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312話「条件」

翌日、BLOOD本部屋上


翔平「もう帰っちゃうのかよラティ‼︎‼︎‼︎」

ラティ「まだ寝てろよ、虎将と豹真の反動でボロボロなんだろ?」

大雅「おうお前か、さっき仲間たちが探してたぜ」

翔平「大雅もか、デン呼ばなくていいの?」

大雅「目覚ました途端に医者は忙しいだろうしな」

翔平「なんで帰っちゃうんだよー」

ラティ「俺も大雅ももうすぐ子供生まれんだよ」

翔平「ま、マジ‼︎‼︎‼︎?」

大雅「あぁ、会議はアークが出てくれるしな」

翔平「だから陽菜いなかったんだな、なるほどねー」

ラティ「まぁね、そんなとこ・・・さて行くか」

翔平「次いつ会えるか分かんねーけど、元気でな」

ラティ「おう、仲間大事にしろよ」





海岸


翔平「わり、ラティんとこ行ってたわ」

クロ「これで来れるやつは全員か」

坂城「じゃあ話してもいいか?」

紫竜「ああ、待たせたな」

坂城「お前らは1ヶ月以内にここを出て、新しい海軍の暗躍部隊になってもらう」

坂城「以後基本的には新国連の敷地への出入りは禁止、詳しくはこの書類に」

エミ「監禁とかじゃないのね」

エレン「下手すりゃ死ぬかと思ってたぜ」

坂城「シンがどうしてもってな、ただ9代目幹部から条件がいくつか来てる」

クロ「これか、なるほどね」

シオン「なになに?」

クロ「その一、上野夏希、三森蒼太、伊達レナは残ること」

坂城「医者1人はうちで働いてもらう、残りは伊達蓮司への配慮だ」

蒼太「え、でも・・・」

翔平「・・・人質みてーじゃねえか」

蒼太「いや、そうじゃなくて・・・」

レナ「分かるよ、私らだけ残るのはね・・・」

クロ「俺らはこいつらに従うしかねえんだ、黙って聞いてろ」

坂城「まぁそうピリピリするなよ」

クロ「・・・俺はもう一つが理解に苦しむね、レナと竜で子供作れだと?」

竜「・・・」

レナ「ちょ・・・」

坂城「お前らは強いって理由でシンはお前らを生かすことを通したんだ」

坂城「伊達蓮司と赤岡竜の遺伝子を残すのは当然という意見だ」

坂城「モラル的に子を作れなんてどうかしてるとは思うが、向こうも譲らなくてな」

翔平「ふざけんな‼︎」

竜「まぁ待てよ」

クロ「待てねえだろ」

竜「俺は別に構わねえよ、それで俺らが生き残れるならな」

エレン「まじかよ・・・だってお前・・・」

竜「俺の中で大事なことの優先順位が変わったんだよ」

翔平「どういうことだ?」

竜「華への償いより、今はお前らとの航海の方が大事なんだよ」

竜「もちろんレナが嫌なら他にいくらでも手段はあるけどな」

坂城「ほう、言うねえ」

レナ「・・・いいよ」

エミ「いいの?」

レナ「うん、それでみんなを守れるなら喜んで」

