o
——Interlude
——石の記憶——
第一頌 神々の夜想曲
伝説は、こうはじまる。
すべての起こりは「石」だったのだ、と。
遠い遠いむかし、
おおきな美しき生ける石は
七色の輝きにて闇をはらい、
世界を生命でみたし、
偉大なる神々を生んだ。
光に包まれた幸福な時代がつづき、
やがて神々は眠りについた……。
世界の名は、ヴァナ・ディール。
第二頌 遠い約束
ああ、しかしいつしか
おおいなる災いが満ちる。
祝福されしヴァナ・ディールの地に。
何万年の長きにわたり
暗黒を退けていた古の封印がやぶられ、
終わりなき悪夢たちが、いま目覚める。
闇に覆われた悲劇の時代が幕を開けた。
しかし神々の眠りは醒めない……。
世界の名は、ヴァナ・ディール。
621 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM :2007/11/17(土) 21:52:40
第三頌 石の記憶
いま、罪なき血が流れる。
ヴァナ・ディールの大地に、
全世界が戦慄する。
全世界が戦慄する災禍がため、絶望に呑まれ。
防げはしない、■■■■■■
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第四頌 暗雲の黎明
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第五頌 ■■■■
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——Interlude out.
622 :ファイナル ファンタズム ◆6/PgkFs4qM :2007/11/17(土) 21:53:54
第一章「闇の王」
————月が全てのカタチを成し終えた頃。
「————来たか」
「……はじめまして、衛宮士郎と申します」
「ウィンダスで族長をしているペリィ・ヴァシャイだ。お前とあたしを引き合わせてくれた風に感謝を……」
数人のミスラの只中、目を堅く瞑った初老のミスラが腰掛けていた。彼女から発せられる印象はひたすらに静かで、ぴんと伸ばした美しい姿勢がそれを象徴している。ふと、それが元の世界に残してきた少女の姿と重なった。
「ペリィ・ヴァシャイ族長、既にお話した通りです。この者を狩人として鍛えていただけないでしょうか?」
「あたしに拒む理由なぞない。だがセミ・ラフィーナ。狩人とは自然に認められた者だけが名乗ることを許されるんだ。エミヤシロウ? たくさんの土を踏み、たくさんの雨を飲み、たくさんの屍を越えてたくさんの朝日を見たか? 大地と空に認められねば、『自然』に受け入れられたとは言えぬ……」
「…………」
「お前を強くするのはあたしじゃない。……自然の理にその身を委ねる気があるのなら、牙の王へ会いに行くがいい。そして、その牙を手に入れるのだ。自然の声を聴き、自然の時を待て。『自然』に受け入れられねば、牙なき我らに『狩り』は許されぬ」
牙の王……。
軽く混乱する俺を見かね、傍にいたミスラが補足する様に説明してくれた。
「牙の王とは、タイガーのこと。足が速くて、恐ろしく強い獣です。その牙はとても軽く硬く、私達の鏃作りには欠かせないものです。……彼らは古くから野に暮らしており、狩人を志すミスラは彼らから多くのことを学びました」
タイガー……。直訳すれば、虎……。
確かに野に放たれた獣を狩るのが狩人というもの。所詮は部活レベルの技術しかない俺に、あの猛獣である虎を狩れというのか? 初めての狩りにしては少々大きな獲物だった。
「1人で行くんだ、エミヤ。君が1人でやり遂げなければ意味がない」
「無茶を言う。……だが、わかった。やってみるさ」
「よく考えるんだ。多くの助言を授ける訳にはいかないが……だが牙の王と対峙した際、誤った行動を踏めば死ぬぞ」
とうに聖骸布が取られた手で拳を作る。
——覚悟はできた。道も開けている。後は突っ走るのみ。
「よっし、それじゃあ行って来る!」
準備を整え、道を塞ぐ獣人を蹴散らし、教えられた野原へと向えば…………一匹の老いた黒虎に出会った。
最終更新:2008年01月17日 19:45