ストレッサー


 ストレスの原因となる外からの刺激のことをいう。(ストレスの原因となる潜在的な要因)

 ストレッサーには物理的・生理的ストレッサーと認知的ストレッサーの2つがある。
物理的・生理的ストレッサーとは何か特定のモノがストレッサーとなる。たとえば暑い・寒いといった状態の問題、窮屈を感じたり、騒音・悪臭などもこれに含まれる。認知的ストレッサーとは感じるストレスである。たとえば、応援している野球チームが負けて嫌だなぁ、あの人の立ち振舞が嫌だなぁなどである。このように、何でもストレスの原因になるのである。

 ストレッサーの量や頻度、質もストレスに大きな影響を与える。
例えば、忙しさを取り上げてみても、過小であればつまらない、平凡な毎日に飽き飽きしてしまうが、反対に過剰であれば心身の疲労につながる。すなわち、適正量が好ましく、私たちには日頃から多少のストレスは必要であるということがわかる。
 質に関して言えば、『ライフイベント』と『デイリーハッスル』が挙げられる。
まず、ライフイベントとは、一度の規模や影響は大きいが、継続的ではないストレッサーのことをいう。具体的には大地震、肉親の死、結婚などがある。次に、デイリーハッスルとは、1回あたりの量は少ないが、長期間にわたって継続するストレッサーのことであり、日常生活的混乱ともいう。この2つを比べてみると、ライフイベントはショックが大きくても、立ち直るだけの時間的余裕があるが、デイリーハッスルの場合、ショックが小さくても回復する前にまた新たなストレスが発生してしまい、なかなか完治に至らないという問題点がある。ストレスは多すぎても少なすぎても身体と体に良くない影響を与える。また、デイリーハッスルのように継続的なストレスはよくないストレスの典型であると言える。

 また、私たちはストレッサーに対して評価・判断をしている。これを『認知的評価』という。
例えば、やらなければならない大きな仕事がいくつかあったとしよう。この場合、ストレッサーとなるのは「いくつかの大きな仕事」である。これに直面したとき、私たちは『1次的評価』と『2次的評価』を行う。1次的評価とはストレッサーそのものを評価することである。ストレッサーとなるものがどれほどの負担であるか、また重要か、どれほど頑張る必要があるか、などがそれにあたる。そして2次的評価とはストレッサーがどれほどコントロール可能か、すなわち自分に対する評価である。ストレッサーの影響を最小限にとどめるにはどうすればよいかということがそれにあたる。
 認知的評価を経て、何らかの情動的反応を引き起こした場合が一般にいうストレスなのである。


参考図書『学校カウンセリング―教師とスクールカウンセラーの接点― 谷島弘仁 ブレーン出版』
めぐみ

最終更新:2007年10月28日 19:18