★ ★
かつて、ぼくらはこどもだった
★ ★
水倉りすか。
彼女のなんたるかを改めて語るのは、些か時間の無駄と言えよう。
語るにしては時間が経ちすぎた。彼女の性格は言うに及ばず。彼女の性能は語るに落ちる。
いくら彼女が時をつかさどる『魔法少女』とはいえ、時間と労力を意味もなく浪費をするほどぼくは優しくない。
それだけの時間があれば、ぼくはどれだけのことを考え得るか――どれだけの人間を幸せに出来るだろう。
無駄というものはあまり好きではない。ぼくがりすかの『省略』を敬遠する理由でもあるのだが。
だけど、仮に語るという行為に意味があるとするならば。必要があるとするならば。
その程度の些事、喜んで請け負うことにしよう。
『のんきり・のんきり・まぐなあど ろいきすろいきすろい・きしがぁるきしがぁず』
水倉りすか。
ぼくが初めて会った魔法使い、『魔法使い』。
外見特徴は、「赤」という一言に尽きるだろう。なだらかな波を打つ髪も、幼さに見合った丸い瞳も、飾る服装に至るまで。
全身が、赤く、この上なく赤い。露出する肌色と、右手首に備わっている銀色の手錠以外は、本当に赤い。
さながら血液のように。己の称号や魔法を誇らんとするばかりに。
『のんきり・のんきり・まぐなあど ろいきすろいきすろい・きしがぁるきしがぁず』
水倉りすか。
馬鹿みたいに赤色で己を飾るりすかであるが、その実力たるや馬鹿には出来ない。
この年齢では珍しいらしい乙種魔法技能免許を取得済みという驚嘆に値する経歴の持ち主。
ついこの間まで、ぼくと一緒に、とある目的の元、『魔法狩り』なる行為に勤しんでいた。
結局のところ、その行為の多くに大した成果は得られなかったのだが、ここでは置いておこう。
とある目的というのは――乙種を習得できるほどの魔法技能に関してもだが――彼女の父親が絡んでいる。
彼女のバックボーンを語るにあたり、父親を語らないわけにはいくまい。
『ニャルラトホテプ』を始めとする、現在六百六十五の称号を有する魔法使い、水倉神檎。
高次元という言葉すら足りない、魔法使いのハイエンド。全能という言葉は、彼のために存在するのだろうと思わせるほどの存在、であるらしい。
語らないわけにもいかない、とは言え、ぼくが彼について知っていることはそのぐらいのこと。一度話を戻す。
『まるさこる・まるさこり・かいきりな る・りおち・りおち・りそな・ろいと・ろいと・まいと・かなぐいる――』
水倉りすか。
彼女の魔法は『属性(パターン)』を『水』、『種類(カテゴリ)』を『時間』とする。
父親から受け継いだ『赤き時の魔女』という称号が、彼女の魔法形式を端的に表していると言えよう。
平たく言えば、時間操作を行使する『魔法使い』だ。
これだけ聞くと、使い勝手もよさげで、全能ならぬ万能な魔法に思えるだろうが、その実そうではない。
『現在』のりすかでは、その魔法の全てを使いこなすことはできない。時間操作の対象が、自分の内にしか原則向かない。
加え、日常的にやれることと言えば『省略』ぐらい……いや、『過去への跳躍』も可能になったのか。
それでも、いまいち使い勝手が悪いのには変わりがない。
有能さ、優秀さにおいては右に出るもののない、ツナギの『変態』を比較対象に挙げずとも、だ。
使い勝手が悪いならな悪いで、悪いなりに使えばいいので、その点を深く責めることはしないけれども。
『かがかき・きかがか にゃもま・にゃもなぎ どいかいく・どいかいく・まいるず・まいるず にゃもむ・にゃもめ――』
水倉りすか。
彼女の魔法は確かに使い勝手が悪い。とはいえ、一元的な見方で判断する訳にはいかない。
彼女が乙種を取得できるまでの『魔法使い』である要因の一つ――父親によってりすかの血液に織り込まれた『魔法式』、
軽く血を流せば、それで魔法を唱えることができる。大抵の魔法使いが『呪文』の『詠唱』を必要とする中、りすかは多くの場合それを省略できる。
そして何より。
その『魔法式』によって編まれた、常識外れの『魔法陣』。
致死量と思しき出血をした時発現する、りすかの切り札にして、もはや代名詞的な『魔法』。
およそ『十七年』の時間を『省略』して、『現在』のりすかから『大人』のりすかへ『変身』する、ジョーカーカード。
これを挙げなければ、りすかの全てを語ったとは言えないだろう――。
そう、りすかの『変身』について、正しくぼくらは理解する必要があった。
『――――にゃるら!』
★ ★
「…………キズタカ?」
仰向け、いや、最早この状態を仰向けと呼べるのかも定かではないほど破壊された遺体を前に、
水倉りすかは動けなかった。
きっとそれは動けなかったでもあり、同時に動きたくなかった、とも言えるだろう。
「……………………」
鼓膜を破らんと耳をつんざいた爆音からどれだけ経ったのか。
焼き付いた脂の匂いを感知してからどれだけ経ったのか。
意味もなく面影のなくなった相方の名前を呟いては、どこか視線を遠くに向ける。
「……………………」
りすかも愚かではない。
否、訂正しよう。愚かと言えば間違いなくりすかは愚かであったけれど、馬鹿ではなかった。
何が起こったのか、何が起きてしまったのか、どうしようもない現実をとうに把握できている。
「……………………」
推測するまでもない。
零崎人識がいつの間にか設置していたブービー・トラップにまんまと引っ掛かった。
言葉にしてみればそれだけの話であり、それまでの話である。
「……………………」
しかしながら、現実を理解できているからと言って、認識できているからと言って。
解りたくもなければ、認めなくもない。本当に、本当に本当に、あの不敵で、頼もしい
供犠創貴という人間は終わってしまったのか?
