アットウィキロゴ

なのはクロスの作品集-02


  • 十年前 海鳴市公園内(シンが消えてから2時間58分後)
フェイト「なんで人が残ってるの?確かにこの公園全体を一般人が入れないように隔離したはずなのに」
なのは「わからないよ。でも、悪い人じゃないみたい」
フェイト「あんなに眼つきが悪いのに?それに赤い目なんてまともじゃない。とにかく、早く追い出さないとはやてが来ちゃうよ」
なのは「そうだね。リインフォースさんも待たせてるし」
 二人からだいぶ離れたベンチの上で、俺はコーヒー片手に鬱になっていた。
あらためて思う。ありえない!
どこで間違えたら、あんな無邪気な子供が『冥王』になったり『便乗』になったりするんだ?
もしかして俺はパラレルワールドとか言う『極めて近く限りなく遠い世界』に来たんじゃないだろうか。
そうでなければ、この十年間で人格が変わるほどつらい出来事があったんだろう。
でなければ、あんな風には・・・・・・・・思い出すのはやめよう。いっそのこと俺がこの子達を正しい道へ導くべきなのかもしれない。
あんな大人にならないように俺が守ってやるんだ。
あんな大人になったらお終いだからな。


  • ミットチルダ機動六課会議室(シンが消えてから4時間44分後)
なのは「なんか突然、リミッターなしで全力全壊のS☆R☆Bを撃ちたくなったんだけど」
フェイト「なんか私もリミッターなしで全力全壊のプラズマザンバーを打ちたくなってきた」
エリオ「ひぃ、な、何でいきなり怒ってるんですか!」
クロノ「二人とも後にしろ!シャマル、いったいどういうことか説明してくれ」
シャマル「わかりました。え~、コホンッ。皆さんはタイムパラドックスという言葉を聴いたことがありますか?」
ヴィータ「なんだそりゃ?ドックスって犬の名前か?」
ティア「タイムトラベルに伴う矛盾のことですよね。有名なのは過去へ遡った時間旅行者が自分の誕生前の両親を殺害した場合、本来生まれない
    はずの人間が親を殺害してしまう、でしたっけ。」
シャマル「大体それであってるわ。問題は彼が過去に行ったせいで起こった矛盾が現代に及ぼす影響です。もしも彼が過去の私たちに会ったとし
     ましょう」
スバル「何か問題あるの?早く仲良くなれてラッキーじゃない」
シャマル「問題はそこなのよ。もしもシン君が私達の記憶に残ってしまったら、十年後に彼がこの世界に来たときに、私達はもう彼のことを知っ
     ていることになる。ううん、それだけじゃない。同じ時間軸に同じ人間が二人いることになる。それこそ、別次元の自分なんてもの
     じゃない。体も人格もまったく同じ存在よ」
フェイト「小さな矛盾なら世界が勝手に修正してくれる。でも、そこまではっきりとした矛盾なら…。」
シャマル「矛盾の大元を消去する。つまり最初から彼はこの世界にいなかったものとして歴史が修正しなおすでしょう。」
クロノ「ありえない存在は世界の法則を狂わせる。ゆえに存在してはならないというわけか」
キャロ「それって…シンさんとの思い出も、私たちと一緒にいたシンさん自身も消えちゃうってことですか」
 シャマルは黙って首を縦に振った。
なのは「それだけじゃない。もしも矛盾が多すぎて修正しきれなくなったら、時間が混乱して、過去と未来が混ざり合って、最後には…。」
 ミットチルダも連鎖崩壊を起こして消滅するだろう。幸いにもシンは別次元の人間だ。
違う次元にいる以上、過去の自分に会うことは無い。 まだ時間はある。過去の矛盾が現代に影響を及ぼす前にシンを
つれて帰らなければならない
なのは「もう、こんな時にはやてちゃんは何してるんだろう?」


  • ミットチルダはやて部隊長私室(シンが消えてから5時間08分後)
そのころはやては、怪しく光るモニターに向かってあの男と話をしていた。
はやて「というわけや。世紀の天才といわれたその頭脳をうちに貸してほしいんや」
???「我々としてもシン君を助けるのに何のためらいも無い。いいだろう私の娘達の為にも、この頭脳を君に貸そう!ウーノ、すぐに準備を始
    めるぞ。補助動力で聖王のゆりかごを動かし、十分以内に六課へ向かう!」
 続いて彼女は自分のたてたスレにいそいそと何かを書き始める。

【大変】過去に飛ばされたシン・アスカを救うスレ【助けて!】
853:管理局の名無しさん :新暦75年 18:45:44 ID:yagami
 シンがほんまに過去の世界に飛ばされてしもうたんや。
もはや一国の猶予も無い! シンを助けるためにうちに力を貸して!
この掲示板を見て何か方法を思いついた人は、このスレに書き込んでほしいねん!

