※このお話は本編とは時間軸が異なります。
年も明けて、一月一日。
とはいえ別に朝寝坊をする気は無いので、普段どおりの時間に起きた。
おせちやら雑煮やらは事前に用意を済ませてあったから後は軽い調理だけ。
ちょうど用意が終った辺りに尋ねてくる朝倉兄妹にはもう慣れた。どうせそんな事になるだろうと思って多めに用意してあったし。
「ぬっくー…………」
そして今は、こたつに潜ってぐんにょりしていた。
「これが至福ってやつか……」
感慨深げに呟いてみる。
最近は大掃除やらおせちの仕込やら何やらでずっと忙しかったから、久々にのんびり出来る。
特におせちってのは初めて作ったから割と苦労した。色々手伝ってくれた白河には今度何か礼をしておこう。
「だらしないなぁもう」
「少しくらい勘弁してくれー……ん?」
居間に入ってきたさくらは着物姿だった。色は薄い桜色。
金髪碧眼な外見を持つさくらだが、元々変な所で日本人っぽいせいか着物は結構似合っていた。
やや子供っぽさが強調されている気もするが。
……NGワード、七五三。
「まあそれはさておき。何で着物なんか着てるんだ?」
「もー。初詣に行くって言ってたよね?」
「そうか。いってらっしゃい、車に気をつけてナ」
「シン君も来るの! てか地味に子ども扱いするなー!!」
ええーと講義の声を上げる。こっちはやっと時間が出来て念願のこたつを謳歌しているのだ。
正直寒い外に行きたくない。
「……出たくない」
「スイッチOFF」
「な、なんてことをっ!」
ネイティブな発音と共に躊躇無くこたつのスイッチを切る小さな悪魔。しかもご丁寧にコンセントまで抜いている。
「ほら速く準備するー! 皆と待ち合わせしてるんだよー!」
「ウワーアンタッテヒトハー」
更にこたつから弾き出された。
「……別にいいだろ。初詣なんて行かなくても」
「だーめ。一年の計は元旦にあるんだよ」
半ば引き摺られる様に、神社までの道のりを歩く。
朝倉兄妹は家に居なかったからもう出かけたんだろう。元々現地集合の約束らしいし。
それにしても予想通り外は素晴らしく寒かった。雪でも降るんじゃないのか、これ。
「――そういえば。シン君は初夢見た?」
「見た。どんなのか全く思い出せないが凄まじい内容だった……気がする。さくらは?」
「見たよ」
「どんなのだよ?」
「それは内緒ー」
「? まあいいか。じゃあ今度はこっちから質問な。神社で何お願いするんだ?」
「うにゃ? んーと。お兄ちゃんがボクに振り向いてくれるようにかなー」
「……結局それかい」
溜息が白い。流石に元旦という事もあってか、朝という時間帯にしては人が多く感じる。
さくらのように着物姿という人もわりとよく見かける。
「むー。じゃあシン君は何をお願いするってのさー!」
「それはナイショー」
さっきのさくらの真似をして返答する。
俺の態度に腹が立ったのか、膨れっ面のままもうシン君なんて知らなーいと駆け出していくさくら。
転ぶなよーと声をかけたら余計なお世話と怒鳴られた。
俺が願う事なんて決まってる。
今みたいな時間が、これからもずっと――――
※全員で大人しく雑煮食べてます。
デスティニー「うにょーん」
フォース 「うにょーん」
ソード 「うにょーん」
ブラスト 「うにょーん」
運命I 「うにょーん」
リインⅠ 「……うにょーん」
アイシア 「何の儀式ですかッ!?」
最終更新:2008年07月21日 00:21