王績
585-644
隋末唐初の隠士・詩人。絳州・竜門(河北省竜関県)の人。字は無功。号は東皋子。隋の儒者文中子(
王通)の弟。隋の大業(605-617)年間に孝悌廉潔の科目で科挙に及第し、秘書正字を授けられたが、朝廷にいるのをきらい、地方の県の丞となった。隋末の乱を幸いとばかりに故郷に帰り、酒と老荘の書を友として隠逸の生活を楽しんだ。唐の武徳(618-627)年間に門下省に待詔となり、日に3升の酒を与えられたが、貞観(627-649)の初め、辞して、みずから求めて酒作りの上手な大楽署史焦革の家の丞となるなど、一生酒を友として隠者の生活を楽しんだ。歴史的には重要な役割をはたした人ではないが、酒と隠逸の志と奇行をもって有名である。みずから死期を知り墓誌を自作して死んだと伝えられる。『酔郷記』『五斗先生伝』『無心子伝』などの著書がある。『隋書』も撰したが完成しなかった。『旧唐書』『新唐書』に伝がある。
列伝
参考文献
『アジア歴史事典』2(平凡社,1959)
外部リンク
最終更新:2023年08月03日 22:14