西市

西市

長安の坊名。隋代には利人市と呼ばれた。南北二坊の地を占め、東北に延寿坊、東南に光徳坊、南に懐遠坊、西北に群賢坊、西南に懐徳坊、北に醴泉坊が位置した。唐後半期には東市をしのいで繁栄した。左街が主として貴人や官僚の居住区であったのに対し、右街はもっぱら庶民街であったことと関係する。また西市周辺の諸坊に胡祆祠等の西方伝来宗教の寺院が集中していることから判るように、西域胡商の活動の場は西京が中心であった。規模は東西927m、南北1031mで、発掘調査により南大街東端の街南は飲食店、北大街中部の街南は金物屋・石材店、南大街中部の街南は宝飾店、東大街の南部は陶磁器店、西大街中部は葬儀屋があったとみられる。西市には西市署・平準局があり、衣肆(衣料品店)・鞦轡行(馬具類同業組合)・秤行・竇家店(富商竇乂の店舗兼住居)・張家楼(料亭)・景先宅(旅館)・放生池・独柳があった。

参考文献

徐松 撰、愛宕元 訳注『唐両京城坊攷 長安と洛陽(東洋文庫577)』(平凡社、1994年)

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最終更新:2025年02月18日 23:52
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