コーピング


 ストレスに対して適切な対処行動をとり、ストレスをコントロールすることを意味する用語である。
コーピングは意識して行うものではなく、自然に行っている対処法である。

 コーピングには問題解決中心のコーピング(問題焦点型)と感情中心のコーピング(感情焦点型)がある。
 問題焦点型はストレッサーに直接働きかけて改善していこうというものであり問題そのものをなくしてしまおうという信念によって行われる。たとえば、線路の近くに住んでいて騒音に悩まされている人がストレッサーから逃げる為に引っ越すという行動を指す。しかし、誰しもが簡単に引っ越すことができるとは限らない。よって問題焦点型の欠点として事情によりそれを許さない場合があるということにより、返って余計にイライラをつのらせ、よりストレスが悪化する可能性があるということが挙げられる。
 次に、感情焦点型はストレスによって引き起こされる行き過ぎた感情的な心理的反応をコントロールすることで、ストレスに対して冷静な対処を可能にすることである。つまり、自分の感情をコントロールしてストレッサーに対する関心を減少させるということである。リラックスがそれにあたる。
 私たちはストレスに対処するとき、上記のようなコーピングを行っているのである。これは、どちらか一方だけというわけではなく、程度の差はあれ、両方扱っている場合が普通である。

 コーピングのトレーニング方法として『アサーショントレーニング』(主張訓練法)と『リラクセーション』が挙げられる。
アサーショントレーニングは自分の気持ちや意見を相手にうまく伝える能力を向上させるトレーニングであり、問題焦点型の立場である。一方、リラクセーションは筋肉を弛緩させることであり、ストレスによって心だけではなく筋肉も緊張していることが多いため双方の緊張をほぐす効果がある。また、呼吸法によるリラクセーションもありこれらを行うことはリラックス効果がある。これは感情焦点型の立場をとるトレーニング方法である。

最終更新:2007年10月28日 19:51