「……………………」
傲慢で強情で手前勝手で自己中心的で、我儘で冷血漢で唯我独尊で徹底的で、
とにかく直接的で短絡的で、意味がないほど前向きで、容赦なく躊躇なくどこまでも勝利至上主義で、
傍若無人で自分さえ良ければそれでよくて、卑怯で姑息で狡猾で最悪の性格の、あの供犠創貴が、たかだか、『この程度』のことで?
「……………………」
おもむろに死体から離れ、扉付近にまで歩み寄る。
そこには拳銃が落ちていた。つい先ほどまで創貴の所持していたグロックを拾い上げる。
仄かに人肌の温もりが残る冷徹なグリップを握りしめ、銃口をこめかみの辺りに向けると。
「……………………」
丁度その時、
第四回放送が辺り一帯へと響き渡り――。
『供犠創貴』
その名も呼ばれた。
かれこれ一年以上も死線を供にした、己が王であり我が主であったかけがえのない名前が。
何の感慨もなく、ただ事実は事実だと言わんばかりの義務的な報知として流れる。
続けて幾つかの名前が呼ばれたが、りすかの耳には届いていなかった。
こめかみに添えた銃口がプルプルと震える。
「――――――――」
震える銃口は彼女の意思を代弁するかのように小刻みながらに強い主張を放つ。
「――――――――」
さもありなん。
「ふ――――っっっざっけるなっ!」
水倉りすかはどうしようもないほどに、怒りに身を焦がしていたのだから。
「キズタカ!」
手にしていた懐中電灯を叩き落とす。
衝撃で電池でも外れたのか、懐中電灯の光さえも消え、周辺が暗澹たる色合いに染まる。
本来怖くてしょうがないはずの暗闇の中、浮かび上がる赤色はヒステリーを起こしたかのように、喚く。
「キズタカ! キズタカはみんなを幸せにするんじゃなかったのか!
そんな自己犠牲で自己満足で、わたしが――わたしが幸せになるとでも思ったのか!」
身を挺して供犠創貴は水倉りすかを庇うように死んだけれど、りすかからしてみれば甚だ不本意だ。
コンマ単位での判断だったから仕方がない?
あの爆発ではりすかの血さえも蒸発し、およそ『変身』なんて出来ないだろうから仕方がない?
ふざけるな。『駒』はそこまで『主』を見くびっちゃいない。『そんなこと』さえもどうにかするのが『主』たる供犠創貴なのだから。
「許さない、許さないよ、キズタカ。わたしを惨めに死ぬ理由なんかに利用して許せるわけがないっ!」
この場合、誰かが見くびったと言うのなら、創貴がりすかの忠烈さを見くびっていたのだろう。
何故庇った。庇われなければならないほど、りすかは創貴に甘えたつもりなんて、ない。
「命もかけずに戦っているつもりなんてない。その程度のものもかけずに――戦いに臨むほど、わたしは幼くなんてないの。
命がけじゃなければ、戦いじゃない。守りながら戦おうだなんて――そんなのは滑稽千万なの」
創貴が命じてさえいれば、例え『魔法』が使えなかったところで、この身を賭すだけの覚悟はあった。
命令を下さなかった、そのこと自体を責めているのではない。りすかが自主的に犠牲になればよかっただけなのだから、そうじゃない。
りすかを庇ってまでその命を無駄にした、まったく考えられない彼の愚行を、彼女は許せない。
「逃げたのか、キズタカ! 臆したのか、キズタカ!? 笑わせないでほしいのが、わたしなの!」
正直、『このまま』では先が見えないのはりすかからも分かっていた。
きっとりすかには及びもつかない筋道を幾つも考え巡らせていたことだろう。
それらすべてを放棄して、創貴は死ぬことを選び取ったのだ。
これを現実から逃げたと言わずなんという。
これを臆病者と言わずなんという!