翔平「なんかそれは嫌だなぁ、犠牲になるみたいじゃんかよ」

レナ「・・・犠牲じゃないよ、竜だから良いって言ってんの‼︎‼︎‼︎」

竜「バカなのかお前は・・・こんな大勢の前で何言ってんだ」

レナ「え、いや、別に・・・」

翔平「ハッハッハ、ならいいわ」

クロ「そういうことらしい、話を進めてくれ」

坂城「まぁ、とはいえ話はこんなもんだ、いいもの聞けたしこれで帰るよ」

レナ「ちょっと‼︎‼︎」

坂城「悪いが船で待機してくれ、2人には本部内に部屋を用意させるよ」





会議室


ジョニー「では機関、部隊長会議を始める、進行はBLOOD9代目幹部のジョニーだ」

ジョニー「今後BLOOD、桜組、N・B機関及びその傘下で国連に匹敵する組織、国際協定を運営していく」

蓮司「それは構わんが、各国からの許可は出るのか、俺らはほとんどが賞金首だぞ」

ナギ「今朝各国の首相とビデオ通話で会談をしました、いくつか条件はありますが、許可は出ましたよ」

赤羽「新しい組織はナギが仕切るんだね、心配」

ナギ「一応僕とシンくんと伊達さんは同等ですよ」

ジョニー「勝手に話を進めるな、謀反と脱獄の前科がある伊達と経験の足りない神崎では不向きだという判断だ」

ジョニー「BLOODは陸軍、N・B機関には空軍、桜組には海軍を率いてもらう」

ジョニー「基本的なシステムは前国連のシステムを受け継ぐことになる」

純「それじゃ修羅と同じことをするやつが出てくるんじゃねえのか?」

ジョニー「そのために元帥を作らねえんだ、独裁政治にならないだろう」

アーク「で、具体的な話しようぜ、お互い忙しいんだからよ」

ジョニー「そうだな、まずは現地の人々に受け入れてもらうことだ」

ナギ「許可は出ましたが、警戒されるのは明白ですからね」

ジョニー「あえて基地も固く作らないように指示してある、しばらくはそんな感じで」

デルタ「具体的には、俺らはそれぞれどこへ行くんだ?」

ジョニー「隊分けについては資料に入ってる、確認してくれ」

ジョニー「ちなみに隊員はそれぞれ班を従えて普段仕事をしてもらう」


陸軍


隊 隊長 班長 活動範囲(本拠地)
第1 神崎進也 若月刃、坂城瑠衣 ヨーロッパ(ロンドン)
第2 赤羽レン 日本(鶴岡)
第3 月光白兎 新田華凛 アジア(北京)
第4 光炎ユウ 鮫島隼人、ブロード・フレイ アフリカ(エジプト)

空軍


第1 鈴原ナギ 土屋リキ 東南アジア(マレーシア)
第2 ロベルト・アーク 緑川大雅、ラティ・セルディック 北アメリカ(NY)
第3 黒綱 百合、ロット 南アメリカ(ブラジル)

海軍


第1 伊達蓮司 松本楓 太平洋(ハワイ)
第2 藤野純 三嶋ヒロ、神楽夜一、杉野千鶴、岡野薫 中東(アンドロット島)
第3 茅野志保 アレクサンダー・デルタ、内海伝氏 太平洋(ニュージーランド)

