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1日目 743・744・745

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それは、小さくて可憐な…触れれば壊れてしまいそうな花だった。
今、俺はその前に立っている。
花弁を千切られ、茎はやせ細り、うなだれている花。
その姿がとても哀しいから、水を遣ることにした。
幸いにも水は周りに腐るほどある。
俺は色んな人の涙を手に掬い上げ、その花にかけた。
そしてその花がこれ以上傷つかないように、手でそっと包み込んだ。
花は少し、元気になったようだ。

…目が覚めて。
今のは夢だったのだと確認し、頭を起こす。
隣のベッドでは、言葉が静かに寝息を立てて眠っていた。
とても安らかそうな、綺麗な寝顔。
寝ている彼女を起こさないように、そっと呟く。

「おはよう、言葉」

それは、大きくて勇壮な…何もかもを貫けそうな剣でした。
今、私はその前に立っています。
自らが作る火花の炎に焼かれ、ひびが入り、苦しそうな剣。
その姿がとても愛(かな)しいから、水をあげることにしました。
幸いにも水は私の中に浴びるほどにあります。
私は流れ出なかった自分の涙を掬い上げ、その炎に注ぎました。
そして剣がこれ以上自らを傷つけぬよう、「もういいよ」と刃をそっと撫でました。
剣は少し、輝きを取り戻したようです。

…目が覚めて。
何故だか少し温かな気持ちで体を起こしました。
シン君が私が起きた事に気づき、優しい笑顔を見せてくれました。
とても暖かな、素敵な笑顔。
その笑顔に応えるように、声をかけます。

「おはよう、シン君」

そして二人の一日は今日も始まっていく。

「世界」はあまりに残酷で、「運命」はその手から零れ落ちた。
傷つき、疲れ、心までもが黒に塗りつぶされそうになった時。
何の因果か神の悪戯か、二人は出会った。

誰一人として護ることが出来なかった右手。
誰一人として隣にいてくれなかった左手。

辛くて、寂しくて、悲しくて。
狂ってしまいそうな毎日。

でも、今は一人じゃない。一人じゃなくなった。

少年の強さが。少女の優しさが。

きっと二人の暖かな日々を作っていけるはず…。


「シンと言葉を閉じ込めてみた」

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最終更新:2009年05月21日 00:54
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