個人心理学

個人心理学とは、アルフレート・アドラーによって創始された心理学理論。アドラー心理学、目的分析学とも呼ばれる。しかし、アドラーは“人間は人間を知らないが故にたくさん苦しまねばならない。人間にとって大切なのは人間を知ることである。”との意味を込めて「個人心理学」を、好んで「人間知の心理学」と呼んでいたそうだ。

特徴

①行動の原因ではなく目的を分析する(過去の体験よりも未来への目的の置き方を重視する)。
②人間を全体として捉え、理性と感情、意識と無意識を対立するものとしない。
③人間を社会的存在として捉え、対人関係の分析に重きを置く。
④客観的事実そのものより、客観的事実に対する主観的意味づけを重視する。

劣等感

アドラーは特に「劣等感」に注目した。
人間は社会的な生き物で、社会の中での自分という価値観で自分を判断する性質がある。その社会の中で、「いかに自分は優越した存在か」ということが、人間にとって重要なテーマであり、それ故に「劣等感」を持つ。と説いた。
この人間の、社会での自分の占める位置に対する欲望を「優越欲求」「Will to power(権力への意志)」と呼んだ。
無意識についても、フロイトやユングと違い、劣等感を重視して「劣等コンプレックス」が、人の無意識の重要な要素ととらえ、劣等感がある故に「優越欲求」が高まるという考えを打ち出している。
つまり、「優越欲求」の強さは、劣等感の強さの裏返しである、ということだ。
優越欲求は小さい子供にも見られ、兄弟間で、親の注目や愛情を巡る争いを行い、それは人格の形成に大きく影響しているとアドラーは言っている。
子供は、家庭内において、それぞれのおかれた立場からいろいろな作戦を用いて親の注目を集めようと努力する様子をアドラーは興味深い視点で研究している。
EX 長男という立場から、末っ子という立場からなど。



りえ
最終更新:2007年11月29日 18:57