「自分だけが幸せに逝きやがって。そんなキズタカを――わたしは許さない」
語気を荒らげたこれまでとは一転。
極めて静かな口調でそう告ぐと、震えていた銃口をしっかりと定めて。
「だから、キズタカはわたしに謝らなきゃいけない。わたしの覚悟を見くびらないでほしいの」
思い切り、引き金を引いた。
今のりすかには『自殺』なんていうものは、恐怖の対象とすらならない。
★ ★
思えば、『死亡者ビデオ』に映っていた『彼女』――そして、つい先ほど零崎人識と対峙した『彼女』は一体全体、誰だったのだろう。
勿論個体名は『水倉りすか』という『魔法使い』なのだろうが、しかし、どう行った経路を辿ったりすかなのか、判然としない。
これまでだって、どういった経緯を辿れば今のりすかから、あのような攻撃的かつ刺激的な大人へと至るのか甚だ疑問ではあるけれど。
今回の場合は、殊更事情を異にしている。
先に述べられていた通り、
玖渚友らが目を通した『名簿』からも分かるように、あくまでりすかの『魔法』は『省略』による『変身』だ。
真庭蝙蝠のような『変態』とは一線を画する。『十七年』の時間を刳り貫いて、『大人』へと『変身』する。
『十七年後』、りすかが存命しているという事実さえあれば、りすかはその『過程』を『省略』することが可能なのだ。
逆に言えば、『十七年後』までにりすかは絶対的に死ぬ、ということが確定しているのであれば、この『魔法』はそもそも使うことさえ叶わない。
例えば、不治の病を患ったとして、その病気で余命三年と確定したならば、出血しても『変身』できない。
例えば、『魔法』によりとある一室に閉じ込められてしまえば、りすかは『変身』できない。
極論、『属性(パターン)』は『獣』、『種類(カテゴリ)』は『知覚』、
『未来視』をもつ『魔法使い』に近年中には死ぬと宣告されたら、きっとそれだけでりすかは希少なだけの『魔法使い』に陥る。
平時において、その条件はまるで意識しなくてもいい前提だ。
りすかは病気を患ってもいないし、そのような『占い師』のような人種とも関わりがない。
どれだけピンチであろうとも、『赤き時の魔女』は思い描くことができる。
――立ちふさがる敵々を創貴と打破していく姿は、いとも簡単に、頭に思い浮かべることができた。
しかし今回の場合は事情が異なる。ここは『バトルロワイアル』、たった一人しか生還できない空間なのだ。
最初の不知火袴の演説の時より、りすかも把握している。
ならば。
ならば――あの『大人』になったりすかは、創貴を切り捨て、優勝した未来と言えるのだろうか。
ならば――あの『大人』になったりすかは、創貴と助け合い、この島から脱出した未来と言えるのだろうか。
水倉りすか。
この島に招かれてからの彼女の基本方針は一律して主体性が窺えなかった。
さもありなん。彼女自身どうしていいのか分からなかっただろう。
零崎曲識と遭遇するまでは、己が『変身』出来るのかさえも不明瞭だったからだ。
創貴がりすかを徹底的に駒として扱い、優勝するために切り捨てることも想像しなかった、と言えばそれは嘘である。
仮にそうでなくとも、『脱出』する具体的な手筈も見当たらず、かといって創貴を殺して優勝するような結末も想像できないでいた。
『魔法』とは精神に左右される側面が強い。
『十七年後』までりすかが存命しているという事実をりすかがはっきりと認識できなければ、魔法が不完全な形と相成るのも頷ける。
りすかが鳴らした、「一回目に『変身』した時からだったんだけど、より違和感があったのが、さっきの『変身』」という警句も、
『制限』という意味合いだけではなく、りすかの精神に左右された面も大きいだろう。彼女たちの『魔法』とは、とどのつまり『イメージ』の具象なのだから。
玖渚友という『異常(アブノーマル)』を見て、それでも首輪を解除できない現状を踏まえ、創貴と脱出する『未来』がより不鮮明になった。
無自覚的ながらもこれは、りすかにとってかなりの衝撃を与えたことだろう。
『未来』は物語が進むにつれ想像が困難になっていく。だからこそ、『魔法』も違和感を残してしまう。
翻して。
なれば今。
供犠創貴が死して、もはや『脱出』という形に拘らなくてもよくなった今。
そして、次なる目的がもっと明瞭に、明確に、あからさまに明示されている今、りすかの想起する未来はもはや揺るがない。
彼女に示された道は、一つである。
その時、彼女の『魔法』はどうなるのだろう。
★ ★
ソファへと座り込んだまだら髪の男は、放送を聞くと意味もなく息をつく。
やはりそこに転がっている金髪の死骸は『真庭鳳凰』であり、重畳なことに『供犠創貴』も爆殺――おそらくは爆殺だろう――ができた。
しかし、零崎人識の顔色は優れない。水倉りすかの『魔法』による影響も少なかれあるだろうが、
それ以上に、これから起こるであろう展開が憂鬱で仕方がないといった調子である。
「しーちゃんはいつまでそんな顔してるのさ。舞ちゃんたちはもう来るんじゃない?」
「……ふう」
群青の小言にも息を零すばかりだ。
脱力し、一層とソファに背を預けると、天井を見つめる。
血の匂いが充満していた。鼻をひくつかせる。
勿論真庭鳳凰の血潮が満ちている今とは、その臭いの濃度は全く異なっていただろうが、
無桐伊織はこんな血の満ちた薬局に閉じこもっていたらしい。そう思うと、同行していた櫃内様刻の豪運さも甚だと言ったところか。
直前に
西条玉藻を屠ることである種のストレスを解消していたこと、それが功を奏していたのだろう。
両足が骨折したいたことも要因の一つではあろうが、いざとなればそのぐらいの些事など彼女は意に介さない。
逆立ちしたって対象を殺しにかかるに決まっている。そのことは最初の出会い、彼女の手首が切断されていた場面を思い返せば容易に想像ついた。
「やれやれ」
言葉を零す。
哀川潤も死に、次いで懸念していた
黒神めだかもどこぞの馬の骨に殺されたらしい。
だから彼を悩ませるのは、『妹』である無桐伊織に他ならない。
あの叱責のような数々も『戯言』と済ませられたらどれだけよかったか。
頭を抱える要素は諸々と挙げられるけれど、ひとまず開き直るとして目先の問題を投げかける。
「実際、両足骨折したままでこの先やってけると思うか?