志保「やっぱり私も・・・隊長ですか・・・」

蓮司「まぁ・・・そうなるよな」

ジョニー「これ以外だと、世界中で諜報活動をする部隊をいくつか設けるつもりだ」

ユウ「それがSEASとUS海賊団か」

ジョニー「理想としてはな、更に各機関の優秀な戦士を集めた部隊を作る話もある」

ジョニー「ちなみにその表はこちらで決めたものだ、班長はある程度変えてもらって構わん」

黒綱「ふぅん、彼らもまだ生きてるんだね」

ジョニー「ただし、一部を除いて世間的には彼らは死んだことになってる、他言無用だぞ」

月光「一部?」

ジョニー「伊達レナ、三森蒼太、上野夏希はここに残ってもらう」

ユウ「なるほどね、伊達蓮司はそれでいいのか?」

蓮司「何がだ?」

ユウ「実質妹と弟子が人質なんだぜ」

蓮司「まぁ妹が望んだならそれでいいさ、今更俺が動いて決意を揺るがすのも違うしな」

蓮司「弟子ももう俺が色々してやらなきゃいけねえほど子供じゃねえよ」

ナギ「なるほど」

ジョニー「それと、今後はBLOODなどの元々の組織名は使用を禁止する、無法者のイメージを消すためだ、いいな」

純「それでわざわざ隊だの班だのを作ったのな」

ジョニー「そうだ、それを踏まえたうえで明後日には全員それぞれの持ち場へ散ってもらう、こちらからの説明は以上だ」





会議後、中庭


ユウ「おいおいどこ行くんだよ」

フレイ「なぁシュキ、どこ向かってんだ?」

シュキ「・・・この中庭に、今回の戦争の死者を埋葬したんだ・・・一度くらい手を合わせたほうがいいとは思わねえか?」

ユウ「なるほどね・・・そりゃそうだ」

モック「だからスーツなんだね・・・あ、先客いるよ」

ジョニー「・・・なんだ・・・光炎組か」

ユウ「その名称、使用禁止だろ?」

ジョニー「そうだったな・・・陸軍第4部隊」

レイン「アイか、お前らの基地まで連れてくのか?」

ユウ「いや、あいつは俺らに迷惑かけたくねえってずっと言ってたからな・・・」

フレイ「あんたらは?」

レイン「9代目とウッズもここだよ・・・何だかんだ慣れ親しんだ土地だろうしな」

ジョニー「っち・・・」

ダッ


モック「なんか怒らせるようなこと言いましたかね・・・」

レイン「いやいや・・・意地っ張りもほどほどにしろっていつも言ってるんだけどな・・・人に涙見られるのはやっぱ許せねえんだろう」

ユウ「あいつ、あれで結構熱い人なんだな」

レイン「あぁ、そうだな・・・」

ザッ


ナギ「あら、どーも」

レイン「ようナギ・・・そんな体で動いてて平気なのか?」

ナギ「あまり平気ではないですよ、ただ光炎・・・じゃなくて、陸軍の方々よりは元気です、星川玲斗のおかげですけどね」

レイン「その話だが、その後何か進展はあったのか?」

リキ「いや、SADからは何も・・・あぁ、赤岡竜の件、感謝しているよ」

レイン「気にすんな、あいつの血は残すべきってのは同意見だしな・・・だが、お前が提案してくるとは思わなかったよ」

リキ「・・・自分でも驚いてるよ、ただ、彼には自由に生きてほしくてね」

ユウ「どっちかっていうと逆の結果になってる気がするけど?」

リキ「確かに、そう見えるかもしれないな・・・でも、これでいいんだ」

レイン「まぁどっちにしても礼なら坂城に言ってくれ、汚れ役を引き受けたのはあいつだ」

リキ「あぁ」

ナギ「・・・・・・セレナは・・・喜んでいるのでしょうか・・・」

リキ「ナギ、お前が揺らいでどうする」

ナギ「・・・彼はいつも僕のことを第一に考えてくれました、そんな彼が、今の僕を見てどう思うでしょう」

レイン「・・・嬉しいに決まってんだろ」

ナギ「え」

レイン「弟子が軍のトップになったんだぜ、世界を指揮する立場だ・・・これ以上光栄なことはねえよ」

ナギ「・・・ふふふ、あなたが言うと説得力が違いますね」

レイン「・・・ち、あくまでもあいつの気持ちだ、俺は別に・・・」

鮫島「あんま強がると、かえってみっともねえぞ」

レイン「テメェ・・・」

鮫島「遅れてすまない、検査が長引いてな」

疾風「まぁめちゃめちゃ混んでたからねぇ、どう見ても医者足りてねえんだよ」

志保「でも、私でひと段落だったみたいですよ」

