{自立活動}
1999(平成11)年に「盲学校・聾学校及び養護学校小学部・中学部学習指導要領」の改訂で教育課程の領域として「養護・訓練」として設けられていたのが、「自立活動」と名称を改めた。

改訂学習指導要領では、
「学校における自立活動の指導は、障害に基づく種々の困難を改善・克服し、自立し社会参加する資質を養うため、学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に、自立活動の時間における指導は、各教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間と密接な関連を保ち、個々の児童又は生徒の障害の状態や発達段階等を的確に把握して、適切な指導計画の下に行うよう配慮しなければならない。」(第1章総則の第2節教育課程の編成の第1の4)
と示されている。

●内容と指導事項●

1.健康の保持
 ① 生活のリズムや生活習慣の形成に関すること。
 ② 病気の状態の理解と生活管理に関すること。
 ③ 損傷の状態の理解と養護に関すること。
 ④ 健康状態の維持・改善に関すること。

2.心理的な安定
 ① 情緒の安定に関すること。
 ② 対人関係の形成の基礎に関すること。
 ③ 状況の変化への適切な対応に関すること。
 ④ 障害に基づく種々の困難を改善・克服する意欲の向上に関すること。

3.環境の把握
 ① 保有する感覚の活用に関すること。
 ② 感覚の補助及び代行手段の活用に関すること。
 ③ 感覚を総合的に活用した周囲の状況の把握に関すること。
 ④ 認知や行動の手掛かりとなる概念の形成に関すること。

4.身体の動き
 ① 姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること。
 ② 姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用に関すること。
 ③ 日常生活に必要な基本動作に関すること。
 ④ 身体の移動能力に関すること。
 ⑤ 作業の円滑な遂行に関すること。

5.コミュニケーション
 ① コミュニケーションの基礎的能力に関すること。
 ② 言語の受容と表出に関すること。
 ③ 言語の形成と活用に関すること。
 ④ コミュニケーション手段の選択と活用に関すること。
 ⑤ 状況に応じたコミュニケーションに関すること。


●指導計画の作成と内容の取り扱い●
        ~平成11年改訂学習指導要領では~
(1)自立活動の指導に当たっては、個々の児童又は生徒の障害の状態や発達段階等の的確  な把握に基づき、指導の目標及び指導内容を明確にして、個別の指導計画を作成する。  そして、指導内容の中から必要とする項目を選定し、それらを相互に関連付け、具体的  に指導内容を設定すること。
(2)指導計画の作成に当たっては、各教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間の指  導と密接な関連を保つようにし、組織的、計画的に指導が行われるようにすること。
(3)個々の児童又は生徒の実態に応じた具体的な指導方法を創意工夫し、意欲的な活動   を促すようにすること。
(4)重複障害者のうち自立活動を主として指導を行うものについては、全人的な発達を促  すために必要な基本的な指導内容を、個々の児童又は生徒の実態に応じて設定し、系   統的な指導が展開できるようにすること。
(5)自立活動の時間における指導は、専門的な知識や技能を有する教師を中心として、全  教師が協力して効果的に行われること。
(6)児童又は生徒の障害の状態により、必要に応じて、専門の医師及びその他の専門家の  指導・助言を求めるなど、適切な指導ができるようにすること。



最終更新:2007年12月29日 00:56