いっそのこと切断しちまえば俺もやりやすいが、しかしそんな達磨じゃあ生き残れねえだろ」
似たような経験なら以前にもしている。
綺麗に両足を切断さえできれば、処置するのも難しくない。
ただし、そのあとの世話まで見切れるかというと厳しい面は否めなかった。
真庭蝙蝠、鑢七実、
球磨川禊、加え主催陣の数々。ぱっと思い浮かぶ限りでも、障害はそれだけいるというのに。
玖渚友は携帯電話から目を離し、虚脱したままの人識に目を向ける。
「ふぃーん? 見てみないことには視診することもできないけど、話を聞く限りどの道歩くのは厳しそうだよね。
生還した後、あの義足作った人に頼めるのなら切り落としちゃってもいいとは思うけど。……でもたかだか骨折なんでしょ?」
「ま、そうなんだけどよ。変に後遺症残されちゃあどうにもな。結構骨折って動かすと痛(いて)ーし」
骨折できるだけありがてー話なんだけどな。
と、義足の話から連想してか、武器職人の『拷問』のことを回顧しつつ呟く。
あの時は社会的な面からあの時は曲識、そして『呪い名』に頼らざるを得なくなったが、今にしたってその状況は大差ない。
「曲識のにーちゃんまで死んじまった以上、俺の人脈は完全に断たれたといってもいい。
それこそおめー、『玖渚』なんだろ? 手数料ってことでちったぁ面倒見てくれよ」
『壱外』、『弐栞』、『参榊』、『肆屍』、『伍砦』、『陸枷』、シチの名を飛ばして『捌限』。
西日本のあちこちを陣取る組織を束ねる、怪物のようなコミュニティの、その頂点、『玖渚機関』。
大抵のことならば、『玖渚機関』の手にかかればどうとにでもなる。『四神一鏡』に比べれば劣るが財政力も尋常ではない。
玖渚友も(復縁可能となったとはいえ形式上は)部外者ではあるものの、『機関』の方に少なくない影響を与えることはできる。
人識にしてみればそこらの裏事情を知るべくもないけれど、『玖渚』と聞いて『玖渚機関』に思い至るのは自然なことだった。
「んー」
友は人差し指を唇に付け、何か思案するような様相を見せる。
『玖渚』にとって――というよりも、『表の世界』、『政治力の世界』、『財政力の世界』の住人にとって、
『零崎』を含む『暴力の世界』の住人との接触は極力忌避すべき事態だ。かつての友をして「怖い」と言わしめる住人たちである。
本来であれば、人識、それに伊織とも深い関わりを持つべきではなかった。
「助けてもらってるのも事実だしね。なんとなったらなんとかしてあげる」
その点「部外者」という位置づけは融通が利くのか、友はあっさりと二人ともを受け入れている。
『殺人鬼』の申し出も殊の外すんなりと承諾し、協力関係を維持することを選んだ。
これまで色々と綱渡りをして生きてきた彼女であるが、今度は人識を当面の便りとするらしい。
暗黙の内に相互の利害関係を一致させると、人識は力なく笑う。
「かはは、しかしよ。手筈は整ってるのか? 一人だけじゃなくて全員脱出できるようなやり方は」
じゃなきゃ、どんな約束も意味がない。
暗に告げる人識の物言いも、友は迷うことなく答えた。
「どうだろうね? 首輪に関しては一回理論から実践へと持ち込みたいところだけれど」
拍子抜けな答えだ。
思わずソファからずっこける人識を他所に、青色サヴァンは至って変わらぬ調子で言葉を続ける。
手には、いつの間にか何時間前まで解析していた首輪が握られていた。
解析が進んでいる様子には見えない。
されど、不敵な形相を浮かべたまま。
「でもさ、そんなこと関係がないんだよ」
「どういうこった?」
「私が何をしようがしまいが、あの博士(ぼんさい)たちがどれだけ策に策を重ね、奇策を弄そうと、
そんなの関係なく、向うの陣営は遠からず自壊するよ。間違いなく」
「首輪を外せもしねーのに、何の根拠があるんだよ」
呆れの入り混じる人識にも意を介さず。
疑念や不安など一切抱いていない、混じり気のない様子で、問い返す。
「だって、この私を、なによりいーちゃんを巻き込んだんだよ?」
「……なるほど、それは違いねえ」
無為式。
なるようにならない最悪。
イフナッシングイズバッド。
限りない『弱さ』ゆえに、周囲の人間をことごとく破滅させる体質。
この場合において、これ以上なく説得力の伴う証左であった。
人間失格は息を漏らし首を振ると、意識を切り替える。
「じゃあとりわけ、まずは伊織ちゃんをどうにかしねえとなあ」
首輪が現状どうにもならないのなら、どうにもならないまま、これからをどうにかしなければならない。
出来ないことに頭を悩ませるぐらいなら、『家族』のこれからのことで頭をひねるほうが幾分かマシだ。
視線を落とし、リノリウムの床に目を遣る。漫然と床を見つめながら、漠然と思考を走らせていると。
「……………………」
青色から熱烈な視線を注がれていることに気づく。
なんだ、と言わんばかりに睨みを利かせながらもう一度視線を向けると、ぽつねんとした声色で、零す。
「しーちゃんは、変わっちゃったの?」
「あ?」
玖渚友の要領の得ない物言い。
判然としない言い分に不快を露わにしながら人識は窺う。
対する友は而して態度を改めることもなく、静かに続けた。
懐かしむようにして、慈しむようにして、かの
戯言遣いに想いを馳せながら、続ける。
「いーちゃんはね、変わらない」
砂場で出逢ったあの時から。
