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デモベ単発-01

赤い空、焼けた大地、炭化した複数の骸、未だ血を滴らせる千切れた腕 ……ソレラを睥睨し飛び去る有翼の巨人。
ああ、そうか コレは夢だ、、、まるで他人事の用に呟き、茜色の空を見上げた。

"力"を欲し、ただ我武者羅に闘い続けてきた。
同じ様な思いをする者―第二、第三のシン・アスカ―を生み出さないと言う想いを免罪符に強大な力を揮い続けた。
俺には闘う事しか出来なかったからだ。
力を求め、力を揮い、力に抗い続けた……そして俺は今も此処に、死に彩られた場所に居る。

言うなればコレが俺の心の原風景なのだろう、そんな事を思う。
この風景に何か思うことは無いかと聞かれれば悲哀、憤怒、憎悪…そんな言葉では言い表わせない想いを抱くと答えるだろう、でも…それだけだ。
次元を駆ける列車"Dライナー"で様々な世界を巡り、幾つか似た様な世界を見つけはしたが結局CEは見つからなかった。 だが、それで良かったとも思うのだ。
確かに未練は有る。 どうしても赦せない奴等が居る。
だがそれ以上にこの世界…いや、優しい仲間とおかしな家族達と離れたくないと思うようになった。 だから…

「全く、何時もの事とは言えなんで我等が"マスター"は良い夢が見られないのかしら?」
幼さの残る声。白い雪が目の前の光景を易しく包み込み、世界を塗り替える。 空には赤い/紅い満月、魔性を称えた月が輝いている。
まぁ、だからこそ私達が居るのだけど。と言う声と共に顕れる白の少女、レン。 

「レン、それに…ハサハもか」
何時の間に現れたのか、雪の世界の真ん中に造られたカマクラの中で炬燵に入った黒い和服を着た狐耳の少女、ハサハが手招きをしている。

「ああ、今行くよ」
レンと並び立ってハサハが待つカマクラへとゆっくりと歩きだす。
これからも悩み、嘆き、後悔しながらも歩いていくのだろう、共に歩んでくれる人達と共に……

夜も深け草木も眠る刻、寝静まったその部屋へと息を潜め、細心の注意を持って潜入した一団が有った。

「おーらいおーらい、おーし其処其処ぉー」 「崩すと後が大変だからな、慎重に置くぞ。 む? ザフィーラ、少し下げてくれ」 「…こうか?」
「おーけぇなのです!」 【…てぇけ・りりぃ てぇけ・りり デゲっ「あーん、今ブヨッとしたの踏んだぁー」…りりぃ てぇけ・りり…zzz】

……訂正、賑やかな一団が居た。
彼らが持ち込んだのは人一人が軽々と入れそうなサイズの"箱"だ。
縦長の箱の胴部分に大きなリボンが付いており、蝶を模って結ばれたソレが嫌な予感を際立たせる逸品である。
尚、まかり間違っても直径約4インチ程の不揃いな大きさ・切子面を数多く備え、所々に赤い線の入った漆黒の結晶体を収めた金属製の箱などでは無い。

「んじゃぁ帰ろうぜ?」 「ああ、時間も遅いしな」 「夜更しはお肌に悪いですしね」 「所でザフィーラ、何処でケーキ作りなんて覚えたんだ? 何気にはやてより美味いし」
「ヴィヴィオが食べたがったからな、修行して来た」 「……何処まで行くつもりなんだよお前、、、、、」
等と喋りながら部屋を出て行く4人+1。
彼らが運び込んだ"箱"が如何なる事態を引き起こすのか。 それは今、夢の世界の住人である少年と妖怪王国+1には知る由も無かった。

雪がしんしんと降り積もる白の世界に、大きく盛り上がり、人一人が通れる位の穴が開いた場所がある。
それは"鬼妖界・シルターン"と言うリィンバウムを囲む四つの世界の一つ、鬼神・龍神・妖怪に人が住まう大昔の日本にも似た独特の世界出身であるハサハの提案でレンによって作られた空間だ。
かまくらの中には三角型の炬燵に淡い光を放つ燈篭、炬燵の上には其々の趣向に合わせ湯気を立てるコーヒーと紅茶に緑茶、切り分けられたケーキが置かれている。

