アットウィキロゴ

1日目 430・431

戻る  次

シン「それじゃあ1時間後にまたここで。」

言葉「はい、それではまた。」

そう言って2人はそれぞれ青と赤ののれんをくぐっていった。

ここは屋内温泉。規模はそう大きくはないが、岩風呂やサウナ、滝湯や足湯などがある。
いつもは部屋にある小さな風呂なのだが、たまたま温泉行きのスイッチを言葉が見つけてこれから行きませんかと
誘ってくれたのだ。

ところでスイッチとは、俺たちがいつもいる部屋にある扉についている不思議な仕掛けだ。
その扉は一見普通のものだが、真ん中に行き先が書かれたボタンがいくつかあり、それを押してから開くと
なぜか扉の向こうがそこに繋がっているというものだ。ちなみに押さないと開かない仕組みになっている。
扉ひとつでいくつもの場所に行ける上に、さらに不思議なことにボタンの表記がたまに変わっている時がある。
今までで確認できた行き先は、プール、屋内スポーツ用ドーム、書庫、屋内湖、道場、MSシミュレータ、トレーニング
ジム、シューティングレンジ、そして今回の温泉だ。

青いのれんをくぐると、大き目のロッカーとご自由にお飲みくださいの張り紙のあるガラス扉の冷蔵庫があった。
俺は冷蔵庫にコーヒー牛乳があるのを確認すると、ぱぱっと服を脱ぎタオル1枚で温泉への引き戸を開けた。

シン「うわ・・・結構でかいな。」

掛け湯をして体を洗い、さっぱりしたとこでゆっくりと湯船につかる。
お湯は少し塩辛く、無色透明でさらさらしている。地上暮らしの時でもこんな湯は見たことがない。

シン「ふー・・・たまにはこんなでかい風呂もいいな。これでいつでも来れたら最高なんだけどなぁ。」

ぬるめのお湯にしばらく浸かっていると、だんだん眠気が押し寄せてきた。

シン(あふ・・・ここ最近あんまり寝れない状態だったしな・・・ん、なんだろうあれ・・・)

うとうとしつつ湯船の奥のほうをみると、なにやら動くものが見えた。

眠気と湯気でぼやけた視界を頼りに、俺は動くもののほうに歩いていく。
最初細長い物体だったそれは、近づくにつれてその詳細が明らかになっていく。
そして、動くものが不意に振り向き、俺はようやくその正体に気づいた。

「・・・シン・・・くん?」
「?・・・!!!」
「あ・・・きゃあっ」
「ことっ・・・うわぁぁぁ!」

そこにあったのは、水滴できらきら輝き、抜けるような肌色がまぶしい言葉の姿だった。
タオル一枚ない肌色一色の言葉を前に、俺は思いっきり後ずさりそのままくるりと後ろを向く。

シン「ごめん!ごめんなさい!あのっ!み、みてないからっ!」

言葉「あ・・・大丈夫ですよ。ちょっとびっくりしただけです。」

シン「でもっ!おれ、中で繋がってるなんて思ってなくて、そのっ」

言葉「わたしもびっくりしましたけど、水着着用ってこういうことだったんですね。」

シン「そう、水着が・・・って・・・みずぎ?」

言葉「ええ、ロッカーの中にありました。でも変わった色ですね、肌色なんて。」

そこまで聞いて、俺はおそるおそる振り向いて言葉のほうを見た。
よーくみると、言葉は肌色のビキニをつけていた。
よく見ないとこの湯気の中ではわからないくらいだ。

シン「は、はは、ははは・・・・水着か・・・はは・・・」

言葉「?・・・きゃぁ!!!」

なんか安心したせいか急に力が抜けてしまい、気が付くと俺は言葉のほうを向いていた。
当然俺は水着なんかつけてない。ちなみにタオルは手の中だ。

            • 合掌。

戻る  次

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年03月09日 13:04
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。