翔平「そーいやここって生活できてんのか?」
伝氏「なんでー?」
翔平「いや、この辺町も無いし食糧とか大丈夫なのかなと思ってさ」
志保「中庭と屋上で野菜を育てているんです、見に行きますか?」
竜「お、いいね、行こう」
彩香「案内するよ、こっち」
カチャ
デルタ「・・・行かないのか?」
クロ「あぁ・・・少し考え事をな」
デルタ「・・・?」
クロ「あの子・・・暗いよな」
デルタ「気づいたか?」
クロ「一見普通の子だが、笑い方がぎこちない気がする」
デルタ「気を使ってるんだ・・・あの歳にしてな」
クロ「どういうことだ?」
デルタ「後から聞いたんだが、父親は生まれてすぐ亡くなっていたらしい、それ以来母親に育てられたんだ」
デルタ「その母親が急に亡くなり、しかもボスの座にいきなりついて・・・あの子には負担がかかりすぎている」
クロ「まぁ・・・確かに」
デルタ「それでも俺らに心配かけないようにしてるんだ・・・体を壊さない内に辞めさせないととは思ってるんだけどな」
クロ「ふぅん・・・よくできた子供だな」
デルタ「生まれた瞬間から周りには大人しかいなかったし、母親にべったりくっついてたからかな」
クロ「なるほど・・・」
デルタ「ところでお前、凄腕料理人と聞いたが本当か?」
クロ「ま、決して否定はしないかな」
デルタ「俺もここでは給仕担当なんだ、ちょうど飯の時間だし・・・」
クロ「お、なら俺にも手伝わせて・・・」
デルタ「いや、むしろお前に評価してもらいたいんだ」
クロ「おぉ・・・」
デルタ「だから待っててくれ、お世辞じゃなくちゃんと見てほしいんだ」
クロ「分かった、ボロクソ言ってもキレるなよ?」
デルタ「もちろんだ、よろしく頼む」
カチャ
伝氏「あれ、ここにいたんだ」
クロ「ん?あぁ・・・」
伝氏「でかくなったなクロ」
クロ「やっぱ・・・デンなのか?」
伝氏「そう名乗ってたな・・・覚えててくれてうれしいよ」
クロ「俺がオックス島に来た時、俺とずっと一緒にいてくれたお前を忘れるわけないだろうが」
伝氏「いやー、1ヶ月もしないうちに俺はオックス島出ちゃったからさ」
クロ「あの後何してたんだよ・・・ずっと気にはなってたんだ」
伝氏「俺はオックス島で医者の学校通ってたんだけど、親の都合でイタリアの普通学校に転校したんだ」
伝氏「そこで出会ったのがデルタ、当時は転校生の俺に最初に話しかけるような活発で明るいやつだったよ」
クロ「へぇ、意外だな」
伝氏「あの事件まではな」
クロ「3年前って夏希が言ってたやつか」
伝氏「あぁ、昔は敵の懐に入り込んで強烈な一撃をかますのがあいつの戦法だったんだ」
伝氏「たまたまストリートファイトで心臓に入っちゃってな・・・あいつは人を殺しちまったんだ」
クロ「ただのパンチで?」
伝氏「そうさ、それだけ近距離でパンチ放ってたんだろう」
クロ「そりゃすごいな・・・」
伝氏「不慮の事故だって言ってもあいつ聞く耳持たなくてさ、まぁ二人で逃げたんだわ」
クロ「マジかよ・・・なんでそこまで・・・」
伝氏「ダチだからな・・・いくら暗くなってもあいつを見捨てることなんて俺にはできなかった」
クロ「・・・お前らしいな、俺もその優しさで助けられた」
伝氏「ハハハ、そんで野宿生活だった俺らを拾ってくれたのが先代のボスでお嬢の母親の茅野マサってわけよ」
クロ「なるほどな・・・あの女は?」
伝氏「俺らと一緒、ボスが拾ったんだ」
クロ「世話好きなんだな」
伝氏「あぁ、だからあの人に付いてくる人がたくさんいるんだよ・・・」
屋上
翔平「すっげー‼‼」
竜「家庭菜園のレベルじゃないな、もはや農家の領域だぞ」
志保「はい、今はにんじんときゃべつと・・・」
彩香「あ、今日水あげた?」
志保「・・・まだですね、水汲んできます」
竜「なら手伝おうか?」
志保「いえ、大丈夫です、そこのホースのスイッチ入れてくるだけなので」
彩香「じゃーよろしく姫っち、あのホースで全体に水撒くのは圧巻だよ」
翔平「楽しみー‼‼」
パリンッ‼‼‼‼‼‼‼‼‼
竜「ガラスが割れた音‼‼‼?」
翔平「何事だ‼‼?」
彩香「・・・まさか姫っち‼‼‼‼」
翔平「降りるぞ‼‼‼‼」
二階廊下
志保「う・・・」
クロ「テメェ何してる‼‼‼‼」
?「やっべ」
伝氏「待てオラ‼‼‼‼」
ダッ
翔平「何事だ‼‼‼‼?」
クロ「分からん、俺はデンとあいつを追うから後頼んだぞ‼‼」
ダッ
彩香「姫っち‼‼‼‼」
デルタ「どうした‼‼‼‼」
竜「おたくの姫君がやられた、状況は不明だ」
デルタ「デンは‼‼‼‼?」
翔平「クロより先に知らないやつを追いかけて行ったよ」
デルタ「ち・・・」
彩香「デルタ、私どうすれば・・・」
デルタ「とりあえず姫を医務室へ」
竜「まだこの館内に敵がいるかもしれないから俺も同行する、行くぞ」
彩香「うん、ありがと」
デルタ「一応館内を回ってくる」
翔平「俺も行くよ」
10分後、応接室
クロ「すまない、見失った」
デルタ「デン、お前医者なんだから真っ先に追いかけたらまずいだろ」
伝氏「すまんすまん、ついな」
彩香「姫っち大丈夫だったの?」
伝氏「頭を殴られてガラスに突っ込んだんだろう、打ち所がよかったから軽傷だよ」
竜「んで、今は?」
伝氏「ショックで意識無いだけ、すぐ起きると思うよ」
翔平「なんだったんだよ今の」
クロ「館内に何者かが侵入していたのは分かっていた、一歩間に合わなかった、すまん」
デルタ「そもそも何で姫を一人にしたんだ」
彩香「屋上の放水の電源を入れに行ってもらったの、姫っちが行きたいって言うから・・・」
伝氏「まぁまぁ、今言っても仕方ない、普通館内に不審者がいると何て思わないだろ」
デルタ「それはそうだが・・・」
カチャ
志保「ハァ・・・ハァ・・・大丈夫ですか皆さん‼‼‼‼」
クロ「あ・・・あぁ、ピンピンしてるけど」
竜「どうした?」
志保「いや・・・えっと・・・敵襲・・・」
彩香「そんなに綺麗に包帯巻いてあって医務室で寝てたんだから大丈夫に決まってるじゃん♪」
志保「あ・・・・・・そうですよね」
デルタ「姫、傷を抉る話になるかもしれませんが、先ほどの件について覚えていることを教えていただけますか?」
志保「あの・・・あまりよく覚えてないんですけど・・・」
伝氏「頭を殴られてたみたいだからな、ゆっくりでいいから話せるとこ話してもらえる?」
志保「はい・・・」
最終更新:2013年12月13日 10:57