レイン「志保、もういいのか?」

志保「はい・・・それよりも・・・早くセレナさんのところに来たくて・・・」

鮫島「そうだな・・・志保の予想、当たっちまったな」

レイン「二度と全員では集まれねえって話か・・・」

志保「すみません・・・余計なことを・・・」

ガシッ


レイン「堂々としてろ、お前はクイン・・・じゃなくて、空軍第3部隊の隊長だろ」

志保「まぁ・・・それはそうなんですけど・・・」

レイン「ただ、いつまでもお前はVセッテのリーダーだ、俺らはお前の部下なんだから、いつでも頼るんだぞ」

鮫島「そうだな・・・あのデカブツじゃその辺気が利かねえだろうし」

疾風「大差ないっしょ♪」

ナギ「話するなら移動しましょう、やや不謹慎ですよ」

ユウ「確かに」

レイン「それもそうだな・・・」





医師待機室


夏希「ハァ・・・ハァ・・・」

ケイ「お疲れ、ほい」

夏希「あ、ありがとうございます・・・」

伝氏「夏希ちゃんこっちからは外れなよ、重傷者のオペは大体済んでるし、そもそも内科医でしょ」

夏希「それはそうですけど、そういうわけには・・・」

ケイ「お前にしか任せられねえ患者もいるってことよ、BLOODの医療責任者が頼んできたんだから行ってこい」

夏希「は、はい・・・」

ダッ


ケイ「気持ちはわかるけどよ、嘘はよくねえんじゃねえか?」

伝氏「嘘言ったか?」

ケイ「まだ目を覚ましてない重傷者が何人かいる、俺らだけじゃ常駐できないのは確かだろ」

伝氏「そうだな、佐久間唯、新田華凛、ラルク、三嶋ヒロ、クレイド・ルース、天野ミナトってとこか・・・」

ケイ「同じかそれ以上の怪我でも復帰してるやつもいる、不思議なもんだよな」

伝氏「そうだな、玉森雪希とかラティ、光炎ユウ、あとは千鶴ちゃんとかね・・・こればっかりは何年医者やってても分かんねえわ」

ケイ「だいたい医者足りねえんだよ、さっさと一時的にでも近隣の国から援助出してもらえばいいものを」

伝氏「まぁまだ新参者だからな、警戒されてんだろ・・・」

ケイ「さて、夏希を行かせた分働きますかね」

伝氏「ハァ・・・しょーがねーな」





夏希「あ、えっと・・・お久しぶりです・・・」

雪希「あ・・・確か・・・USの・・・」

夏希「上野夏希・・・医者です、今日からあなたの専属になりました」

坂城「そういうことだ、まぁ一応俺らのうち誰かも一緒にいることになるけどな」

雪希「うん・・・ごめん」

坂城「そいつにいろいろ話してみろ、邪魔なら俺は外で待っててもいいし」

雪希「いや・・・でも・・・」

坂城「そいつもお前と同じくらいひどい境遇で生きてきてる、同年代だろうし俺らより話しやすいだろう」

雪希「・・・・・・あなたは・・・確か黒砂の・・・」

夏希「はい・・・黒砂に操られ、皆さんと戦いました」

雪希「・・・でも・・・私とあなたは違う‼‼‼‼」

坂城「おい雪希」

夏希「一度・・・最後まで聞いてみましょう」

雪希「だって・・・あなたは結局今なにも不自由なく暮らせてる・・・結局この基地に残るみたいだし、そうでしょ‼‼‼?」

夏希「・・・確かに・・・今のあなたに比べれば、私はかなり恵まれてるとは思います」

坂城「そうでもねえと聞いたぜ」

雪希「え・・・」

夏希「あの・・・」

坂城「一番古い記憶は戦う医者として裏社会をたらいまわしにされていたころ、そしてどこもすぐ使い捨てのコマにされてきた」

坂城「やっと信頼できる仲間に出会ったが、そもそもそいつらを殺すために生み出された存在だと知ることになり、心を操られてそいつらと戦うことに」

坂城「解放されたと思ったら敵の攻撃で死にかけ、力を失う、その後なんとか魔法とやらの力を手にしたんだってな・・・だいたい合ってるか?」

夏希「はい・・・」

雪希「・・・なんか・・・ごめん・・・」

夏希「気にしないでください、こんな私だからこそ、雪希ちゃんの力になれると思いますし」

雪希「・・・うん・・・・・・ありがとう・・・」

坂城「ふぅ・・・」

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最終更新:2017年02月12日 00:23