「いーちゃんは本当に変わらない」
六年前のあの時から。
「いーちゃんは変われないんだよ、ずっと、永遠にね」
四月の鴉の濡れ場島の時も、五月の通り魔事件の時も――今に至るまで、未来永劫、『彼』と友は何も変わらない。
はずだった。
友は問う。
「しーちゃんはさ、変わっちゃうの」
そういえば。
クラッシュクラシックで戯言遣いと会話をしたのはいつのことだったか。
あの時人識は戯言遣いの言葉を盛大に笑い飛ばしたが、あれは、もしかすると、彼なりの『変化』ではなかったか。
らしくもない笑い種というのであれば、先の『兄』の叱咤と何が違うというのだろう。
欠陥製品は変わった。
鏡映しである人間失格もまた、変わったと言えるのか。
「さあな、傍から見てそう見えるんならそうなのかもな」
自らの頬を撫でる。
トレードマークの上から刻まれた傷口をなぞった。
『妹』のために受けた傷。己の象徴を汚してまで守り抜いた絆。
実に分かりやすい、理解に容易い存在になってしまった。『家族』のために、だなんて。
顔面刺青の言葉を受けると、友は興味深そうに頷いて。
「ふぅーん。なら、いーちゃんが『ああ』なっちゃうのも、然るべきことなのかもね」
あの戯言遣いが変わろうとしている。
兆候はバトルロワイアルに招かれる前から、確認していた。
「すっげえ嬉しい」って喜んでくれた、喜んでしまった戯言遣いを、玖渚友は見てしまった。
なればこそ、友は解き放たなければならない。
戯言遣いを己が束縛から。
すべてがどうにもならなくなるけれど、『彼』の人生は回りだせるというのなら。
「僕様ちゃんも言わなきゃいけないよね。いーちゃんが歩き始めるってんなら。ちゃんと」
人識からしたら、なんのことだかさっぱり分からない。
『死線の蒼(デッドブルー)』と戯言遣い――欠陥製品の間にのっぴきならない事情があることだけが推測立つ。
晴れやかに笑う、やけに既視感を覚える、つい最近見たばかりなような気もする玖渚友の笑顔を認めると。
「傑作だぜ」
静かに呟いた。
そして時間が『進む』。
「――――っはっはっはっは! それっぽいフラグは立て終えたか! 駄人間どもッ!!」
進む――進む。進む。
めまぐるしい早さで、赤く、『進む』。
★ ★
そもそも、『制限』とは何か。
何故、『十七年後』の水倉りすかに未だそんな『制限』が纏わりついているのだろう。
彼女が『魔法陣』を使ってなお、首輪をつけている影響か。
否、首輪に原因があるのならばところ変わって球磨川禊の『大嘘憑き』あたりの制限もなくなって然るべきである。
しかしながら、事実として『十七年後』のりすかは『制限』の縄に囚われたままであった。
『制限』が解呪されているのであれば、かつて廃病院でツナギを相手取った時にしたような、『魔力回復』もできたはずである。
『現在』の水倉りすかと、『十七年後』の水倉りすかは同人でありながらも、同時に、別人であるにも関わらず、『変身』した赤色もまた力を抑制されていた。
前提に基づいて考えるならば、水倉りすかは今後十七年間、制限という呪いに蝕まれ続けることとなる、という見解が妥当なところだ。
では、どのような場合においてそのような事態に陥ることが想定されるだろうか。
一つに、主だった支障もなくこの『会場』から脱出した場合。
一つに、優勝、それに準ずる『勝利』を収めたとしても、主催陣営が『制限』を解かなかった場合。
この二つが、およそ誰にでも考えられるケースであろう。
詳らかに考察するならば、もう少しばかり数を挙げられるだろうが、必要がないので割愛とする。
前者においては、確かに揺るぎようのない。
どのように『制限』をかけられたか不明瞭なため、自ら解法を導き出すのは困難だ。
日に当ててたら氷が解けるように、時間経過とともに解呪されるような『制限』でもない限り、解放されるのは難しい。
そして、十年以上の月日をかけても解けないようじゃあ、その可能性も望みは薄い。
だが、後者においてはどうだろう。
不知火袴の言葉を借りるのであれば――『これ』は『実験』だ。
闇雲に肉体的及び精神的苦痛を与えたいがための『殺し合い』ではないことは推察できる。
『実験』が終了し次第、『優勝者』を解放するのが、希望的観測を交えるとはいえ考えられる筋だ。
むしろ、主催者たちである彼らが、最終的に『完全な人間』を創造するのが目的である以上、最終的に『制限』などというのは邪魔になるのではないだろうか。
彼らが『完全な人間』を何を以てして指すのか寡聞にしていよいよ分からなかったが、如何せんちぐはぐとした感は否めない。
彼らの言葉を素直に受け止めるのであれば、『優勝』した場合、『制限』は排除されるのではなかろうか。
具体的な物証がない以上、憶測の域を出ない。
あるいは、玖渚友ならば何かしらの情報を得ていたのだろうが、初めから決裂していた以上望むべくもなかろう。
あくまで憶測による可能性の一つでしかないのだ。
――――十分だ。
『可能性がある』というだけでも、十全だ。
可能性があるのであれば、その『可能性の未来』を手繰り寄せるのは、他ならぬ水倉りすかの仕事なのだから。
りすかが『優勝』することを確と目標にしたその時。
『制限』のない、全力の『十七年後』の水倉りすかに『変身』するのは、不可能なことじゃあ、ない!