少し前、かまくらに着いた途端にクラッカーが鳴り響き、「お兄ちゃん」「シン」「「誕生日おめでとぅ」」
まあ、何だ。 突発ではあるが三人だけで"夢の"誕生会が開かれたのだ。
誕生会と言うだけあって俺とレンの前には綺麗に切り分けられたケーキが置かれており、ハサハの前にはケーキの他に彼女の好物である"油揚げ"が置かれ、あむあむと幸せそうに頬張っている。

"夢とは曖昧なもの"、コレはこの世界の主である夢魔、レンの言葉である。
曰く、強く思えばそれが現実となり如何なる実際に他人の夢に強制的に入り込んでしまう者も居るらしい。…何が起ころうと夢は夢、とも言っていたが。

だからだろうか?
俺がレンと"デスティニーで共に放り出された"ダストヴィン大陸。
其処で知り合った人達やデスティニー(管理局改修済み)を元にDライナー建造に力を貸してくれた"ブラウニン機関"……
特に世話になったのはシャノン、ラクウェル、パシフィカ達カスール三兄妹とシャノンを主と仰ぐ"終末の魔獣"ことドラゴン(本人曰くオールラウンドフリーフォーミングインターセプターモデル4、竜機神<ドラグーン>とかなんとか…)のゼフィリス。
レンは特にゼフィリスを"他人の気がしない"と良く言っており、今日も共通の話題で盛り上がっていたが矢張りハサハはあむあむと至福の表情で油揚げを食べていた。
本人曰く夢だから太らないし満腹にもならない為、色んな味の油揚げが食べられると語っていた。小柄で小食なハサハにとっては満腹感より味らしい。
と、取りとめも無い事を考えていたそんな時だ、アレが現れたのは……

ゴギャァァァアア~ンンンッタラリラタラリラトゥウイィーン♪と言うギターの音を響かせながら地面を突き破って現れたのは、ドラム缶(四本腕と頭頂部に漢の浪漫ドリル付き)である。
真坂、そう思った瞬間にそれはかまくらの一部を崩し現れたのはギターを掻き鳴らす緑髪で白衣を来たマッチョな男。
『ドォクトゥァァアアアアーーーッッ! ウッゥウェェエーーストゥッ!!』
夢の中まで何しに出てきたこの■■■■。

「何で有るか此処は…白一色、雪であるか?
……まあ何はともあれこのドクタァ・ウエスト様の素晴らしすぎる愛と夢と勇気・友情と熱血と奇跡、汗と涙とほんのちょっぴりのローンによって作られた
このスーパーウエストハンディ・無敵ロボ(略)ドリーム・ドリラー~掘って掘って掘り進んだらマントル付き抜けGo to heaven~は大成功だったみたいであるな!
ああ、スマンであるな凡人眼鏡。我輩は貴様を数百光年を優に超え、M28光年の彼方から睥睨するかのような高みに上り詰めてしまったようである
世のありとあらゆる存在が我輩を妬み羨み穴を掘って掘って掘り続けて天元突破にホリス○ム君である!ああ、これも天才過ぎる我輩の頭脳が悪いのねっ! げひゃ、げひゃ、ぷぎゃーーーっっはっはっは!」
もう駄目だコイツ。

初めて遭遇したレンとハサハはぽかんとした顔でそれを見ており、それに気付いた世紀末大天災Drウエスト(破壊ロボ饅頭がお土産に人気)は…
「ぬわんと!何時ぞやの赤目boyではないか。
我輩の愛しいモルモットとして風車のバッタ怪人になる覚悟はOKぃ?」
等と聞いてくる始末。 正直関わりたくは無かったDeth.
「ねぇ、シン…何なの、コレ?」
「な、ぬわぁんと、アーカムシティにこの人有りと謳われるこの我輩を知らない!?
なんたる無知!無知とは罪!無知とは悲劇!
悲しみと絶望に彩られた君の人生を喩えるならば、この掌に舞い降りた儚い淡雪のようなもの。
ああ、雪がすべてを白く埋め尽くす。 そう、僕の悲しみも何もかも。
ゴゴゴゴ・・・・・・。なに?なにが起こったの?な、雪崩れ!?ギャー!」
■■■■は雪崩と消えた……何でこんな事になってんだ俺の夢、、、

「…ひとのゆめって書いて、はかないって、読むんだよ?」
ハサハのことばと共に世界が霞と消えていく。
俺の目からはこぼれた液体が頬を伝って流れていった





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最終更新:2008年07月16日 02:40
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