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東方ネタ-04


ある晴れた日の昼下がり
今日もたいした異変はなく、いつも通り平和な紅魔館
そんな平和な一日の中、シンもいつも通り館の掃除に従事している
「シン、ちょっといいかしら。」
そんなシンに、メイド長である咲夜から声がかかる
「ん?どうしたんですか?」
「いやね、ちょっとおつかいを頼みたいのよ、今朝見たら食料庫の食料が心もとなくなっててね」
「おつかいですか・・・・・・」
「えぇ、本来なら私が行こうと思ったんだけど・・・・・・ちょっと急用が入っちゃってね。」

疲れた顔をしてため息を吐きながら言う咲夜
またレミリアに無理難題を言われたのだろう、その心中を察してシンは心の中で「お疲れ様です。」と労いをかける
「で、どう?行ってくれる?」
「はぁ、別にいいですけど・・・・・」
何か言いにくそうに頬をかくシン
「なに?何か他に用事でもあった?」
「いや、俺空飛べないから行こうにも湖を渡れないです・・・・・・」
「あ・・・・・・」
そこでようやく重要なことを思い出す咲夜
「そうだったわね・・・・・・普通人間は飛べないのよね・・・・・・最近人間もここを訪れるようになり始めたから、忘れてたわ。」
「それ、お嬢様にも言われましたよ。」

咲夜の発言に半ば呆れるシン
「でも、そうなるとどうしようかしら。」
「他のメイドに頼むとかは?」
「貴方もうちのメイドの能力の低さは知ってるでしょ・・・・・・」
そう言われて、シンは他の妖精メイド達の普段の仕事風景を思い浮かべる
そうして色々と代わりに行かせた場合の彼女達の様子をシュミレートしてみるが
「・・・・・・確かに、ちょっと任せらるとは思えないですね。」
結果は散々足るものだった
彼女達に行かせようものなら検討違いのものを買ってくるどころか向こうで何か新しい問題をこさえて来かねない

「本当にどうしましょうか。」
「そうねぇ、貴方が空を飛べれば一番手っ取りばやいんだけど。」
「それは俺に言われたってどうにもなりません、ていうかこっちとして見れば普通は飛べるほうがおかしいんですから。」
「まぁ、そうなんだけどね。仕方ない、私の能力でどうにかしましょうか、あんまり使いたくないんだけど・・・・・・」
「その必要は無いわ。」
二人の会話に二人の物ではない声が混ざる
二人が声の聞こえた方へと向き直ると、そこにはパチュリーが静かに佇んでいた
「あら、パチュリー様、お茶の時間にはまだ早いですが・・・・・・」
驚いた表情でパチュリーを見る咲夜
彼女は普段レミリアとのお茶の時間を覗いた殆どの時間を図書館の中で過ごしている、ぶっちゃけ引き篭もりである
そんな彼女がこんな時間に上にいることは大変珍しいことなのだ

「ちょっと彼に用事があってね、丁度いいから二人ともついてきなさい。」
そういって踵を返して歩き出すパチュリー
パチュリーの言葉を不思議に思いつつも、二人はその後ろをついていった
そうして数分ほどパチュリーの案内で歩き、たどり着いたのは湖の畔だった
「こんな所に一体何が……」
「あれよ。」
咲夜の言葉に答えるように、湖のある一点を指差すパチュリー
その指の先に何かを見て取る二人
「あれって……まさか水上バイク!?」

その何かが一体なんであるのかをいち早く気づくシン
そしてそれがここにある異常性に驚愕する
幻想郷は基本的に科学技術は中世から近世、私達の歴史から見れば産業革命があった時代程度の技術しかない
しかし時たま、幻想郷には現代科学によって製作されたであろう技術品が見つかることがある
それはたまに現れる結界の隙間から、外の世界の技術品が流れてくるからである
そういった物はこちらの世界ではかなりの貴重品であり、そうそう手に入らない物であるということをシンは聞かされていた
そして、この世界でそのような物を作ることのできる者もいるにはいるが、非常に少ないとも聞かされていた
「なんであんな物がここに……」
「私が作ったからよ。」
「へぇ、パチュリーさんが……ってえぇ!?」
パチュリーの言葉に更に驚くシン

「え、だってこういった機械は作れる人が少ないって……」
「少ないというだけで私が作れないとは言ってないわ。
ちょっと前に月に行くための魔法を作るために集めた材料が有ったんだけど結局作れなくて材料だけがあまってしまったのよ
ね。 それで余った材料で何か作れないかと本を読んでいたら、手頃っだったので作ってみたのよ。」

「そんな簡単に……」
パチュリーの説明に驚きを通り越して呆れるシン
シンは元々科学技術の発達した世界の住人である
故に水上バイクを見るのも初めてではなく、操縦に関してもなんら問題なく操作できるはずだ
しかし1から製作するとなると話が違ってくる
基本的に専門的な知識が必要になってくる仕事だ、もちろんシンにそんな知識があろうはずも無い
例えパーツが全て揃っており、設計図さえ用意されていたとしても組み立てることはできないだろう
それを元々そういった物に縁の無い生活をしていたパチュリーが、こうも簡単に組み上げてしまったのだ
「あぁ、燃料だけはどうしても手に入りそうに無かったから、水の精霊の力を借りて代用してるわ。水に付けておけば自然に動
 力は供給されるから、ガス欠になる心配はないわよ。」
しかも自分流にアレンジしている始末である
シンが呆れるのも無理は無いだろう
「って、もしかしてあれ、俺が乗っていいんですか!?」
「当たり前じゃない、貴方以外にこれに乗れる人なんてうちにはいないし、折角作ったのに使わないのも勿体無いしね。あ、こ
 れキーね。」
「……あ、ありがとうございます!」