出来ないとは言わせない。
供犠創貴は、唯一持て余している『駒』を、見くびっちゃあ、いなかった。
★ ★
宗像形が死んだ。
なるほど。
真庭鳳凰が死んだ。
なるほど。
そして、近いうちに図書館が禁止エリアになるらしい。
なるほど。
櫃内様刻の放送に対する所感は実にあっさりとしたものだった。
先ほどまで大いに頭を悩ませていた鳳凰に対してでさえ、死んだと分かれば、「ああ、死んだのか」と話が終わってしまう。
彼の思考回路は、極々シンプルな構造にできている。
彼が何かに対して迷うことがあるのならば、それは直面している物事から逃げているだけだ。
背負うニット帽の少女と同様に。悩んでいる振りを、しているだけだった。
「さーまとーきさーん」
「ん?」
ふと、耳元から声がかかる。
いつの間にか進む速度が緩まっていたようだ。
「どうしたんですか、さっきからボーっとして」
「別にどうもしないさ。ちょっと煩悩が湧いてきただけ」
「女子高生の胸に欲情しましたか!」
「僕が発情するのは妹に対してだけだぜ。それに肩甲骨フェチなんだ」
「人識くんはおねーさんタイプが好きらしいですけど、まちまちなんですねえ」
よく分からないところに話の結論を付け、今度は伊織が溜息を落とす。
何ともなしに様刻は尋ねる。
「そういう伊織さんこそさっきから溜息ばっかじゃないか」
「え? そうですか? そんなことはないと思いますけど。
じゃあ、『女子高生』と『女子校生』、どっちが煽情的に聞こえるかって話でもします?」
「……本当にそれは楽しいのか?」
「いいじゃないですか。人識くんはあんまりセクシャルな話には付き合ってくれないんですよ」
そこで話を区切ると、またも溜息。
様刻も段々と分かってくる。
乙女心など妹のことしか把握できない彼ではあるが、こうも大胆に大雑把に大盤振る舞いされると、わかるなというのが無理な話だ。
要するに彼女は気がかりなのだろう。彼のことが。
今から会う、零崎人識のことが。『兄』のことが。
「人識に会うのが、怖い?」
「…………ええ、まあ多少は。だって、あんな風に人識くんから言われたの、初めてでしたから」
確かに様刻からしても意外な反応だった。
あの飄々とした、掴み所のない人間からああもまともな叱咤が飛んでくるとは、思わなかった。
わずか数時間しか行動を共にしていない様刻でさえそう思えるのだから、当事者であるところの伊織からしたら猶更のことであろう。
でも、様刻から一つだけ、断言できることがある。
同じ『兄』として。
「別に、人識の言うことは何も間違っちゃいないさ。ただ、妹を心配する正しいお兄ちゃんの言葉だよ」
今の伊織の様相も、様刻の妹、櫃内夜月と何ら変わらない。
普段と違う兄の姿を見て、単純に動転しているだけだ。
様刻が夜月を初めて拒絶した時、夜月が泣き出してしまったように、
人識から初めて、『家族』としての寵愛を受けた伊織はきっと今にも泣きだしそうなのだろう。
「そうですかねえ」
様刻の言葉を受け、伊織は而して曖昧に頷く。
『家族』とはそんないいものであっただろうか――。
『流血』ならぬ『血統』で結びついた『元々の家族』を思い起こすもあまりいい記憶はない。
それこそ、今みたいに、『兄』が嫌味のような小言を投げかけるような光景しか思い浮かばない。
黙する伊織を認めると、様刻は言葉を継ぐ。
「とりあえず、人識に会ってみなよ」
伊織の脳裏に、先ほどの人識の激怒がよぎる。
今の自分はかつての自分をなぞるように、「逃げていた」。
厳しくも、図星を突かれたような指摘に何も言えずにいる。
「…………」
「…………」
様刻はこれ以上、何も言わなかった。
黙々と、歩を進める。
薬局の影ももう間近だ。
目先の目的地が確認できたことでひとまず息をつく。
「とりあえず伊織さん、首輪探知機でどうなってるか見てくれる?」
「うなー」
歩きながらだとバランスの都合上、常時首輪探知機を見るわけにはいかない。
様刻の両手は伊織を背負うことで塞がっているし、伊織の両手も、振り落とされないように様刻にしがみついているため実質塞がっている。
だから首輪探知機を見るためには一回止まらなければならない。
様刻が足を止めると、伊織はガサゴソと首輪探知機を取り出して、現状を再確認するため覗き込む。
その内容を確認すると、伊織の顔色が変わった。
「様刻さん、ちょっと」
深刻なトーンで伊織が告ぐ。
先と同様に、手にした首輪探知機を、首に腕を回すようにして見せてくる。
『真庭鳳凰』、『零崎人識』、『玖渚友』の名前に並んで、名前が二つ。
片や『真庭狂犬』は死んだ。青色サヴァンが首輪の解析用に持ち出したものだろう。
もう片方は――。
「『水倉りすか』……?」
脈絡もなく、されどはっきりとそこに明示されている名前を、読み上げる。
冷静に考えれば、『こいつ』は協力者の可能性が高い。
『水倉りすか』がもつ、なんらかの能力を使って零崎人識と玖渚友を転移させたのだろうことは想像に難くない。
伊織にとってはともかく、人識にとって、零崎曲識の復讐とは必須ではないのだろう。どうとでも説明はつく。
しかし、本当にそうだろうか?
