『生涯教育入門』
1970年、フランスの
ポール・ラングランによって著された。
ポール・ラングランは1965年、
ユネスコの第3回成人教育推進国際委員会において、「教育は児童期、青年期で停止するものではない。それは、人間が生きている限りつづけられるべきである。」と述べ、初めて「
生涯学習」という教育理念を提案した人である。
ラングランは『
生涯教育入門』の中で生涯教育を「博識を獲得することではなく、自分の生活の種々異なった経験を通じて常により一層自分自身になるという意味での存在の発展」であると位置づけている。
生涯教育が必要となった背景には①社会の急激かつ大きな変化②ライフスタイルの転換、が挙げられる。情報化や国際化が進む中、現在の日本では高齢化が急激に進んでいる。そのため、学校で学んだことが実生活に役立たないというケース、つまり「知識の陳腐化」が生じてしまう。それに対応するには生涯かけて学ばなければいけないという外的要因が存在する。これに対し、内的要因としてライフスタイルの変化が挙げられる。労働時間の短縮や余暇の増大うによって、自分の生きがいのために学び続けたいという人たちが増えてきた。ラングランの提案は現代の日本とも共有する部分があるからこそよりリアリティをもっている。
最終更新:2007年09月22日 15:42