総合的な学習の時間


 総合的な学習の時間は、横断的・総合的な学習や児童生徒の興味関心に基づく学習を通じて、自ら課題を見つけ問題解決能力を育てることや、自己の生き方について自覚を深めるなどをねらいとして設けられ、1998年改訂小・中学校学習指導要領に、1999年盲・聾・養護学校学習指導要領それぞれに記載された。それから2003年の学習指導要領一部改正では新たに、各教科及び特別活動で身につけた知識や技能などを相互に関連づけ学習や生活に生かしそれが総合的に働くようにすることがねらいに付け加えられた。

 はじまりは第15期中央教育審議会第1次答申(1996年7月)において提言されたことである。
http://fish.miracle.ne.jp/no-1192/siryou/tousin1.html
この答申は「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」と題し、第1次および第2次の二度にわたる答申を行った。これらの答申では総合的な学習の時間について検討された他、「生きる力」の育成や学校週5日制の完全実施、中高一貫教育、飛び級などが検討された。
 これを受け、教育課程審議会が文部大臣に答申を提出し、1998年改訂の学習指導要領では、「ゆとりのなかで生きる力をはぐくむ」という方針により、「ゆとりの確保」「個性尊重」が叫ばれ教育内容の3割減少が行われた。それと同時に、総合的な学習の時間の確保により国際理解、情報、環境、福祉、健康などの課題について学ぶ機会が設けられた。

 総合的な学習の時間の活用方法は各学校に委ねられており、創意工夫を十分発揮して児童生徒の興味関心や地域や学校の特色に応じた課題などについて学習したり活動したりすることとなっている。また実際には、総合的な学習の時間とは、教育課程においての時間種別を表す用語であり、各学校における総合的な学習の時間の名称は各学校が自由に定めることになっている。
授業時間は小学校第3.4学年で年間105単位時間、第5.6学年で年間110単位時間、中学校では各学年年間70単位時間以上配当されている。

 しかし、総合的な学習の時間は各学校によって格差が生じることが問題視されている。また、総合的な学習の時間は教科学力の向上には結びつかないため、廃止すべきというような否定的な声も上がっている。より一層創意工夫が叫ばれている。






最終更新:2008年06月15日 19:22