ストレス


 自律神経系に変異を生じさせるような生理的・精神的緊張負荷状態を指す。
ストレスとは、もともと「圧力」「圧迫」「苦悩」などを意味する言葉であったが1930年代の後半、カナダの生理学者であるセリエ(Selye,H.)によって「外界のあらゆる要求によってもたらされる身体の非特異的反応」を表す概念として提唱された。
 ストレスはストレッサー認知的評価?コーピングストレス反応から構成される生理的・心理的適応過程の事である。

 私たちは日常会話でよく「人間関係がストレスだ」「ストレスが溜まる」「ストレスのせいで眠れない」などという表現を使うことがある。これらは「ストレス」という同じ言葉であるが、示している内容には違いがある。1つ目は緊張状態を作り出す要因に対して用いられており、これをストレッサーという。また3つ目のストレスは、ストレッサーによって引き起こされている心身の緊張状態を指しており、これをストレス反応という。

 ストレスには生理的なストレスと心理的なストレスがある。ストレスの反応(般適応症候群とよぶ)に対してセリエは警告反応期、反抗期、疲はい期の3つの段階があると提唱した。まず、警告反応期ではストレスによる受動的ショック相のが現れるため抵抗力が一時的に低くなってしまう。その後、対抗するための抗ショック相が現れ、このときストレスに対する防衛力や抵抗力が高められる。抵抗期に入ると生体がストレスに対して適応していこうとする段階で、抵抗力を増加させ症状は改善される。しかし、その後疲はい期に入ると気ばかり焦ってしまって、実際に行動に移すことが出来ないというから回りの状態に陥ってしまう。

 たとえば、地震などの災害にあった人で避難所生活では頑張っていたがそれから復興して落ち着いてきたときに、心身の不調を訴える人が多い。これは避難所生活での状態が抵抗期であり、復興時には非はい期に達していたからであると言える。
このような時、心理的援助を行うのであれば、一段落ついた頃に継続的に行うことが望ましいとされている。


参考図書『学校カウンセリング―教師とスクールカウンセラーの接点― 谷島弘仁 ブレーン出版』
めぐみ
最終更新:2007年10月28日 18:37