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なのはクロスの作品集-04


  • ミットチルダ機動六課倉庫(シンが消えてから約一週間後)
シンが消えてから一週間後、ようやく時間跳躍システムが完成した。
天才博士争奪合戦(引き分け)とシステム完成までのカオスはあまりに凄惨を極めたため、残念ながらお見せすることはできない。
とても笑って済ませられるレベルではなかったとだけ言っておこう

被害報告
クラウディア×1      中破
アースラ×1        小破
なのはの向こう一年の給料  小破
フェイトの向こう一年の給料 小破
はやての向こう五年の給料  大破
新人組           疲労困憊
ヴォルケンリッター     疲労困憊
ナンバーズ         オーバーホール
機動六課の名声       粉砕☆玉砕☆大損害☆

これだけ世間を騒がしておいて、この被害で済んだのはむしろ奇跡といえるが、これはクロノ提督とカリム・グラシアの対応が早かったからだろう。クロノが機動六課にクラウディアを貸し出したことにして、カリムが根回しをしなければ、はやて達は確実に懲戒免職になっていただろう。もっとも当の本人たちはそのことを気にかける様子もなく、シンの奪還に向けて闘志を燃やしているのだった。

はやて「いや~、ようやく完成したなあ。」
フェイト「頑張ったかいがあったよ」
ティア「がんばったのは科学者の皆さんなんですけどね」
 その科学者達も既に元の次元に送還されている。
何人かは強烈なインスピレーションを受けたようだが、気にしないことにしよう。いきなり性格が変わったり、最強クラスの起動兵器を作ったりしてもけっして機動六課のせいだと思わないように!
はやて「さて、それではさっそく…(がしっ)」
なのは「はやてちゃん?どこに行こうというのかな?」
はやて「作ったばかりでテストもしてないわけやし、ためしに十年前にでも」
フェイト「試すだけなら誰でもかまわないよね、」
ティア「いまさら抜け駆けはなしですよ、はやて部隊長」
スバル「それじゃ私が行ってきてあげるよ。え~と、スイッチは…。」
な は フェ ティ「「「「 あんたは絶対ダメ! 」」」」


シャマル「全員だめです!」
いつの間にか入り口に立っていたシャマルが凛とした声を張り上げた。
ティア「ぜ、全員ダメって・・・どういうことですか?」
シャマル「過去の自分と会えば時間軸が狂うって、最初に言ったでしょう。当然、体長格とヴォルケンリッターのシステム使用は厳禁!
     新人組は実力不足で危険だし、ナンバーズも右に同じです!」
はやて「そ、そうや。リイン曹長ならいけるはずや!頼むでリイン!」
リインⅡ「ええっ、私が行くんですか~?」
フェイト「はやて、それ本気で行ってるの?」
はやて「当たり前や!このままじゃ何のために減給五年になったかわからんやないか!あれほどの苦難を乗り越えてもマイダーリンに会えへんな
    んて…ぐえっ」
なのは「はいはい、はやてちゃんは向こうで私と二人でお散歩しようね~」
 あっけなく気絶させられたはやては、なのはに引きずられて倉庫から姿を消した
ティア「でもどうするんですか?他に残ってる人なんていましたっけ?」

 そのとき、いままで目立たなかったデス子がここぞとばかりに名乗り出た。
デス子「まだ私がいます!私がマスターを救ってきます!」
シャマル「あなたが?」
デス子「はい、私なら地球のどこに飛ばされてもマスターを探知できますし、いざとなったらユニゾンしてマスターを助けることができま
    す!」
 デス子の言うことも一理あった。なにより使用するエネルギーの問題から向こうに送る質量は小さいほど都合がいい。
今の時点ではデス子を送るのが最上の選択だった。もっとも一部の女性陣は最後の最後までごねていたが。(特に誰とはいわないけれど)