培ってきた勘や本能が、「何かがまずい」と訴えてならない。
様刻は伊織を背負ったまま、急ぎ足で薬局まで駆け寄った。
扉は締まっている。様刻たちが出て行った時から、何かが変わった様子はない。
「…………」
「…………」
この扉の向こう。
静かだ。少なくとも、この壁越しでは何も聞こえない。
話し声の一つでさえも。異質だ。
あまりに薄弱な壁を挟んだ空間で、いったい何が行われているのだろう。
「伊織さ」
「行きましょう」
様刻はどうすべきか問い掛けようと、声をかける。
伊織の反応は早かった。女子高生でも女子校生でもないような、鬼のような声色で。
「水倉りすかがいると知って、尻尾を巻くわけにはいきません」
――それに、と。
伊織はらしくもなく厳かに、続ける。
「わたしは逃げちゃダメですから。しっかりと、人識くんと向き合うんですから」
伊織の己を鼓舞するような一言を聞くと、様刻は迷うことなく扉を引いた。
慎重に、奥へと進むと、つい先刻まで様刻たちがいた場所へと辿りつく。
人影がある。
赤い、赤い。
どうしようもなく赤い、幼げな人影があった。
「どちら様なのが……、あなたたちなの」
子供は血の涙を流す。
ふらつく幼女の足元を見ると、あからさまな死体が一つ転がっている。
状況証拠から判断するに、『あれ』は『真庭鳳凰』だ。
血の海が広がっている。
じゃあ。
「じゃあ」
零崎人識と玖渚友は?
あの二人はどこへ消えた?
かくれんぼをしているわけじゃああるまいし。
神隠しに遭ったわけでもあるまいし。
「まあ……、誰でもいいの」
蒼白の赤色はしんどそうに呟くと、ぐらりとゆらつく。
随分と精神が摩耗してるように見受けられる。端的に言えば、とても疲れているような。
されど、様刻の興味はそんなところにはなかった。
ソファのあたりに、色々と落ちている。なんだろう、と覗き込む。
意味深に落ちている、あの三つの首輪と二つのデイパックはなんだ。
まるで、『先ほど』まで零崎人識と玖渚友は、『そこ』にいたと言ってるようなものではないか。
零崎人識と玖渚友はもはや、この世には存在しないと言っているようなものではないか。
ふと、様刻の懸念が蘇る。
真庭鳳凰を片付けたことで『終わった』とてっきり思った、あの懸念が。
――伊織ちゃんのこと、よろしく頼んだ。
あの言い方はまるで、遺言のようではなかったか。
突き刺さる漆黒の直刀は、乾き始める血で濡れている。
★ ★
だからいざという時は、ぼくはりすかを全幅の信頼を寄せて、『優勝』させなければならない。
そしていざという時は、ぼくはきっと『一度』死んでいることだろう。
自らの身を挺し、失敗すれば『犬死』、成功すれば、着実に『攻略』へと前進する、一か八かの賭けに臨むか。
創嗣さんならば、そんな『いざという時』なんて念を押さず、迷わず後者へベットをするだろうが、生憎ぼくは、まだあの人のようには成れない。
今や半分以上はりすかの血液が流れているぼくではあるけれど、極力死ぬわけにはいかない。
自らの命を、そんな不確定要素の中に好き好んでには投げ捨てるには、まだまだぼくも悟っちゃあいない。
先んじて、他の方法を模索するほうが建設的だ。
それに、仮に『変身』した彼女が『制限』の抑制を受けない未来を得られたとしても、本来のりすかはどこまで行っても、『参加者』のりすかである。
『変身』が解けたその時、果たしてどうなるか推測するのも困難だ。
莫大な魔力に耐え切れずに弾け飛ぶか、穴に糸を通すような『変身』に、精神が擦り切れてしまうか。
そもそも、主催がこのようなある種の『暴挙』を見逃すか――。
しかし、賭けるとなった時、いざという時がやってきた時、ぼくはこう言い張ってやる。
ぼくとりすかを甘く見るなよ。
あとは好きにやっちまえ、りすか。
――ってね。
★ ★
さあ、『魔法』を始めよう。
★ ★
【玖渚友@戯言シリーズ 死亡】
【零崎人識@人間シリーズ 死亡】
【2日目/深夜/G-6 薬局】
【水倉りすか@新本格魔法少女りすか】
[状態]魔力回復、十歳、極限的体調不良
[装備]手錠@めだかボックス、無銘@戯言シリーズ
[道具]支給品一式
[思考]
基本:優勝する
[備考]
※九州ツアー中、蠅村召香撃破直後からの参戦です。
※治癒時間、移動時間の『省略』の魔法は1時間のインターバルが必要なようです(現在使用可能)
なお、移動時間魔法を使用する場合は、その場所の光景を思い浮かべなければいけません
※大人りすかの時に限り、制限がなくなりました
※それ以外の制限はこれ以降の書き手にお任せします
※大人りすかから戻ると肉体に過剰な負荷が生じる(?)
