那提 なだい
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北インドの入唐僧。布如烏伐那・福生。若くして出家し、諸国を遊歴して大夏に至り、さらに執師子(スリランカ)・南海諸国を経て、655年(永徽6)大小乗の経律論1500余部を携え、長安に達した。勅命により
大慈恩寺に住したが、
玄奘の訳場が盛んに行われて注目されず、翌656年(顕慶元)崑崙諸国へ異薬を求めさせられる始末であった。663年(竜朔3)大慈恩寺に戻ったが、もたらした梵経『阿叱那智経』など3部を訳したのみであった。この年、真臘(カンボディア)が教化を願い招請したため、勅命を下して赴かせたが、その後の消息は不明。著作に『大乗集義論』四十巻がある。『続高僧伝』に伝がある。
史料
『続高僧伝』巻第四 訳経篇四 京大
慈恩寺梵僧那提伝
参考文献
『新版シルクロード往来人物辞典』(昭和堂,2002年)
最終更新:2024年05月04日 15:38