  • ミットチルダ機動六課倉庫(シンが消えてから約八日後)
出発の準備は整った。
予備の非常食に、地球の硬貨(50万円分)、歯ブラシなどの日用雑貨等々。
もっていくものはこれで十分だろう。 なお、どさくさにまぎれてはやてたちが乱入しないように、見送りはシャマルとスカリエッティだけでおこなっている。
シャマル「この時計を渡しておくわ。絶対になくさないよう注意してね。」
デス子「あれ、この時計止まってますよ?」
シャマル「時計というよりタイマーだから、向こうに着いたら自動的に動き出すわ。 再転送は一ヵ月後、そのときあなたは必ずシン君と接触していればならないのよ。忘れないでね」
デス子「転送にマスターを巻き込まなければいけないんですね、わかりました。」
スカリ「それと、これを持っていけ」
スカリエッティが取り出したのは赤く透き通った宝石だった。
デス子「これは?」
スカリ「闇の書の修正プログラム。そのプロトタイプだ」
シャマル「スカリエッティ!あなた、どうやってこれを!」
スカリ「なに、あれだけ天才がいたんだ。難しいことじゃない。もっともどんなに急いでも完成には後一ヶ月はかかるがね。詳しいことは君のマ
    スターに聞くといい」
デス子「わかりました。行ってきます!」
 屈託のない笑顔を残して、デス子は時間の向こうへ旅立っていった。

スカリ「さて、私たちも行こうか。」
シャマル「あれを使えば世界がどうなるか、あなたはわかっているはずよ。恐ろしく分の悪いかけになるわ」
スカリ「失敗しても成功しても失うものは変わらない。それなら、見返りは大きいほどいいだろう?」
シャマル「大博打になるわよ」
スカリ「これは最初から世界をかけた大博打だったんだよ。私はシン君にかけただけだ。君はどうする?」
シャマル「私はもちろん」
 シャマルは初めてスカリエッティに微笑んだ。
シャマル「シン君にかけるわ」


  • ミットチルダ機動六課中枢司令室(デス子転移の30分前)
ディエチ「ナンバーズ、すでに半数が行動不能。新人組も被害甚大です」
ティア「くっ、まさか体長格が全員裏切るなんて!援軍に来たゼストをヴォルケンズに当てて。ルーテシアとキャロはどうなってるの!」
クアットロ「ヴォルテール、ハクテンオウ、共に押されています」
ティア「後30分、みんなお願い!なんとしても阻止して!」

  • ミットチルダ機動六課最終防衛ライン(デス子転移の10分前)
クロノ「まさかリミッターを解除してまで突っ込んでくるとはね。だがそれもここまでだ!」
はやて「クロノ君、どうやっても私の前に立ちふさがる気なんやね」
クロノ「時間跳躍システムは一度使えば再チャージに半年の期間を費やす。はやて、クラウディアの恨みは晴らさせてもらうよ。」
 Sランクオーバーの技を持つもの同士の戦いは壮絶を極めている。
はやて「過去の私にシンとラブラブなフラグを立てさせるために、他の女を駆逐するために、私はどうしても過去に行きたいんやー!」
クロノ「そんなものは他の職人さんに頼めー!」
 またひとつ、ミットチルダに花火が上がる

転移終了の五分の出来事であった。


  • 十年前 海鳴市病院の一室(シンが消えてから74時間53分後)
あれから約三日が過ぎ、俺も自分で動けるくらいにまで回復していた。立ち上がって窓を開けると、潮の香りと共に心地よい風が入ってくる。
こんなにのんびりしたのは、医務室以外では久しぶりだ。さてと、寝汗もかいてることだしちょっと早いけど着替えるか。

突然後ろで閃光がおこり、何かが落ちてきたような音が聞こえてきた。
デス子「ひゃっ」
シン 「何だこの光は・・・? お前はデス子!」
デス子「は、この声は! うわ~ん、マ・・・・。」
 デス子はこちらを向いて・・・・固まってしまった。
そういえば、俺着替えの途中だったな。
シン 「・・・・・・。」
デス子「・・・・・・。」
 なんとも気まずい空気が流れている。
いや、もしかしたら迎えが来るかもと期待はしてたんだ。ただ、いくらなんでもこのタイミングはどうかと思うぞ。
シン 「・・・・・・なあ、デス子」
デス子「・・・・・・。」
シン 「迎えに来てくれたのは嬉しいんだけどな。今は着替え中なわけで・・・。」
デス子「・・・・・・・。」
シン 「わるいんだけど・・・」
デス子「ご、ごめんなさーい」
 デス子は真っ赤になって病室を出て行っていった。もっと感動的な再開になると思っていたのに、
俺はどうしていつもこうなんだ・・・orz


