オペラント条件付け


 行動を誘発する刺激が想定できないような自発的行動がいかにして学習されたのかを明らかにした実験。
オペラント行動に強化刺激を与え、その反応頻度などを変容させる条件づけの操作および過程。
『道具的条件づけ』ともいう。

 この研究の起源はアメリカの心理学者であるソーンダイク(1911)の猫を使った試行錯誤研究であるといわれている。
問題箱と呼ばれる、ひもを引くと扉が開く実験装置に猫を入れ、その行動を観察するというものであり、猫も試行錯誤をし実験を繰り返すうちにその時間は短くなるということが明らかになった。このことから、ソーンダイクは「結果的に満足をもたらす行動はその状況(刺激)と結合を強めていく」という効果の原則としてあらわしている。

 その後、スキナーによってスキナー箱のネズミ実験が行われるようになった。これは、箱の中のレバーを押すと餌がもらえるという構造で、偶然によるレバー押しが思わぬ報酬を当てにすることで行動がより頻繁に行われるようになり学習へとつながる。
 報酬の提示の事を『強化』といい、報酬自体の事を『強化子』という。さらに、報酬などを『正の強化』、罰などを『負の強化』という。一般に「負の強化」は学習によって得た行動を消去したい時に与えられる。強化子の与え方は『連続強化』と『部分強化』に分けられる。一般的には部分強化の方が学習した反応が消去されにくいと言われている。部分強化はさらに時間を基準とした「定時間隔スケジュール」「変動間隔スケジュール」、行動の回数を基準とした「定比率スケジュール」「変動比率スケジュール」の4つに分けることができる。
条件づけには生物学的制約があるので、学習には種に特有の傾向、つまり個人差があることを忘れてはいけない。

 学習の強化・消去を組み合わせることで複雑な行動も学習させることができる。これをシェイピングという。

最終更新:2007年10月28日 00:56