はやて「さ~て、次はカリムにも連絡せえへんと、レリックひとつじゃ足りんかもしれんし、聖王協会の力もほしいしな~♡」
リインⅡ(さ、さすがマイスターはやて…。おかしくなっても頭は切れるのです!)
はやて「ああ~シンの喜ぶ顔が目に浮かぶわ~♡ 『はやて、ありがとう。やっぱり俺には、はやてしかいないぜ?』
   『ああ、ダーリン♡もう離さへん、二人はいつまでの一緒や♡』」
リインⅡ「………。」
 暗い部屋で一人妄想にふける主を見て、リインⅡはこの人についていって
本当に大丈夫だろうかと本気で悩みだしていた。


  • 十年前 海鳴市公園内(シンが消えてから3時間00分後)
シン「(ゾクッ)」
 な、なんだ、今の悪寒は?何かとてつもないことになってきてるような…。
あ、あえて気にしないことにしよう。うん、そうしよう。
フェイト「魔力反応もないのに結界魔法の中にいるなんて絶対おかしいよ!それにヴォルケンリッターの皆が事前に人がいないように確認してた
     んだよ。人を信じるのもいいけど、たまには疑わないと…。」
なのは「でも、人を見かけで判断するなってお父さん達も言っていたし…。」
フェイト「それはそうだけど…。(イザというときには私がなのはを守らないと)」
 いやな予感を振り払って顔を上げると、ちょうど話を終えた二人がこちらに向かってくるところだった。
フェイト「あの、失礼だとは思いますけど、とりあえずこの公園から離れてはもらえませんか?」
シン「どういうことだ?俺がこの公園にいちゃまずいことでもあるのか?」
なのは「いえ、その、えっと…。」
 どうやらフェイト(今は下手に隊長なんて呼べないよな)には思いっきり
警戒されているようだ。まぁ、当然のことなんだろうけどしかし、どうも会話が要領を得ない。何か隠し事でもしてるのか?
シン「それにしても今日はこの公園誰もいないな。まるで魔法にでもかかったみたいだ」
フェイト・なのは「ぎくっ」
 図星か…。俺もこの手の結界魔法は前に見たことがある。
あの時は、ナンバーズに拉致されて遊園地に行ったときだっけ。後々、大変な目にあったのはまだ記憶に新しい。
しかし、何のためにこんな公園に?


???「どうした。何かあったのか?」
 不思議と聞き覚えのある声だった。
その声を聴いた瞬間、はやて隊長に聞いた話がとたんにフラッシュバックしてきた。
心音が一気に跳ね上がって、とたんに息苦しくなる。雪の降る公園に、十年前の世界、話に聞いた『闇の書事件』も確か十年前!
ならまさか、俺の目の前にいるこの人が・・・。
???「急がないとはやてが来てしまうぞ。早く・・・・?」
 彼女も俺に気付いたようだ。探るような目つきで俺を見てきた。
その赤い目で、銀の髪をなびかせ、この寒い日に薄着でも顔色ひとつ変えずに、彼女は当たり前のように、そこに立っていたのだ。


シン「リイン・・・フォース?」
なのは「えっ!」
フェイト「今、・・・なんて言ったの!」
なのは(やはり、慣れない)達は、明らかに動揺していた。
見知らぬ男が自分たち以外、誰も知らないはずの名前を呟いたのだ。
リインⅠ「…わが主から承った名を・・・私達しか知らないはずのこの名を…」
 だが、動揺なら今の俺のほうが明らかに上だ。
リインⅠ「何故、貴様が知っている!」
 実に今更な話だが、
リインⅠ「答えろ!」
 俺は今、とんでもない場面に出くわしてるんじゃないか?


???「リインフォース!」
 懐かしい声と共に、十年前と同じ姿のはやて部隊長が車椅子に乗ってやってきた。
よほど急いだのだろう。手がかじかんで息も上がっている。 ああ、このまま大人になったらどんなに良かったか。
でも、前に聞いた話によると・・・。
シン「(確かこの後、車椅子が・・・!)あぶない!」
 話に聞いたとおり、はやての車椅子はみごとに横転した。
雪で走り辛かったが、コーディネイターの瞬発力は伊達じゃない。 ギリギリだったが、なんとかはやてを支えることに成功した。
シン「大丈夫か、はやて! 怪我はしてないよな!」
はやて「あの、助けてもらって言いづらいんやけど・・・・誰?」
 しまった~!よりにもよって名前で呼ぶとは・・・。
十年前に飛ばされてから、明らかにうかつだぞ俺!
ヴィータ「なんだ! 何かあったの・・か・・・・。」
 騒ぎを聞きつけてヴォルケンリッターたちが戻ってきた。
戻って来たのだが・・・その、無理な体勢ではやてを支えたせいか、後ろから抱きかかえる体勢になってしまった。
これは、第三者から見ると俺がはやてを襲っているようにしか見えない。
おまけにこの感触、俺は明らかにはやての貧乳をつかんでいる!

はやて「あ、あの、これはちがうんよ。その、偶然というかなんと言うか」
なのは「そ、そうだよ。この人ははやてちゃんを助けようとして…。」
 俺のこれまでの経験が告げている。もはや何を言っても無駄だと。
こうなったヴォルケンズは、はやてでも止められない!
シャマル「は、はやてちゃんがロリコンヘンタイ男に襲われてる!」
 シャマル先生、十年前もあいかわらずですね。まあ最初から期待してませんでしたが・・・。
ザフィーラ「いい度胸だ。どこの誰かは知らんが串刺しになりたいと見える」
 このくそ犬、帰ったら絶対たまねぎ食わす!
ヴィータ「このぺド野郎。はやてから離れろ!」
 あ~またギガントシュラークですか、そうですか。
シグナム「今日のレヴァンティンは血に飢えている。悪いが手加減はできんぞ!」
 あの、シグナムさん?カートリッジを三発もリロードしてあなたは一体何を撃つつもりなのですか?
ヴォルケンズ「「「「 吹っ飛べ! 」」」」
シン「アーーー!」





タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年07月03日 23:15
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。