※ここには漫画『ONE PIECE』の最新話の内容を含むネタバレ考察が書かれています。ネタバレが嫌いな方はここより下の内容を読まないでください。
前回の「【ワンピース ネタバレ考察】最新1107話考察 黒ひげの狙いが「世界」なのは予想通り 善悪逆転【ONE PIECE SPOILER】2024年2月20日」で、『黒ひげは「ロジャーの夢のネガ」、ルフィは「ロジャーの夢のポジ」』と書きました。
これは黒ひげが見開きで「人の夢は終わらない」と叫んだ時から明示されてきました。
ロジャーの夢は「この世界をひっくり返すこと」で、私はこれを「現実の歴史に戻す。世界を正常化する」という意味だと考えています。
つまり、今の世界は「逆転した世界」なのです。
今の世界は「夢」を具現化した世界であり、夢には光と影、白と黒、陰と陽が存在します。
歴史の両面性を簡潔に表現したのが、アインシュタインや大村益次郎をモチーフにしたベガパンクです。
読者は自然に、「黒ひげ=黒、ルフィニカ=白」というイメージを持ちます。
しかしこの世界は「逆転した世界」です。
白と黒も逆転しているのです。
黒の黒ひげは、実は現実の歴史の「白人/武力支配者/弾圧」の象徴です。
白のルフィニカは、実は現実の歴史の「黒人/奴隷/自由」の象徴です。
すでに書いたように、ルフィニカはアフリカとアメリカを表現する存在。
アフ「リカ」の「リ」を90°回転させて「ニカ」にした。
これがニカの語源のひとつだと、私は考えています。
黒ひげ海賊団のクルーは「白人や武力支配者による侵略・弾圧・民族浄化・人種差別」を象徴する者達。
たとえば黒ひげ海賊団の巨大戦艦サンファン・ウルフは、1967年6月24日の「サン・フアンの虐殺 San Juan Massacre」が名前の由来だと考えられます。
当時のボリビアは反政府運動が高まり、カタビ鉱山の労働者がチェ・ゲバラに協力する動きを見せたことから、レネ・バリエントス大統領の命令により政府軍がシグロ・ベインテ鉱区を明け方に急襲して87名を殺害した事件。
チェ・ゲバラ自身もボリビアで捕まり、1967年10月9日に処刑されています。
チェ・ゲバラはキューバ革命やボリビア革命を起こした革命家で、いわば「小さな大日本帝国」とも言える存在です。
したがって、日本を象徴するキャラクターであるルフィの設定にも関わっていると考えられます。
『ONE PIECE』でもチェ・ゲバラをモデルにした「ガブル隊長」をカリブーの扉絵連載で登場させています。
この扉絵連載で、カリブーと革命との関わりが示唆されています。
つまりサンファン・ウルフとカリブーとが意味づけられているわけです。
ルフィはデービーバックファイトでアフロになりましたが、アフロは実は「アフリカの」という意味です。
アフロもニカもその踊りもアフリカや黒人をイメージさせており、つまり「白いルフィ」は黒人や被差別者の願いを表現しているキャラクターなのです。
そして、ルフィとニカは日本神話につながります。
日本神話の冒頭で、男女神のイザナギとイザナミが下界に降り立った時、国はできたばかりで浮く脂のように、クラゲのように漂っていました。
ニカは世界をこの原初の混沌状態に戻し、次の世界を生む準備をするのではないでしょうか。
現在、巨兵海賊団の巨人たちがニカを迎えに来ていますが、それはニカを単純に助けに来たのか、それとも「ニカを生贄(イケニエ)にするために”奪り”に来た」のか、まだ分かりません。
イケニエって「ニケ」「イエ」って言葉が入ってますよね。
「ニケ」も「ニカ」どちらも「2個」を意味する言葉に変換できます。
(2ケと二箇)