  • 十年前 海鳴市病院の一室(シンが消えてから74時間56分後)
シン「もう入っていいぞ~」
デス子「うわ~ん、マスター」
 勢いよくドアが開き、デス子が泣きながら抱きついてきた。
地球でも怪しまれないように、アーマー?はついていないみたいだ。
しかしあれだな、うん。シリアスな空気って、一度崩れると二度と戻らないんだな。

どのくらいそうしていただろうか。ようやくデス子も泣き止んだ。
シン 「あ~、デス子。もう大丈夫なのか?」
デス子「ぐすっ、すいません。マスタ~、本当に無事で何よりです。」
シン 「まあ、無事ってわけでもなかったんだが・・・。いきなりベットの上に落ちてきたときは驚いたぞ」
デス子「この広い地球で真っ先にマスターに会えるなんて、これが『運命』って奴なんですね♪」
シン 「お前が言うな。ところで俺が消えた後、向こう側はどうなっているんだ?時間移動ができるシステムなんてまだ完成してなかっただ
    ろ」
デス子「それがね、マスター。大変だったんですよ」
 俺はデス子から俺がいなくなった後の皆の様子を話してもらった。
シン 「・・・・・なんか、ものすごく帰りたくなくなってきた」
デス子「何のんきな事言ってるんです!このままこの時間軸にいたら大変なことになるんですよ。もしも、隊長達の一人にでも会ってしまった
    ら・・・。」


はやて 「シン兄、学校終わったから迎えに来たでー」
なのは 「お土産に翠屋のシュークリーム持ってきたよ」
フェイト「今日で退院なんだから、そろそろ準備を・・・。」
        • あれ、なんかデジャブ感が・・・・。
なんていってる場合じゃない!この格好は俺がデス子に押し倒されているように見える。
これは嫉妬に狂ったはやて達に殺される確率『大』だ!くぅ、体が動かないのがこれほど恨めしいことはない!
シン 「待ってくれ、こ、これは・・・・」
はやて「なんや、もう病院でお友達を作ったん?」
 えっ?い、今なんと・・・?
なのは 「いきなりだったからびっくりしたよ。あ、私は高町なのは、よろしくね。」
デス子 「あ、わ、私はデス子と言います。よろしくおねがいします。」
フェイト「ふふ、私はフェイト・テスタロッサ、よろしくね」
 信じられない。いまだかつて、おこった事がない異常事態だ。
シン 「ばかな!この状態で女難が発動しないなんて!」
デス子「き、奇跡です。奇跡が起こったんですよ!」
フェイト「何の話?」
 帰ったら、お赤飯だな!
って落ち着け俺、ここは冷静になるんだ。
まずは、何も知らないデス子に事情を説明しなければ、俺がついた嘘がばれてしまう。
シン 「みんな悪いんだけど少しこの子と話をさせてくれないか?この子、どうも俺のことを知ってるみたいなんだよ。」
デス子「何の話ですか?マス・・・(もがー)」
俺は口を滑らせそうになったデス子をなんとか押さえ込んだ。
ふう、危うくボロが出るところだった。これから、はやての家に居候するかもしれないんだ。
俺の正体はなんとしても隠し通さないといけない。
未来から来たなんてばれたら、絶対にはやて達に未来の自分たちについて聞かれるだろう。
あんな残酷な事実は、知らないほうが幸せだ。

なのは「そうなの?すごい偶然だね。シンお兄ちゃん、よかったね♪」
シン 「ああ、みんなありがとう」
 そんなまぶしい笑顔を俺に向けないでくれ。
うう、良心の呵責が重い・・・。




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最終更新:2008年07月03日 23:30
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