シンはキーを受け取ると、パチュリーに大きく礼をしバイクに駆け寄っていく
そのバイクを眺める表情は、まるでヒーローショーを見る子供のような、無邪気で晴れ渡っていた
「……余り物で作っただけなんだけど……あそこまで喜ばれるとは思わなかったわね。」
そんなシンを見て、彼女にしては珍しく微笑みを浮かべるパチュリー
「あの……話が見えないのですけれど、つまりアレがあるとどうなるんです?」
話についていけなかった咲夜が、ようやくと言った感じでパチュリーに質問する
「あぁ、咲夜はアレがどんな物か知らなかったわね。アレはね人を上に乗せて水の上を走る乗り物なのよ。アレがあれば魔法と
 か特殊な力を持たない人間でも水の上を走れるようになるの。」
「はぁ、あんな物がねぇ……」
パチュリーの台詞を聞いて、バイクへと目を向ける咲夜
しかしその声にはまだ疑いの色が混ざっていた

「まぁ、私も作って見ただけでまだ実際に動かしたわけではないんだけど。ところで、貴女シンになにか頼もうとしてたんじゃ
 ないかしら?」
「あぁ、そうでした、シン!」
「はい!なんですか!?」
咲夜の声を聞き、バイクから一旦離れ、二人の下へと戻っていくシン
しかし戻ってきたシンの体はそわそわと落ち着きがなく、今にもまたバイクの元に戻っていきそうな勢いだ
「パチュリー様に聞いたのだけど、アレがあればあなたも湖を渡れるのよね?」
「えぇ、そういうことになります。」
「じゃあさっき頼んだお使いもいけるわよね?頼んでもいいかしら。」
「あ、はい!喜んで!」
咲夜の言葉に凄まじい元気で答えるシン

「そ、そう、それじゃお願いするわね。これ、里までの地図と必要な物のリストにお金だから。」
「はい!任せてください!超特急で行ってきます!」
そういって地図とリスト二お金を受け取ると、凄まじい勢いでバイクへと向かい乗り込むシン 
キーを差し込みアクセルを回す、そうして何度がエンジンを蒸かすと
「じゃあ行ってきます!」
勢いよくバイクを走らせ、あっという間に視界から消えてしまった
「……しっかり走りましたね。」
「えぇ、不備が無いようでなによりだわ……」
「それにしてもすごい喜びようでしたね。」
「そうねぇ、久しぶりに自分水準の文明に触れたからそこら辺の反動もあったんじゃないかしら。」
「はぁ、そんな物なんでしょうか……」
「そんなものよ、ところで貴女、レミィになにか頼まれていたんじゃなかったかしら?」
「……あ!そ、そうでした、それではいって参ります!」
パチュリーに一礼すると、咲夜はそのまま空へと飛びだった
「さて、私も図書館に戻りましょうか。」
咲夜を見送った後、パチュリーも自分の居所である図書館へと戻っていった

さて、そんな訳で人間の里へとやってきたシン
しかし、ここに来て困ったことが発生した
「どうしよう……どこで買えばいいのか判らん。」
そういってため息を吐くシン
先ほども言ったが幻想郷の文明は私達の時代の中~近世の日本、つまり江戸時代の辺りである
そんな時代にデパートなんて物はなく、軒先に商品を並べた店が連なる商店街が構成されるのが常である
そしてそんな所では必ず八百屋や魚屋などの食料品店は複数存在する物で
しかも店によって値段で勝負したり品質で勝負したりと様々である

シンは生粋の現代っ子(つか未来っこ)であるので、そんな商店街でものを買った経験など皆無であり
もちろん良心的な店舗を見切る目利きの能力など持ってるはずも無い
それ故どこで買えばいいのか迷ってしまっているのだ
「う~ん、行きつけの店でも聞いてくれば良かったなぁ……」
そんな風に考え事をしながら町を歩くシン
そして考え事なんかして注意をそらすもんだから
「うおっと!」
「わっ!」
曲がり角で人とぶつかったりする

「だ、大丈夫か!」
とっさに倒れかける相手を横から抱きこむように助けるシン
「ん?」
そこでシンはその手に何かすごく懐かしい感触がするのを感じた
(ん~、この感触はどこだったか……確かまだ戦争が始まる前、アーモリーワン辺りで感じたような記憶が……)
思い出そうと思考に没していくシンだが
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突然、助けた相手が悲鳴を上げる
それと同時にシンへととんでくる右のフック
考え事をしていたシンは、その不意打ちに反応できず、フックは見事シンの顎へとクリーンヒットした
「ぐは……」
顎は数ある人間の急所であり、ここを殴られると人は一撃で昏倒することもある
そしてシンへと放たれた拳は、シンを気絶させるには充分な威力だった
意識が途切れる瞬間シンは
(この拳なら、世界を狙える……)
そんなのんきなことを考えながら、意識を手放したのだった


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最終更新:2008年06月25日 01:57
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