【無桐伊織@人間シリーズ】
[状態]両足骨折(添え木等の処置済み)
[装備]『自殺志願』@人間シリーズ、携帯電話@現実
[道具]支給品一式×2、お守り@物語シリーズ、将棋セット@世界シリーズ、首輪探知機@不明
[思考]
基本:零崎を開始する。
0:? ? ?
[備考]
※時系列では「ネコソギラジカル」からの参戦です。
※携帯電話のアドレス帳には箱庭学園、ネットカフェ、斜道郷壱郎研究施設、ランドセルランド、図書館の他に櫃内様刻、玖渚友、宗像形が登録されています。
※DVDの映像を全て、複数回確認しました。
掲示板から水倉りすかの名前は把握しましたが真庭蝙蝠については把握できていません。
【櫃内様刻@世界シリーズ】
[状態]健康、『操想術』により視覚異常(詳しくは備考)
[装備]スマートフォン@現実
[道具]支給品一式×7(うち一つは食料と水なし、名簿のみ8枚)、影谷蛇之のダーツ×9@新本格魔法少女りすか、バトルロワイアル死亡者DVD(11~28)@不明
炎刀・銃(回転式3/6、自動式7/11)@刀語、デザートイーグル(6/8)@めだかボックス、懐中電灯×2、コンパス、時計、菓子類多数、
輪ゴム(箱一つ分)、首輪×1、真庭鳳凰の元右腕×1、ノートパソコン@現実、けん玉@人間シリーズ、日本酒@物語シリーズ、トランプ@めだかボックス、
鎌@めだかボックス、薙刀@人間シリーズ、シュシュ@物語シリーズ、アイアンステッキ@めだかボックス、蛮勇の刀@めだかボックス、拡声器(メガホン型)@現実、
誠刀・銓@刀語、日本刀@刀語、狼牙棒@めだかボックス、金槌@世界シリーズ、デザートイーグルの予備弾(40/40)、
「箱庭学園の鍵、風紀委員専用の手錠とその鍵、ノーマライズ・リキッド、チョウシのメガネ@オリジナル×13、小型なデジタルカメラ@不明、三徳包丁@現実、
中華なべ@現実、マンガ(複数)@不明、虫よけスプレー@不明、応急処置セット@不明、鍋のふた@現実、出刃包丁@現実、おみやげ(複数)@オリジナル、
食料(菓子パン、おにぎり、ジュース、お茶、etc.)@現実、『箱庭学園で見つけた貴重品諸々、骨董アパートと展望台で見つけた物』」
(「」内は現地調達品です。『』の内容は後の書き手様方にお任せします)
[思考]
基本:死んだ二人のためにもこの殺し合いに抗う(瓦解寸前)
0:? ? ?
[備考]
※「ぼくときみの壊れた世界」からの参戦です。
※『操想術』により興奮などすると他人が
時宮時刻に見えます。
※スマートフォンのアドレス帳には玖渚友、宗像形が登録されています。また、登録はしてありませんが玖渚友からのメールに零崎人識の電話番号とアドレスがあります。
※阿良々木火憐との会話については、以降の書き手さんにお任せします。
※支給品の食料の一つは乾パン×5、バームクーヘン×3、メロンパン×3です。
※首輪探知機――円形のディスプレイに参加者の現在位置と名前、エリアの境界線が表示される。範囲は探知機を中心とする一エリア分。
※DVDの映像は全て確認しています。
※スマートフォンに冒頭の一部を除いた放送が録音してあります(カットされた範囲は以降の書き手さんにお任せします)。
【G-6 薬局】
- 玖渚友のデイパックが落ちています。中身は以下の通りです。
支給品一式、ハードディスク@不明、麻酔スプレー@戯言シリーズ、工具セット@現実、首輪×2(浮義待秋)、糸(ピアノ線)@戯言シリーズ、ランダム支給品(0~3)
- 零崎人識のデイパックが落ちています。中身は以下の通りです。
支給品一式×11(内一つの食糧である乾パンを少し消費、一つの食糧はカップラーメン一箱12個入り、名簿のみ5枚)
千刀・ツルギ×6@刀語、青酸カリ@現実、小柄な日本刀、S&W M29(6/6)@めだかボックス、
大型ハンマー@めだかボックス、グリフォン・ハードカスタム@戯言シリーズ、デスサイズ@戯言シリーズ、彫刻刀@物語シリーズ
携帯電話その2@現実、文房具、炸裂弾「灰かぶり(シンデレラ)」×5@めだかボックス、賊刀・鎧@刀語、お菓子多数
- 玖渚友と零崎人識と真庭狂犬の首輪が落ちています。
- 絶刀『鉋』は床に突き刺さっています。
- その他二人が装備していたものは、消滅しているかもしれません。
最終更新:2016年03月07日 16:03