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芝村:
クリスマスソングがなっている。

芝村:
ここは天領のクリスマス区画だ。

時雨 :
「天領か……参謀出仕以来だから久々だなぁ」

芝村:
イルミネーションが瞬いてる。星のようだ。

時雨 :
エステルはもう来ていますか?

芝村:
見えないねえ

時雨 :

時雨 :
えーと、あたりにそれらしき影は……

芝村:
ないねえ

時雨 :
少し探します……

芝村:
車がとまった。

芝村:
高級車だ。

芝村:
長い奴だね

時雨 :
はい。

芝村:
車のドアが開いた。

エステル :
「どうぞ」

時雨 :
「え?あ、こんばんは」

時雨 :
とりあえず促されるまま車に乗ります

芝村:
ドアが閉まった。音もなく車が進む。

エステル :
「これなら散歩も大丈夫です」

時雨 :
「は、はあ……」

時雨 :
エステルの様子はどうですか?

芝村:
エステルは元気というか普通だ。

エステル :
「どこにいきますか?」

時雨 :
いつも通りということですね

芝村:
ええ。



時雨 :
「このあたりは僕もあまり詳しいわけじゃないんですが……せっかくですから、少し降りて歩いてみませんか」

エステル :
「……」

エステル :
「どうぞ」

芝村:
貴方だけ降りた。

時雨 :
「ご一緒に、いかがですか」

時雨 :
「少しだけ」

エステル :
「あわせて移動します」

時雨 :
「はあ……」

時雨 :
じゃあ、少し早めに歩きます。周りの景色を見つつ。

芝村:
エステルは車に乗ってついてきた。

芝村:
貴方は途方に暮れた。

時雨 :
「少しだけ、一緒に歩きませんか?イルミネーションが綺麗ですよ」

芝村:
さて、どうする?

時雨 :
「車の中じゃ、見れないですから」

エステル :
「ここからでも見えます」>マイクごし

芝村:
エステルの車から戦車の砲隊鏡が出てきた

時雨 :
……

時雨 :
すいません、車に乗りなおしていいですか

芝村:
ええ。

芝村:
貴方は車に乗った。

エステル :
「どうしたんですか?」

時雨 :
「なんだか、一人で歩いても仕方がないですから」

エステル :
「そうなのですか?」

芝村:
エステル、びっくり

時雨 :
「ええ」

時雨 :
演技……じゃないですよね


芝村:
モニター見てる。

時雨 :
……

時雨 :
なんかこう

エステル :
「あの人は一人であるいてますよ」

時雨 :
「人それぞれ、ですよ」

時雨 :
「僕はあなたと一緒に歩きたかったんです」

エステル :
「なるほど」

時雨 :
「前、地上を歩いたらどうなのかなって仰っていたから」

時雨 :
「綺麗な景色を見ていれば、少しは辛くないでしょうし」

エステル :
「それについてはよく分かりました。怪我をします」

時雨 :
「少しだけなら、大丈夫じゃないでしょうか。前はずいぶん歩かせてしまいましたし」

時雨 :
「前、小笠原で浅瀬から海辺まで歩いたのと変わらないくらいの距離を。それでいかがですか?」

芝村:
エステルは貴方に疑いの眼差しを向けている

時雨 :
「あの時は本当に申し訳なかったと思っています」

エステル :
「いえ。重力は怖いと思いました」

時雨 :
「ごめんなさい。せめて、そのお詫びになればと思ってお誘いしたんです」

芝村:
エステルはえー。という顔だ。

時雨 :
「慣れれば、少しは大丈夫になりますよ」

時雨 :
「少しだけなら、訓練に付き合ってもいいって言ってくれたじゃないですか」

エステル :
「……まだ怪我が治ってません……」

時雨 :
「………」

時雨 :
「ごめんなさい」

エステル :
「いえ。えっと」

エステル :
「なんというか、いつ気付いてくれるかと」

時雨 :
「ごめんなさい……いつも、気が回らなくて」

エステル :
「いえ」

エステル :
「それも味ですし」

時雨 :
「え?」

エステル :
「なんでもありません。車の中ですが、見ませんか?」

時雨 :
「はい、もちろん」

芝村:
エステルはうなずいた。

芝村:
車の中は広いね。ミニバーもある

時雨 :
ええー!!!

時雨 :
どれだけなんですか……

時雨 :
ものめずらしそうに見回します

芝村:
おお。モニター4つだ。

芝村:
車外の様子が見える

時雨 :
すごい(笑)

時雨 :
「お酒は……飲まれないんでしたっけ」

エステル :
ラムなら飲みますが」

時雨 :
「なるほど……では、少しいかがですか?せっかくバーがあるみたいですし」

エステル :
「はい」

芝村:
氷もあるなあ。

芝村:
すごいなここ

時雨 :
新手のキャンピングカーか何かですか(笑)

芝村:
いや。リムジンってやつさ

時雨 :
リムジンが大きいのは知っていましたが……ここまでとは(所詮クラウンが精一杯の貧乏人

時雨 :
ともあれ、バーのほうにお酒を取りにいきます
「ロックでよろしいですか?」

エステル :
「お湯で4倍に割るのが普通でしょう?」

時雨 :
「すみません、ラムはあまり飲まないもので……わかりました」

時雨 :
言われたとおりに作っておきます

時雨 :
ウイスキーあります?

芝村:
ウイスキーあるね

芝村:
見たことない高級酒が並んでる

時雨 :
わーー!!!

時雨 :
それはマッカランの50年物とか

時雨 :
そんなレベルですか

芝村:
湯気の出るラムをふーとエステルは吹いている。

芝村:
100年ものだね

時雨 :
すいません、リアルで気が遠くなりそうに……>100年もの

時雨 :
せっかくですのでそれを頂きます。ロックで。

芝村:
まずい。氷をうかべてるのが損な感じのまろやかさだ。

時雨 :
「……」

芝村:
これ飲んだら残りの人生ずっと損した気分になれそうだ。

芝村:
ワンショット20万円クラスだね

時雨 :
うう、あえて貰っていきます。せっかくのクリスマスです!

時雨 :
ストレートで。

芝村:
うまい。

エステル :
「ずいぶん、飲みやすいラムですね」

時雨 :
「美味しい……」

時雨 :
「船乗りは気付けに飲まれるんでしたっけ」

時雨 :
ええとまだ口をつけていなければ、乾杯を。

エステル :
「そうでしたね。すみません」

芝村:
今頃乾杯した。

エステル :
「まあ、眠りたい時か、飲みますね」

時雨 :
「ありがとう、ございます」

時雨 :
「こんな素敵なお酒を頂いて」

エステル :
「いえ。一番静かな車を貸してくださいといっただけです」

時雨 :
「でも、嬉しいです。あなたとお酒を飲むなんて、なかなかできない経験でしょうし」

芝村:
エステルは黙った。

エステル :
「そうかもしれませんね」←晩酌毎日派

時雨 :
意外。

時雨 :
「お会いする機会がもともと、あんまりなかったですけど……来年、また来ましょう」

時雨 :
「今度は、二人で歩きたいですから」


エステル :
「……少しなら」

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最終更新:2008年02月07日 06:14